中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-
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中之島タキシード
大阪・中之島公園から我が家にやって来た元野良猫タキシード。 彼女が工事で閉鎖中の公園に取り残された仲間を救うために、ブログを立ち上げました。 すべての猫たちが救われますように!
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私は、「野良猫」という言葉が嫌いです けれど、このブログでは この表現を変えようとは思っていません 言葉だけをオブラートに包んで 柔らかく発したとしても 中身が変わらなければ意味はないから… どんな小さなことでもいい たったひとつでもいいから 彼らの状況を変えたい ちっぽけな一人の人間に できることは限られているけれど せめて、目の前にいる彼らには 理不尽な諦めを受け入れさせたくはない そんな考えが多くの人たちに 広がっていけばいい 一人ひとりの行動が繋がっていけばいい そうやって 一歩ずつ進むことが いつか変化をもたらすはずだと信じています 人間の思いひとつで 彼らの状況は、良い方向にも 悪い方向にも向かうのです 彼らだって、深く傷つくことがある… だから、誠実に向き合っていたい ありのままを受けとめて 包み込んでいたい そう本気で思わせてくれたのが モデルでした ふさこがきっかけをくれた猫だったとしたら モデルは、私と第二秘書に 覚悟の決め方を教えてくれた猫なのだと思います 剣先の閉鎖から 一ヶ月半が過ぎた頃 出来上がった「猫の部屋」に いちばんにやってきたのはモデルでした それから、半年、一年、二年… 時間が過ぎても、彼は 昔のような誰にでも愛想を振りまく猫には 戻りませんでした ただ、冷たかった眼差しには 少しずつ、優しい光がさしはじめ キラキラ輝くようになりました 見えない棘に覆われて 強張っていた背中にも 柔らかさを感じるようになりました 新しい環境での暮らしに ちゃんと、モデルは落ちつける場所や 楽しめることを見つけていました 公園にいた頃から ずっと離れたことがない、ふさことちびた そして、新しく仲間になったロマンと一緒に 彼は、穏やかな日々を過ごしていました 毎日、この部屋で安心して ゆったりと過ごしてくれるなら それだけで充分だと いつも、私と第二秘書は思っていました もう絶対に、傷つけたりしない あんな冷たい目をする猫には 戻さないからと… それが伝わっていたのかどうかは 私には、わかりません ただ、気付けば 彼はまた、私たちの側にいました 昔のように、真っ直ぐに 気持ちをぶつけてはこないけれど… 例えば、朝 おはようの挨拶をしている時 足元に駆け寄り 頭をすりつけるように甘えてきたかと思えば 突然、動きを止めて ポンポンと足を叩いてみたり… 昼下がり 彼の部屋でウトウトしている時 いつの間にか、側に座って じっと顔を見ているから 名前を呼んで、手を伸ばすと 指先に、冷たい鼻を押し付けて そのまま、走って棚に駆け上がったり… そして、夜 帰り支度をしている時 ネット越しに、作業場をのぞき込むから もう一度、部屋に戻って 丸い頭を撫でていると 何となく、困った様子を見せながらも 喉を鳴らしたり… モデルと過ごした日常の 些細な出来事ばかりだけど それも全部、自分の気持ちを 伝えようとしていたのだと思います もう一度、甘えたい けれど、素直になれない… そんな彼が、たまらなく愛おしくて 思い出すと涙がこぼれそうになります 腎不全と診断されてから 一進一退を繰り返してはいたけれど… 今年に入ってから、彼の体力は 少しずつ落ちはじめていました 検査結果も、思うようには安定せず 口内炎も再発を繰り返すたびに 悪化していきました そして、本格的な春を迎えた頃 彼の状態は、かくんと悪くなり それ以降は、点滴入院をしても 毎日、注射に通っても 良くなることはなかったのです 4月28日 始発で向かった「猫の部屋」 モデルは、床に置いた箱の中で 眠っていました 側には、見守るように寄り添っている ちびたとロマン 扉を開けたとたん ネット越しに、ちびたとロマンが 私と第二秘書を見つめている顔が見えました モデルと一緒に 私たちが来るのを 待っていたんだと思いました いつものように朝の挨拶をすると 彼は、静かに目を開けて 大きな耳を立てました もう、自分で首をもたげることも出来ず 動くことも出来なかったけれど こちらに目だけを向けて 小さく、まばたきをしました あの日は、とてもいいお天気だったから 少しでも、お日様を感じさせたくて 部屋の真ん中にベッドを作り 彼を寝かせました 体を支えた時 手のひらに感じた鼓動 この世に生まれてから 毎日、規則正しく 刻まれてきたであろう音を感じた時 一気に、涙が溢れ出しました こんなに長い間、一緒にいるのに 好きで好きで、仕方なくて ずっと愛してやまなかった猫 けれど、もうすぐモデルは 私たちを置いて逝ってしまう… 彼を手放さなくてはならないことが つらくて、たまらなくなりました あの日、モデルは 少しの物音にも敏感になっていました 普段なら気にしないはずの 扉の開け閉めの音 窓の外から聞こえてくる人の声 怖がっていたのか、耳を立てて 体をビクッと震わせて… けれど、私たちが名前を呼びながら 体を撫でていると 安心したような顔をしました 猫たちが鳴く声、動く足音 いつもと同じ朝の風景の中で 横たわるモデルの姿 住み慣れた部屋に ずっと一緒にいた仲間たちの声と 私たちの声、体を撫でる手 それだけでいいのなら 彼が安心してくれるのなら… どうか、このまま 彼を怖がらせる音も、声も 聞こえてこないようにと祈りました 朝ご飯のあと、私は フクだけを連れて病院へ行きました モデルには「いってきます」と 声をかけました 「すぐに帰るから待っててね」と… 私が出かけた直後 彼は、強い痙攣を起こしたそうです 意識朦朧としながらも 呼びかける第二秘書の声で 何とか、モデルは持ち直し 痙攣は止まりました 病院から帰ってすぐに その話を聞き、私は彼の側に行きました 「ただいま」と声をかけると その時は、少し意識がはっきりしていたのか 私の目を見つめ きゅっと、まばたきをしたモデル ああ、ちゃんと帰ってくるのを 待っていたんだと思いました とても切なかった… けれど、彼が私たちに看取られて 逝くことを選ぶなら もう、できることはひとつしかないから… そして、お昼過ぎ モデルは、二度目の痙攣を起こしました 私は、モデルの側に座り 片手で背中を撫でながら もう片方の手で、彼の両手を握りました 手のひらに収まってしまうほど 小さなモデルの手 いつも公園のベンチで 甘えるように膝にかけてきた手 私の後ろを追いかけながら 悔しそうに、地面を掴むようにしていた手 捕獲された後、すべてを拒むように 爪を立て、振り上げていた手 そして、病院に行く時 抱き上げると腕に乗せてきた手 彼を離したくなくて しばらくキャリーに入れず、そのままでいても いつも大人しく抱かれながら 私の腕に、きちんと揃えて乗せていた 柔らかく温かい両手 手のひらに閉じ込めたモデルの手が 最期に、きゅっと 握りしめられたのを感じた時… その両手を包み込みながら 私が耳元で告げたのは 「ありがとう」と「大好きだよ」 この声が、ちゃんと聞こえるように… 安心して逝けるように… 何度も何度も、繰り返しました
皆さん、今までモデルを応援してくださって 本当にありがとうございました。 もう少し、この長い一ヶ月のお話にお付き合いください。 よろしくお願いします。 猫 ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ たくさんの優しい応援ありがとうございます。心から感謝しています。
応援してくださっている皆さんへ… 2019.06.20 コメント(4)
応援してくださっている皆さんへ… 2018.09.24 コメント(3)
応援して下さっている皆さんへ… 2018.09.06
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