[家族] ブログ村キーワード
今、彼女が暮らしているのは
やんちゃな茶白たちのいるエリア
専用のワンルームには
毛布を敷き詰めた段ボール箱
ネーム入りのお座布団は、みんなとお揃い
それは、彼女が仲間になった記念の宝物
「おはよう」
「今日も元気かな」
朝、挨拶に行くと
彼女は、お座布団の上に座り
こちらを向いて待っています
すでに、期待に満ちた表情
何だか、ちょっぴり嬉しそうです
ジッと見つめる瞳
声に反応し、ピクピク動く耳
指先に、そっと触れてくる手
言葉を発するわけではないけれど
今日も彼女は、伝えたいことが
たくさんあるのだとわかります
ワンルームの扉が開いた瞬間
大きく伸びをしながら
一歩、外へ踏み出す彼女
ここから
彼女の一日が始まります
「さあ、ルナさん、いってらっしゃい」
「はい、自由に動いてください」
大きく扉を開けた第一秘書
その隣で、カメラを構える第二秘書
ワンルームから出たルナ
いつも、彼女が
いちばんにすることと言えば…
「…撫でろって」
「みたいです」
大きく伸びをしながら
座っている秘書たちのそばを
行ったり来たり
ウルウルした瞳を向けながら
頭をゴンゴンぶつけるルナ
「はい、今日も撫でさせていただきます」
「最近、同じアングルの写真が多い…」
とにかく甘えん坊の彼女
秘書たちが撫でるよりも早く
手の下にもぐり込み
グイグイと体を押し付けてくる時間が
しばらく続きます
伸びをしながら
少しだけ離れたルナ
満足したのかと思いきや…
「ルーナ」
「もうOKなの」
ちょっと名前を呼んだりすると
小走りでリターン
その姿、なぜか子犬に見えるのだと
いつも秘書たちは笑います
結局、何度か同じことを繰り返してから
お散歩に出かけるルナ
今日も、ご機嫌
「猫の部屋」にやって来た頃は
ワンルームに籠もりっきり
外へ出たとしても
すぐに箱へと戻っていました
けれど、今では
すっかり、この環境にも馴染み
同じエリアで過ごす茶白たちや
ネット越しに見かける仲間たちにも
興味津々…
「あらら…」
「追い詰めてる図にしか見えないし…」
衣装ケースの上から
隣の部屋を見ていたねーちゃん
興味を持ったルナが
近寄っていきます
それでも飽きたらず
登って来ようとする彼女の姿に
ねーちゃん、フリーズ
しかし、その位置から登るには
背が足りないルナ
やむなく断念
その後、ねーちゃんは
無事に復活しました
「おっ、仲良くなったの」
「その子は人には厳しいけど、猫には優しいよ」
隣のちびたちゃん
水を飲みに来た時、ルナの姿に気づき
ネット越しに見つめ合う女子ふたり
顔を近づけあって、お行儀よく挨拶
その後、あちらとこちらで
座り込んでの長話は
やっぱり、井戸端会議なのでしょうか…
お散歩途中に
ルナが立ち寄る場所
それは、壁際にある大きな棚
上まで登ったり、下に降りてみたり
今日のお昼寝場所
考えています
やっと落ち着いたのは、お座布団の上
手足をたたみ、座り込んだルナ
少し通行の邪魔になっているけれど
全然気づいていないのが
何とも、彼女らしいです
その後、ダイちゃんは
居眠りしているルナの後ろに
ソーッと足をかけ
珍しく、足音を立てずに降りていきました
初めて秘書たちが
ルナの前で、小さな猫じゃらしを振った日
まだ、彼女は遠慮がちでした
けれど、涙をいっぱいためた瞳をこらして
一生懸命つかもうと
手を伸ばしていたルナ
飛び回って、走り回って
楽しそうに遊んでいる姿が
一瞬、見えるような気がしました
それが、今では…
「完全にダイと
チャミ、負けてなかったか
」
「ルナ、強し
」
ひとりでも、誰かがいても
眠っていても、ご飯を食べていても
おもちゃを見れば
飛びついてくるようになった彼女
あの日、見えるような気がした姿
そのまま…
何気ない表情、仕草のひとつひとつが
出会うまでのルナの姿に
いくつも繋がってきました
野良猫として暮らしていた仲間たちが
身近に人と触れあうようになって
初めて、身につけたものは
いくつもあります
すごく頑張って、長い時間をかけて
手にしたものばかり…
けれど、ルナは
最初から、それらを持っていました
どれだけ人との距離が
縮まったと感じても
今もまだ、仲間たちが戸惑い
出来ないことは、いくつかあります
どんなに頑張っても、長い時間をかけても
すごく難しいことばかり…
けれど、ルナには
何の戸惑いもなく
自然にできることばかりでした
「ルナのホントの家族に、早く会いたいね…」
「うん…」
夜、おやすみの挨拶の頃
彼女は、棚に置いてある箱の中
気持ちよさそうに眠っています
箱の中から抱き上げて
床に降ろし
頭と背中を撫でると…
寝ぼけ眼のまま、やっぱり頭を押し付けて
ゴロゴロ、ゴロゴロ
喉を鳴らす彼女
しばらく、撫でるのが
帰り間際の約束
彼女が発しているのは、優しい音だけ
それでも、伝えたいことは
指先に感じる温かさで
わかる気がします
ワンルームには
カイロで温まった段ボール箱
ソッとお尻を押すと、少し眠そうな表情になり
毛布にもぐりこんでいく彼女
「ルナ、今日も楽しかったね」
「ゆっくり、おやすみ…」
こうして
彼女の一日が終わります
「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com
「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp
野良猫と呼ばれるたくさんの仲間たちを
そばで見て来たからこそ
感じること、強く思うことがあります
彼女のような子が、たった一日でも
外での厳しい暮らしを経験しなくて良かった、と…
彼女は、悲しい経験をしたけれど
人を信じる気持ちはなくさなかった、と…
「いのちつないだワンニャン写真コンテスト in 生駒」
ブログランキング参加中ルナに幸せな出会いがやって来ますように…