中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

ちびちびさん一家のお姉ちゃん猫､チビちゃん
｢猫の部屋｣の仲間たちの中では珍しい真っ白のきれいな毛並みです
｢ちびちびさんが白猫で､そっくりだったからお姉ちゃんがチビ､妹が小チビって …｣
｢…うん､黒い子も大黒に小黒､茶トラはタマに小玉だもんね｣
少し安直なネーミングだった家族７匹
いつも秘書たちは､そう言って笑っていました
可愛がられていたからか、全員が人懐っこくて甘えたさん
とても愛嬌がある、可愛らしい大家族でした

最初に小チビが幸せな卒業を迎えました
今は”リンダちゃん”というオシャレな名前をもらって、あやぴーさんのお家で先住猫さんのお姉ちゃん、オチビちゃんと一緒に、幸せに暮らしています
次に小黒と小玉は「猫の部屋」で初めて、２匹一緒に卒業を迎えました
今も姉弟仲良く、お家猫さん生活を満喫しています

ちびちびさん一家の飼い主のお父さんは、元々、公園に暮らすホームレスさんでした。
しかし公園を立ち退いた後、公園事務所のおじさんとの約束を守って自立され…
そしてこれもまた約束通り、ちびちびさんとタマちゃんをお迎えに来られました

幸せ続きのちびちびさん一家
残るは黒猫の大黒ちゃんと白猫チビちゃんの２匹になりました。
「チビも大黒も、本当にお母さん譲りの甘えたさんの可愛い子だもんねー」
「すぐにでもお家猫さんになれるもんねー」
おもちゃで遊ぶのが大好きで、いつもゴロゴロと甘えてくる白と黒…
色違いでそっくりな２匹を見ながら、いつも秘書たちは幸運を引き寄せるようにと願っていました

ある日、１通のメールが届きました

「うちの２匹と同じ３歳の白猫（チビさん）を見て…
是非、里親になりたいと思いました
耳のＶカットもうちの２匹とお揃いです」

それは可愛い黒猫さんとタキシード猫さん、２匹の先住猫さんと一緒に暮らしておられる里親希望の方からでした
「先住猫さんにも耳カットがあるんだ…」
「どんな猫さんたちなんだろうね…」

メールでのやりとりを続けている間に、その方はいろんなことを教えてくださいました
実は先住猫さんたちも、元はホームレスさんの飼い猫だったこと…。
とても大人しくて、警戒心ゼロ、攻撃性もゼロ、
お外に出してしまえば生きてはいけないほどの兄妹猫だということ…。
お友達のお家の猫さんたちにも警戒心がゼロなので、もしチビちゃんを迎え入れることになっても大丈夫だと思うこと…。
とても可愛らしい先住猫さんたちの写真とともに送られてきたメールから、深い愛情が感じられました

そしてそのメールには、もう１枚写真が添付されていました
「趣味が日曜大工（家具作り）なので猫タワーも完備です」
工夫して作られている、すごくステキな手作りの猫タワー
それを見た瞬間に…
こんなに温かくて優しい方のお家なら幸せに過ごせるんだろうなと感じました

「チビも仲間に入れてもらえたら、どんなにいいだろうね…」
「うん、でもチビ、大丈夫かなぁ」
甘えたさんのチビちゃん
まるで弟や妹のように可愛がっていたサスケとアトムが卒業してから、少し寂しそうにしていたのですが…

その頃からチビちゃんが甘えている時に、フクちゃんやくーちゃんがやって来ると…
『（パチンッ）』
時折、叩いたりすることがあったのです

「どうしたんだろ、チビ寂しいのかなぁ…」
「きっと今までも、もっと甘えたかったんじゃないかな」
「サスケとアトムは小さいから、我慢しないといけないって思ってたのかもしれないね…」
チビちゃんに秘書たちのそばを取られ、すごすごと引き上げるフクちゃんやくーちゃん。
「しかし男の子は、なんというか…」
「…うんいつも女の子にやられてるよね」

その後…
お見合いの前に秘書たちは、メールをくださったチビちゃんの里親希望の方とお会いする機会に恵まれました
とても包容力があり、いろんなことを真剣に考えておられる真面目な方だったそうです
何より感じたのは、猫に対しての目線が本当に優しいこと…
過度の猫かわいがりをする訳ではなく、
例えば先住猫さんに対しても、１匹ずつの性格をきちんと把握しておられました。
そして無理矢理に愛情を押しつけず、その猫が持つ個性を尊重しながら、しっかりと育てておられることが感じられました
第二秘書が撮ったチビちゃんの写真を見ながら…
「楽しみですねチビちゃんに早く会いたいです」
何度もそう言っておられたそうです

こうして先週、白猫チビちゃんは無事にお見合いを終えました
写真のチビちゃんを最初に見た時から…
「もうすでに決めていました」
そう言っておられた優しい里親さん
実物の甘えたさんのチビちゃんと会って…
やはり、すごく気に入ってくださったそうです
アゴの下に少し皮膚炎があったチビちゃんを心配して、司令塔Aさん、運び屋Tさんと一緒に病院にも付き添ってくださいました
幸い何事もなく、里親さんも安心しておられたそうです

そしていよいよ、チビちゃんは…
可愛い先住猫さん２匹が待つ、ステキな猫タワーのある、優しい里親さんのお家へ行くことになったのです

最後の最後まで心配だったのは…
先住猫さんたちとチビちゃんの相性
チビちゃんを送っていった司令塔Aさんの話によると…
先住猫さんたちは、突然、自分たちのテリトリーに現れた真っ白のチビちゃんを少し警戒していたようなのですが…
当の本人のチビちゃんはというと、全く意に介さず平然としていたそうです

そして１週間が経過
里親さんからご報告をいただきました

最初の２日間、先住猫さんたちは同じ空間にいるチビちゃんを見て…
『シャーシャー』
少し怒っていたそうです
しかしチビちゃんは動じずに、やはりのほほんとしていて…
今は何とか３匹ともが落ち着いているそうです
そして…
里親さん手作りの、あのステキな猫タワー
どうやらチビちゃんがあっさり占領してしまったとか…
 「…さすがチビ、なかなか根性座ってるね」
「先住猫さんたち、ごめんよ」
里親さんが撮られた写真を見て、チビちゃんがのびのび過ごしていることは一目瞭然でした

「”瀬戸(セト)”って名前にしました
瀬戸物(焼き物)の白猫みたいだからです
最初は”しろ”と呼んでましたが先住猫が来るので、
音が全くかぶらない名前を…と考えました
セトがまったく気にせずマイペースなおかげで（）
仲良く…まではいかないまでも、半径１メートルくらいでくつろいだりしてるんで…
もう安心してます」

チビちゃん改め…
瀬戸ちゃん
本当におめでとう
優しくて温かいお家、やっと見つけたね
瀬戸ちゃんのこと、これからずっと大切に守ってくれる家族が出来たんだよ
先住猫さんの”黒夫ちゃん”、”チャップちゃん”と仲良くして、いつか…
黒と白黒と白、３匹揃った可愛い猫団子見せてよね

大黒ちゃんや仲間たちにも幸せがやってくるように…
一緒に祈っていてね

「ご心配いただいた皆さんへ」

「中之島公園の猫たち」nekomat@nifmail.jp
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