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テーマ:猫のいる生活(139059)
カテゴリ:日常生活
土曜日、朝いちばんに 秘書たちがすること それは、朝の挨拶 まだ、仲間たちが 新しい環境に慣れていなかった頃 すぐに隠れてしまう彼らを探しながら 元気かどうか、調子が悪くないかどうかを チェックしていたのが始まりでした あれから、現在に至るまで 毎回、欠かさず各部屋を回りながら 1匹ずつに、声をかけています 今では、全員が見える場所にいるため 探しまわることもなくなりました それどころか、緊張感の欠片もなく 派手にひっくり返ったままの 仲間たちも多く… 秘書たちが近付いても 体勢を整えることもせず そのまま、ぼーっと薄目を開け 二度、三度の大あくび 「あくび、うつるんだけど…」 「しかも、口が開きすぎてて怖いよ」 そんなことを言ってる間に 何とか、のろのろ起きだして ぼーっとしながら、顔を洗い始める仲間たち もちろん、すでに目を覚まし 騒ぎだそうとする仲間もいるので… すべての部屋を回り終えた頃には 早くご飯にしろというお叱りが 四方八方から、飛んでくるわけです 「ちゃんと挨拶くらいしろっつーの」 「ヤツらは、ご飯のほうが大事なんだってさ」 最近、その挨拶時に よく見かける光景 部屋に入った秘書たちに向かって いろんな方向から突進してくる 仲間たちがいるのです くーちゃん、シャムちゃん そして、ルナ それまで、三匹は 別々の場所にいたのに なぜか同じタイミングでやってきます 黒やら茶色やら、銀色やらが しゃがんだ秘書たちの回りを くるくると旋回 その上、秘書たちを挟んだまま 黒が茶色に、ぶつかったり 銀色が茶色に、頭突きしたり 黒と銀色がぶつかり合いながら 二人三脚のように、歩き出したり くるくる、くるくる… どうやら、秘書たちに挨拶しがてら 仲間同士でも、朝の挨拶を 交わしているようです 「コレは、ぶつかり稽古ですか」 「キミたち、ちょっと落ち着きなさい」 朝から元気に挨拶しろと言ったのは 自分たちのくせに… やたらと勢いづく三匹に押されて こけそうになる秘書たち 脇腹にぶつかっては、転がるくーちゃんと 腕や手のひらに 頭を押し付けてくるシャムちゃん そして、なぜか しゃがんだお尻の下で 箱座りをしてしまうルナを いったん、なだめに入る秘書たち ここ最近、そんな朝が続いています 人は大好き けれど、猫は苦手 誰に対しても、全く警戒心を持たず 出会った日から 一身に甘えてきたルナ 彼女の育った環境と 誰かに可愛がられていた記憶が そうさせるのだと想像できました だから、あの日… 彼女が置いて行かれた状況と 悲しそうに濡れた目が とても切なくて、たまらなかったです 「しかし、当初は全員が返り討ちでしたね」 「うん、年功序列とか通用しなかったね」 興味津々の仲間たちが近寄っただけで 飛び上がるほど驚いて 怒って、叩いて すぐに逃げだしていたルナ 仲良くしようと思っていても あまり友好的とはいえない態度の彼女に そのうち、やられたらやり返す 仲間たちも出てきたりして… 「ああ、つばさは撃沈でしたね」 「ヤツは、女子の扱い方が下手くそすぎるからね」 見た目は、イケメン男子でも 中身は、お子様も多い仲間たち そんな、お子様たちにとって 友だち付き合いの経験が乏しい ルナの心を捕らえるのは 難しかったようです しかし、いつの頃からか彼女は 一方的に返り討ちすることをやめました そして、時々 誰かの隣で眠る姿が チラホラ見られるようになってきました たとえば、同じ箱に入って来られて 目を丸くしていた、みさえちゃんとか… そのまま、動じずに 眠り続ける、ヒロコちゃんとか… どうやら、大人しくて 優しい女の子のそばなら 大丈夫なことに気付いたのかもしれません つかず離れずのままだけど みんなと同じ輪の中に いられるようになっただけ 不器用だったルナには大進歩です そして、今までなら 甘える相手を独り占めしようとしていた彼女が くーちゃんやシャムちゃんと 一緒に並んで甘えてくること そんなルナに対して くーちゃんとシャムちゃんが 友情や愛情をこめた 仲間同士の挨拶をするようになったこと 秘書たちは、大喜びしているのです 「ルナ、どんな感じ」 「ねえ、ちょっと嬉しかったりする」 自分からは、挨拶できないけれど… 尻尾を立てた、くーちゃんに ぶつかってこられても シャムちゃんが頭突きを繰り返しても… 怒らず、叩かず ぎこちない様子ながらも受けとめているルナ 彼女にとって これが精一杯かもしれないけれど… それをちゃんと理解して 親愛の情を表す仲間たちがいる それが、何だか温かくて ちょっぴり、くすぐったいような気持ちになって… 少し困ったような顔をしながら ヨタヨタ、よろめくルナを見るたびに 秘書たちは、ニヤニヤしています 人が大好きなのに 人から捨てられてしまったルナ だからこそ、彼女には いつか、本当の家族とめぐり逢って 優しい腕の中で 幸せに生きていってほしい… それは「猫の部屋」全員が 願っていることです その日が訪れるまで 彼女が暮らす場所は、ここ 「友だちがいて、楽しいと思えてたらいいなぁ」 「うん、そうだね」 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 「しかし、お子様たちにも、くーやシャムちゃんほどの懐の深さがあれば…」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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