[想い出] ブログ村キーワード
「やっぱり、あるね…」
「うん…」
作業台の上に置かれていたのは
小さな花束
穏やかだった彼に
ぴったりの優しい色合い
花束の中に
彼の顔が浮かびました
ヒュウマが旅立ったのは
二年前の今日
あの日は、土曜日でした
朝の挨拶の時
姿を見せなかったヒュウマ
何度も探したのに
どうしても見つからなくて…
葦簀からすきま風が吹き込む
いちばん隅っこの箱の中
毛布もない場所で
眠っていた彼
柔らかな毛並みも穏やかな顔も
そのままだったのに…
このまま抱きしめていたら
きっと温かくなるはず
もう一度、目を開けてくれるはず…
どうしても諦められず
彼を抱いたまま、座り込んだ秘書たちに
ずっと寄り添っていた、ジジと悟空
バラ園で暮らしていたヒュウマ
せめて寂しくないようにと集めた
たくさんの懐かしいバラ
小さくなったヒュウマが
色とりどりのバラに埋もれている姿
あの日のことは
今でも忘れられません
あの頃から比べて
「猫の部屋」は変わりました
お当番さんたちも増え
彼のことを知らない人も多くなりました
「でも、ヒュウマは、きっと空から見てたよね…」
「うん、ちゃんと知ってるよ…」
優しいお当番さんたちに
仲良しだった仲間が大切にされていること
優しい家族とめぐり逢い
幸せに卒業していった多くの仲間のこと
そして…
一度は命の危険に晒されたジジが
今ではすっかり元気になっていること
悟空が徳島のナオさんの元で
幸せなお家猫さんになっていること
妹思いだった優しい彼は
喜んでくれたでしょうか…
「忘れてないね…」
「うん、いつもお花がある…」
ヒュウマのための花束は
金曜日のお当番さん
sinsinさんが供えてくれたもの
亡くなった仲間たちをすべて知る彼女は
誰かの命日が近づくと必ず
小さな花束を供えます
旅立つ前日、ヒュウマは
彼女と一緒に過ごしました
ヒュウマが穏やかな顔をしていたのは
きっと最後の一日が
優しい想い出で満たされたから…
秘書たちは、そう思っています
ヒュウマが空へ帰る時
sinsinさんは小さな般若心経の経本を
持たせてくれました
ちゃんと空へ帰れるように…
先に逝った家族や仲間の元へ
たどり着けるように…
今年も供えられた
sinsinさんの花束
きっとヒュウマは
空から見ているでしょう
『覚えていてくれて、ありがとう…』
花束の中に浮かんだ彼が
ゆっくりとまばたきをしたように感じました
「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com
「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp
ヒュウマが旅立って二年になります
新しい想い出を増やすことはできませんが
その分、ヒュウマと過ごした日々が
より鮮明に浮かぶようになりました
初めて出会った日から、別れた日まで
わずか1年ほどだったけれど…
たくさんの想い出があります
すべてがかけがえのない大切な時間でした
これからもずっと、ずっと…
忘れることはないでしょう
ヒュウマ、みんなが幸せになるように空から祈っていてね…