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テーマ:猫の気持ち(26)
カテゴリ:里親さん決定!
こんばんは、シャムです 皆さん、長い時間 私に付き合っていただいて 本当に、ありがとうございました 今日で、私のお話も終わりです けど、まさか卒業の日記を 自分でお話しすることになるとは 思ってませんでした いろんなことがありすぎて 最初は、どこから どう話したらいいのか迷いました だから、こんな長いお話に なっちゃったんです きっと、秘書さんたちは また、他の仲間たちに怒られますよ ほったらかすなって… でも、それだけ長く 私は「猫の部屋」にいたんですね だって、すごくたくさんの思い出があるから… 仲間たちとの思い出 司令塔Aさんや秘書さんたちや お当番さんたちとの思い出 そして、本当に大好きだった フクちゃんとの思い出 「猫だから、すぐに忘れる」って 昔、誰かに言われたことがあるけど… そんなことありません ちゃんと覚えてますからね 大好きな彼がいなくなった後 自分では、元気にしていたつもりでした けど、本当は寂しかったです ちょっとしたことで 不安になったりもしました たとえば、大雨とかカミナリの音は 昔から大嫌いだったけど… 彼とくっついて眠ってたら 全然、気にならなかったし 安心していられました けれど、ひとりになってからは 怖くて、不安でたまらなくなって… 棚の下にもぐり込んで ずっと震えていたんです 私が、あんなにカミナリ嫌いだったこと たぶん、知らなかった人も多いと思います それに、今まで以上に 甘えるようになってたかもしれません 目を細めて、喉を鳴らす 私の後ろに、彼が見えるみたいって 秘書さんたちに言われました やっぱり、それも心細かったから… だって、彼がいたから 私は、ここまで変われたし いつでも強くいられたんです 彼は、唯一無二の存在でした そんな私が、心待ちにしていたのは ママさんがやって来る日 ママさんがいる時には いつも、私はお昼寝もせずに ずっとそばにいました おしゃべりな秘書さんたちは いつもママさんに、その日の私の行動を教えて 笑っていました ずっと、転がってお昼寝していたのに ママさんがきたとたん 目を覚まし、扉のそばまで走って来て 爪とぎをしたこと… 撫でられていたのに 急に、少し離れた場所へ行って チラッとママさんをふり返る時の顔が 甘えてる時の顔だってこと… そして、次の週には ママさんが帰ったあと まるで、たくさん遊んで満足した子供のように 眠りこけてしまったことまで話すから… 私、もういい大人猫なのに… 恥ずかしかったです でも、確かに私は ママさんに何かを感じていました だから、一緒にいて 楽しかったし、嬉しかったし とても安心できたんだと思うんです 元々、私は人が苦手だったから 慎重だし、頑固なところもあったから 最初は、人と接することに戸惑ってばかりでした けど、自分が大丈夫だと思う相手になら 心を開けるようになったんです 「シャムちゃんには、人を見極める才能があると思う」 「うん、ちゃんと選んでるのがわかるね」 秘書さんたちが、よくそう言ってたけど 難しいことはわかりません ただ、怖がりだった私は 昔から、危険なことには敏感でした でも、人を見ようとはしなかった だって、最初から 人は怖いものだと思ってたし 見る必要がなかったから けど「猫の部屋」に来て 初めて、人を信じてみようかなって思った時 相手が、自分をどう見てるか 相手から、何を感じるか すごく観察するようにはなりました もしかしたら、そこで 何かのチカラが働くようになったのかもしれません プーマお姉さんを亡くしたママさん 彼を亡くした私 もしかして、同じような 悲しみや寂しさを抱えていたから… 私は、ママさんに何かを感じて 寄り添っていたかったのかもしれない こんな話をしたら 猫に、何がわかるんだって 笑う人がいるのでしょうが… 人が大切な存在を亡くした時 悲しみや寂しさを感じるように 猫だって、同じ感情は持ってるんです 元々は群れをなさない動物だって 言う人もいるけど 猫にだって大切だと思う存在はいます 親子やきょうだいや仲間との繋がりは もしかしたら、今の人間同士より 深いかもしれません 助けあいながら生きている猫たちは たくさんいますから… 大切な存在を失えば 猫も悲しいし、寂しいです だから、そばにいる人たちの 悲しみや寂しさを感じることはできるんです ママさんが、私を見つめる目は いつも、私を心配している目でした そして、それは パパさんも同じでした 実は私、パパさんには 撫でられたことがなかったんです 正確にいうと パパさんが撫でようとすると いつも逃げてたんですけど… 彼は、パパさんが好きで 会うたびに、いつも甘えてたし パパさんも、そんな彼のことを とても可愛がってくれました 一度、彼がパパさんの手の上に 頭を乗せたまま 眠ってしまったことがあって… その時、パパさんは 「フクちゃん、動けへんやんか」って 苦笑いしながら、ずっと動かずにいたんです そんな姿を見てたから 大丈夫だってわかってたんですけど… 実は私、なぜか男の人が苦手でした だから、馴れるまで 普通よりも時間がかかるんです けど、彼がいなくなった後 久しぶりに会ったパパさんに 私は、初めて撫でてもらうことができました パパさんは、すごく驚いてたけど すぐに嬉しそうな顔になって 何度も何度も、撫でてくれたんです パパさんの手は ママさんより大きかった… やっぱり温かくて、優しい手でしたよ パパさんとママさんから メールが届いたのは そのすぐ後のことでした --- シャムちゃんに、この後の猫生を 我が家の子として過ごしてもらいたい --- 最初、パパさんとママさんは 私が、どう思うだろうかと とても心配していたそうです けれど、私には言葉で気持ちを 伝えることはできません それに、自分自身で 何かを選んだりすることができないから わからないこともあるんです 猫は、人から与えられた環境を 受け入れて生きるから そばにいる人次第で良くも悪くも変わる… 秘書さんたちは、パパさんとママさんに 今のままの私を丸ごと包んでくれるか 覚悟を決めて、しあわせにしてくれるかと聞きました パパさんからの返事には こんなふうに書かれていたそうです --- シャムちゃんの柔軟性を信じて これから一人猫の良さを存分に味わってもらいます --- 今、私のそばにいるのは 私を溺愛する面白いパパさんと とっても優しいママさん… もう、私のパパとママです パパは、私のことを 「美しいタヌキの国の王女様」とか言うんですけど それって、喜んでいいのかな 最近では、ちょっぴりわがままを言って パパとママを振り回してます まだ、ちょっと素直になれないから 困らせたりもするけど… 本当はね… もう、ずっとずっと前から 私は、この二人が大好きなんです そして、パパとママ以外にも… 姿は見えないけれど 私の隣には、先住猫のプーマお姉さんと 今でも大好きな彼… あの甘えん坊で天真爛漫な 彼も一緒にいると思うんです ねっフクちゃん 今年5回目のクリスマスは きっと、すごくしあわせだよ 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp
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