中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

「猫の部屋」は
猫だけが暮らしている場所なのに
時折、他の動物が紛れ込んでいるのかと
思うことがあります

例えば、鳥
例えば、猿
例えば、犬
牛、ブタ、カエル、恐竜…

そして、ヤギ…



茶白の末っ子、ダイちゃん

おっちょこちょいで
どこか憎めない彼を
秘書たちは「ヤギ」と呼びます

『うぇ゛ぇぇぇー』
「…文字変換しにくい」
『うぇ゛ーうぇ゛ぇぇぇー』
「…濁点付きすぎ」
『んんぇ゛ぇー』

ヤギというあだ名の由来
それは鳴き声

しかも、可愛く
ヤギさん、メェメェ…ではなく
激しく、長く引っぱるような鳴き声



たぶん「うにゃー」とか「んにゃー」なら
猫らしく聞こえるところです

しかし、なぜかダイちゃん
「う」や「ん」の音のあとに
「にゃー」とはいかず

濁点のついた「え」を続けた上に
あろうことか、ビブラートまで
きかせてしまうから…

「はい、アンタ、ヤギね」
「意義なし」

どうも、ややこしい話になるのです



たまに「う」の音のあと
濁点付きの「え」を付けたはいいけれど
ビブラートが続かず
つっかえてしまうこともあったりで…

ああ、もう…

ヤギにもなりきれず
猫にも戻れず
ダイちゃん、本当にややこしい

秘書たちがいう通り
文字で解説するのは
私も、本当に邪魔くさい



そっくりな毛並みのねーちゃんは
ちゃんと猫らしく鳴くし
紅一点のチャオも
女の子らしい可愛い声で鳴くのに…

若干、茶トラのチャミは
濁点付きの音も混じるけれど
それでも、到底
ダイちゃんの足元には及びません

ヤギと命名され
ポカンとした表情を浮かべながらも
やはり、秘書たちをネット越しに呼ぶ声は…

『うぇ゛ぇぇぇー』
「・・・・・・」



秘書たちは、最初
あの鳴き声がヤギだと思うのは
自分たちだけだろうと思っていたので
こっそり「ヤギ」と呼んでいました

しかし、ある時
何人かのお当番さんに
こっそり打ち明けたところ…

みんな、爆笑しながらの同意

そこからは、何の遠慮もなく
大声で「ヤギ」と呼んでいます



「猫の部屋」にやってきた頃
ダイちゃんは、そんなに鳴く子では
ありませんでした

ただ、その頃から落ち着きはなく
ケージ代わりの犬舎の中を
ドタバタ走り回る…

ベッドにしていた箱を
数え切れないほど木っ端みじんにする…
ご丁寧にも、トイレの砂を
水入れの中で固めてしまう…

問題児揃いの
茶白ケージ専属お掃除係だった
司令塔Aさんの笑顔を
何度も凍りつかせていました



走り回った末に疲れたからか
まるで忍者のように
天井に張り付いていた時などは
秘書たちに気づかれず
ダイちゃん、脱走と大騒ぎになったことも…

今から思えば
まだ、あまり鳴かなかった
当時のダイちゃんは
くるくる回るおもちゃの中で走り続ける
ハムスターのようでもありました



「猫の部屋」に慣れ
Aさんや秘書たち、お当番さんが
そばにいることにも慣れた頃から
ダイちゃんは、あの声を
披露するようになりました

ご飯がほしいお水がほしい
おやつがほしい

最初は、それから始まった
見事なまでの自己主張

今では、すっかり
バリエーションも豊富になり…



なにやってるの
はやく、こっちに来て
おもちゃで遊ぼう
ねえ、ボクにも構って…

「ヤギよ、アンタ、それだけ甘えるならさ…」
「うん、そろそろ撫でさせてみたらどうなの？」
『う”えぇぇっ』

そんな会話をしながら
秘書たちがニヤリと笑えば
何かを察知するようで…

やはり、今でもくるくる走り回り
ダイちゃん、ハムスターな部分も健在



季節に関係なく
時間にも関係なく
1年365日…

「猫の部屋」には
甘えん坊で、落ち着きのない彼の
ちょっぴりヤギに似た可愛い声が
いつも響き渡っています









中川こうじさん写真展のお知らせ


ぼくと猫の物語
～ゆれるちいさな命たち～



2012年2月14日（火）～2月19日（日）
11：00～19：00（最終日は17：00まで）

「Gallery Arte Spazio（ギャラリー アルテ スパーツィオ）」
（JP大阪駅 桜橋口から徒歩6分）


写真集「のらねこ。」中川こうじさんの個展
いよいよ、明日からスタート
開催中は、中川さんご本人も
会場におられるそうです

是非、多くの皆さんに
ご覧いただきたい写真展です






大阪市「ふるさと納税」で公園ねこのご支援を


「公園ねこ適正管理推進サポーター制度」導入を受け
大阪市では、公園ねこに役立てられるよう
「ふるさと納税」での寄付ができるようになりました

現在、大阪市が補助する去勢避妊手術費用は少なく
まだまだ数の多い公園ねこの手術では
圧倒的に費用が不足しています

そのため、一般から広く
「公園ねこ適正管理推進サポーター制度」に
ご支援いただけないかと始まったものです

なお、申請手続きなどの詳細は
「おおさか公園ねこの会」さんブログ
「我輩は公園ねこ」をご覧ください