中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

艶やかに光る、ビロードの毛並み
謎めいた瞳には
キラキラした輝きをたたえ
彫刻のように冷たく、美しく
存在そのものがミステリアス…

以前、秘書たちは
黒猫について
かなり勝手なイメージを抱いていました



しかし…

中之島公園の黒猫たちに出会ってから
今まで信じていたイメージは
ガラガラと音をたてて崩れ去り
やっと現実に直面することができました

「うう、ミステリアスな瞳…」
「生きた彫刻はどこへ」

”ミステリアス”なジジと
”生きた彫刻”のまるちゃんは
それぞれ司令塔Aさんのお家と
@naokoさんのお家で一時預かり中

そのため、現在
「猫の部屋」で暮らしている
”神秘的”な黒猫は2匹

1匹は言わずと知れたボス猫くーちゃん
ミステリアスとは程遠い
わかりやすい性格のガキ大将

そして、もう1匹が…

「おお、ちょっぴりミステリアスっぽくない」
「…気のせいです」

フランス語で黒を意味するNoir（ノアール）
その単語と同じ音を名前に持つ、ノア

彼の美しい毛並みと美しい瞳
名前を呼ぶ時の音の響き

彼こそがミステリアスで神秘的
イメージ通りの生きた彫刻だと
秘書たちは信じていたのですが…

見た目とは裏腹に、かなりの小心者
いつもビクビクしていたノア

ドミトリー生活になってからも
どこに隠れるのか
人の多い時間帯には気配を消し
辺りが静かになる夜
やっと姿を現す…

そんな生活がしばらく続きました



今でこそ、朝からチョロチョロと姿を現し
何だかぎこちない様子ながらも
ご飯の列に並んでいたり
おもちゃで遊んでいたり

仲良しのつばさとじゃれ合って
楽しそうに過ごす日常

ちょっぴり気になるヒロコちゃんにくっついて
大人しい彼女を戸惑わせていても
全然気にする様子はなく
何だかノアは楽しそうで…

「…ノアくん」
「そこは気にしてみたらどうだろう」

それでも何か事が起こると
一目散に逃げ出して
誰かにぶつかって怒られたり
慌て過ぎるからか
棚から滑って落っこちたり

「…ノアくん」
「ちょっと落ち着いてみたらどうだろう」

神秘的ではなく庶民的

そんなノアを見ながら
いつも秘書たちは笑っています

ある日のノア

晩ご飯の時間が終わり
お腹も満ちて、かなりリラックスムード

お気に入りの場所で
ゆったり寝そべっていると
ボス猫くーちゃんがやってきました

数の少なくなった黒猫同士

ガッチリと結束を固めたのか
最近、二匹のこんな姿を
よく目にします

くーちゃんに頭を舐められて
気持ちがいいのか
大あくびするノア

「あらら、くーちゃん、優しいね」
「うーん、微笑ましいじゃないですか」

ヤンチャなガキ大将が
怖がりな弟を庇うかのような…

んっ、弟…

「猫の部屋」にやって来た当初は
シャープな体つきだったノア

厳しい表情が
どことなく悲しそうに見えました

しかし、怖がりなノアの警戒心が
ひとつひとつ取り除かれるたびに
目つきが優しくなり、顔つきは穏やかになり
体つきは丸みを帯びて…

その結果、ノアは
どんどん、くーちゃんそっくりに…

「うん、弟というよりも…」
「やっぱり息子か…」

甘えん坊のボス猫と間違われることにも
ノアはちょっぴり慣れたようです

「あっ…」
「やっぱり来たな」



くーちゃんとノアの姿をのぞいているのは
ボス猫見習い中のリリー

食後のパトロールなのか
師匠と崇めるくーちゃんが動きだすと
リリーも同じように
チョコチョコと後ろをついて歩きます

「師の影を踏まず、ですな」
「さすが柔順な弟子ですこと」

師匠がノアにすることを見ていたからか
弟子も同じように
ノアの頭を舐めていました

「芸は見て盗め、ですな」
「それ、ちょっと違うかも…」

くーちゃんとリリーの二匹から
優しい挨拶を受けて
ご機嫌さんのノア

「あんなに怖がって出てこなかった子が…」
「うん、ホントに嬉しいね」

お返しとばかりに
くっついて寛ぐリリーを舐めている姿

何とも微笑ましい光景に
秘書たちは、ちょっぴり胸がきゅんとしました

「よし、アンタたち、可愛い顔撮ってもらいなさい」
「こっち向いてごらん」

どうしても、二匹そろっての
可愛い姿を撮りたい秘書たち

しかし、そんな勝手な望みなど
彼らにとっては
知ったことではないわけです

もちろん、ポーズをつけることも
決め顔をするはずもなく…

「ノア、目つき悪いよ…」
「リリー、アンタ可愛いけど、こっち見てごらん」

「あっ、ノア可愛い…けど」
「リリー、アンタ、それが決め顔なの」

大笑いしながら更けていく
「猫の部屋」の夜

ミステリアスでなくていい…

おっちょこちょいで
とっても庶民的なノアが
その笑いの中心にいること

秘書たちには
それがいちばん嬉しかったようです

「中之島公園猫対策協議会ＨＰ」 web@nakanoshima-cats.com
「中之島公園の猫たち」 nekomat@nifmail.jp

とても怖がりで、いつもビクビクしていた黒猫ノア…
最初は優しいつばさだけが友だちでした
最近では、仲間たちとの交流も増えて楽しそうに過ごしています
落ち着いたノアの姿を見ているだけで
秘書たちはとても幸せな気持ちになるのだそうです

　
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