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テーマ:ねこといっしょ(8891)
カテゴリ:日常生活
「絶対、雨降らせたのもヤツだよ…」 「それ、すごい技だよね…」 先週、回避せざるを得なくなった くーちゃんの健康診断 何だか、あまりにも すべてのタイミングが良すぎた上に やたら元気さをアピールしていた 怪しいボス猫 これは、単なる偶然か はたまた、仕組まれたものなのか 疑いの目を向けていた秘書たちが ますます疑惑を深めたのは 夜、くーちゃんのしたり顔を見た時 --- ふふん、秘書たちなんか ちょろいもんだぞ --- 「あ、あの顔…」 「ものすごくしてやられた感がある」 本当は、くーちゃん そんなことは思っていなかったかもしれません ただ単に、普通の顔してただけなのに 不敵に見えたのかもしれません けれど、疑いを深めた秘書たちは メラメラとリベンジに燃えていたのです 次こそは、必ず病院に連行してみせる あれから、送迎担当のKさんとは こっそりとメールで打ち合わせ くーちゃんには内緒で…を、合い言葉に 着々と準備を進めました そんな人間たちの企みを知ってか知らずか 相変わらず、自由奔放 傍若無人なボス猫 食欲もある、元気もあるけれど やはり、ちょこちょこ吐くこともあり 心配するお当番さんたちから 報告が入っていました そして、迎えた土曜日 朝から、くーちゃんは いつも通りに甘えはしたけれど 不自然なほどのアピールはしませんでした たぶん、くーちゃんが油断していた いちばんの理由 それは、第二秘書が仕事のため 第一秘書しかいなかったこと --- ふふん、今日は第一秘書だけか じゃあ、きっとバタバタするから大丈夫だぞ --- そう思ったかどうかは 定かではないけれど… 朝ご飯のあと、バタバタ掃除を始めた第一秘書を ちらりと横目で確認して いつものように、居眠り しかも、そのうち ヨダレを垂らしながらの熟睡へ そんな姿をちらりと確認しながら キャリーの準備をしたり こっそり、Kさんとお迎えの時間を 決めたりしていたとは思いもせずに… 「よーし、くー、行くぜっ」 気づいた時には すっぽりと洗濯ネットをかぶせられ いとも簡単にファスナーを閉められてしまったボス猫 あれよあれよという間に キャリーに詰め込まれ、車に乗って 向かうは、病院 「くーちゃん、くーちゃん、大丈夫だよ」 「はいはい、文句言わないの」 車を運転しながら 優しくなだめているKさんと 助手席でキャリーを抱え なぜか、ほくそ笑んでいる第一秘書 そして、キャリーに入った瞬間から ずーっと文句を言い続けるくーちゃん ピーピー、キャーキャー 聞こえる文句の合間で 若干、声を張り上げながら会話する二人 あっという間に、病院へ到着 今回、くーちゃんを診察してくださったのは とっても可愛い女の先生 普段のくーちゃんなら メロメロと甘えに行きそうだけど さすがに、場所が場所 逃げだそうとするくーちゃんを押さえながら 手早く、口の中や鼻の状態 ヘルニアの状態を診察してくださる先生 その2ヶ所に関しては、特に問題もなく まず、ひとつめの不安はクリア そして、次は血液検査 実は、この血液検査が 今回、いちばんの目的でもありました 診察が進むにつれ くーちゃんは諦めたのか 少し余裕が出てきたのか… 文句を言いながらも まわりに置いてある棚や引き出しを キョロキョロ見ているうちに 血管確保、血液採取終了 検査結果が出る間、待合室で待っていると 司令塔Aさんがやってきました 「くーちゃーん、えらいね、頑張ったね」 くーちゃん永遠のライバル、Aさん 以前、マウンティングの体勢で爪切りされてから くーちゃんは、完全にAさんをライバル視しています 笑顔でキャリーを覗き込むAさん またもや、ピーピーギャーギャーと 文句を言い始めるくーちゃん 「…」 「…気にするな、出かける時から文句は言ってるから」 冗談ばかり言って、笑いながら 検査結果を待ってはいたけれど… AさんもKさんも もちろん、秘書たちも やっぱり、すごく心配だったのです モデルちゃんのこと フクちゃんのこと 今年、血液検査の思い出は あまりにも、つらいことが多すぎたから どうしよう… もしも、くーちゃんまで 内臓系の病気にかかっていたら… そんな、みんなの不安を打ち消したのは 検査データを持って来てくださった 先生の一言 「くーちゃん、まったく問題なかったです」 「…へっ」 「腎臓の数値も他も、ぜんぶ正常値でしたよ」 「や、やったぁー」 先生からいただいた検査データを見ても 確かに、すべて正常値 多くの項目に赤く印を付けられていた モデルちゃんとフクちゃんのデータとは まったく違うものでした 「ああ、良かったぁ…」 「くーちゃーん、ホント良かったね」 そう言って、キャリーをのぞき込むAさんに くーちゃんは、また文句を言っていたけれど… とにかく、やっとそこで 心から安心して、笑うことができたのです 帰り道、行きほどではないけれど やはり、第一秘書の膝に置かれたキャリーの中から 文句を言い続けるボス猫 運転しながら、それに返事を返し ニコニコしながら、くーちゃんを褒め称えるKさん 文句は言っていたけれど ちらりと見えた顔は、どことなくなんとなく 誇らしげだったような気もすると 第一秘書は言いました そして、夜… 「そうかそうか、くー、頑張ったのか」 「はいはい、頑張りましたよ、文句言いながらね…」 仕事が終わってやって来た第二秘書に やはり、また褒めちぎられていたボス猫 --- だから、ずっと言ってたんだ こんなに健康なんだぞ、元気だったんだぞ けど、ボス猫の凄さがわかったようだから 今回だけは、まあ許してやる --- 文句を言いながらも さんざん秘書たちに甘えたあと… 気づけば、くーちゃんは 早々とベッドに入り、丸くなっていました 「あ、もう寝てる…」 「でも、なんかまた話聞いてるかもよ」 今回は、早々とリベンジ成功の秘書たち しかし、これからも 仲間たちとの戦いは続いていくでしょう あ、もちろん私も猫ですからね 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp
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