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テーマ:猫のいる生活(139069)
カテゴリ:日常生活
毎年、暑い時期になると 仲間たちに、少しだけ変化があります それは、朝晩のご飯について 「今日は、どの缶詰にしようかな」 「みんな、お腹減ってるか」 秘書たちが考えていると 必ず、棚の上に並び 同じように、缶詰を凝視する仲間たち そこまでは、一年中同じ 仲間たちが好きそうな缶詰を開け お皿に盛り付けて、配っていくと ガツガツ食いつく仲間たちの中に ちらほら、見えるのが… 最初は、勢いづいているのに 途中でスピードダウン そして、ほんの少しだけ残して 立ち去る、ヤツら 「ほら、あと一口でしょうが」 「いつもなら、お皿洗ったみたいにするヤツが…」 一口ずつ残ったお皿、いくつか 食べやすいように 崩れた山を盛り付けなおしてみると 再び、ガツガツと食いつく仲間もいれば 知らん顔して立ち去る仲間もいる 「ありゃ、アンタ、いらないの」 「いつもなら、他のお皿まで狙うヤツが…」 まあ、そういいながらも 最終的に、残り物も 誰かのお腹におさまりはするけれど… 夏場だけ、一口ずつくらい 缶詰を残す仲間 お代わりにも知らん顔する仲間 「やっぱり猫も、あっさりした物がいいのか」 「あっさりした物」 夏、あまり暑いと しつこい食べ物よりも あっさり、さっぱりした物を 好む人は、多いはず もしかしたら、仲間たちもそうなのかも… 「だって、ほら見て」 「あっ」 しっかり食べた仲間たちは うとうと居眠りし始めているのに… ちょっぴり残した仲間たちは まだ棚に並んで、意味ありげな視線 たぶん、言いたいことは… 『ドライフードが食べたい』 缶詰よりドライフードが あっさりしているのかと聞かれても 私は、夏でも しっかり食べるからわからないけど… 「まったく、偉そうなこと言うようになっちゃって」 「前は、何でも食べてたのにさ」 どうやら、他の曜日では 缶詰の種類なども、えり好みするらしく… 夏場の献立に頭を悩ます お当番さんたちは まるで、好き嫌いの多い子供を持つ お母さんみたい 「その点、アンタは楽な子供だね」 「夏も冬も、優秀、優秀」 我らが剣先出身のみさえちゃん 相変わらず、好き嫌いもなく 出されたものは、しっかり食べます 小さい体だけど、お代わりもします おやつだって、大好きです そのせいか、あれこれ献立に悩む お母さんたちからは いい子だと褒められたり、お礼を言われたり 当のみさえちゃんは たぶん、褒められることを 不思議に思っているでしょう 公園にいた頃は ご飯を持ってくる人が来ても いつでも、列のいちばん後ろ 最前列の仲間たちが食べるご飯を 遠目に眺めていた彼女 あんなに引っ込み思案で ちゃんとご飯にありつけるのかと いつも、秘書たちは気になっていました けれど、みさえちゃんは 決して、前に出ることはせず いつも、定位置のいちばん後ろに座り 仲間たちとご飯を見つめる日々 「あれは、みさえ自身わかってないだろうけど…」 「うん、今から思うと、作戦勝ちかも…」 そばで見ていただけの秘書たちでさえ 彼女が気になって 仕方なかったのだから… あの頃、私や仲間たちに ご飯を運んでくれてた人たちは 同じように、みさえちゃんを 心配していたはず たぶん、その中には… いつも、いちばん後ろにいる いじらしい彼女を気にかけて ご飯を持ってくる人もいたのだろうと 秘書たちは、思うのです 今でも、みさえちゃんは 滅多に、最前列までは来ません 相変わらず、引っ込み思案だし 何かあるとビクビクすることもあるけど… 「いっつも嬉しそうに待ってるね」 「うん、笑ってる」 今、みさえちゃんが ご飯やおやつを待つ時の顔は とても嬉しそう もう、彼女はわかっているのです 朝晩、お当番さんたちが 優しく声をかけながら 目の前まで運んでくれる、ご飯 みんなと同じ、おいしいご飯 差し出されたお皿を持つ手も 向けられている笑顔も 自分を大切に思うものであるということが… 「あ、たまにお母さんたちが食べないって心配してる…」 「えっみさえが食べない」 「ううん、違うの、お代わりを…だよ」 「あはは、それは大変だ」 みさえちゃん… みんな、いっぱい食べるキミが好きなんだって 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 秘書たちは「猫の部屋」が誕生する何年か前から お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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