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テーマ:「ありがとう」(53)
カテゴリ:追悼
こんばんは、第一秘書です 今日は、6月24日月曜日 ゆうちゃんが亡くなって もう二週間になります 本当なら、先週月曜日に この日記を書くつもりでした けれど、彼女を看取ってからの一週間は 張り詰めていた糸が切れてしまった そんな気持ちのままで… 何かを考えようとしても 考えはまとまらなかったのです ただ、それでも毎日 変わらず時間は過ぎていきました いつもと同じ生活を繰り返していると 最後の日、彼女と過ごした時間が とても昔のことのように思えて… もしかしたら、全部 悪い夢だったのかもしれない 「猫の部屋」に行けば いつもと同じ場所で眠る彼女に また会えるかもしれない 何度もそんなことを考えました どんよりした気持ちを 切りかえることができたのは 先週の迷い猫「あつし」君保護のニュース それは、彼女が亡くなって ちょうど一週間目の月曜日のことでした --- しっかりしてくださいね --- そう、ゆうちゃんに 言われたような気がしました まだ、上手く言葉にできないかもしれませんが… ゆうちゃんのこと 書いていきたいと思います ゆうちゃんは、小さな頃 きょうだいと一緒に捨てられた猫です 長年、バラ園で TNRをしていたSさんが ゆうちゃんたちを見つけた時 全員、風邪をこじらせて とても酷い状態だったそうです 懸命な看病も虚しく 他のきょうだいは全員亡くなり ひとり生き残ったのが彼女 それは、もう十数年近くも前のことです 私と第二秘書が 初めてゆうちゃんに会ったのは 2007年の暮れ すでに、タキシードたちがいた剣先は閉鎖され 年明けには、バラ園閉鎖も 決まっていました その直前まで、私たちは 毎日、大阪市の各部署に協力を求めていました なぜなら、一年半以上にも渡る 再整備工事の計画を知ったからです 全面閉鎖される公園内には たくさんの猫たちがいました それは、誰もが知っていたはずのこと けれど、まるで猫などいないかのように 着々と工事の準備は進んでいました 川に囲まれた公園には どこにも逃げる場所などありません 完全に取り残されてしまう猫たちを どうしても見過ごすことができなかったのです 今、思うと… 私たちは、猫ボランティアでもなく 京都在住の普通の会社員です そんな人間が、毎日 公園の野良猫を助けたいから 協力してほしいと言ってくるのだから 各部署の職員さんたちは戸惑われたことでしょう 何人かの方は親身になって 話を聞いてくださったけれど… あの頃の大阪市には 野良猫に関する制度がありませんでした 特に都市公園は、とても難しい場所で そこに暮らす猫たちは 一般的な「地域ねこ」の概念からも外れる 中途半端な立場だったのです 結局、協力は得られないまま 公園の東端に位置する剣先は 閉鎖を迎えました それでも諦められなかった私たちは 何度目かの電話で 当時、公園事務所におられた ある職員さんと出会いました そして、その出会いが 私たちのホームである「猫の部屋」の誕生と 後に「公園猫サポーター制度」誕生へ 繋がっていくのですが… このお話は、何度も書いていますから 皆さん、すでにご存知のことだと思います とにかく、具体的な未来は まだ何も見えていなかった頃 考えることや 準備すべきことは山積みで 目が回るほど忙しかったけれど… もしかすると いちばん充実していたかもしれない頃 ゆうちゃんと出会ったのは そんな頃のことでした それまで、私と第二秘書は 一度もバラ園へは行きませんでした 偶然、剣先でタキシードたちと出会い 気になって、仕事の合間に通っていたけれど… 本当は、以前から 外にいる猫を見るのはつらかったのです どんなに無邪気そうに見えても 平和そうに見えても それは、彼らの生活の中の一部分でしかないはず 一日中、外で暮らす猫たち もちろん、彼らは その生活しか知らないのだから どんなに厳しいことがあっても それが当たり前だと感じていたでしょう けれど、もし自分が 彼らと同じ立場だったとしたら… いつも、そう考えては 見えないところで彼らは どんな表情をするのかと心が痛みました だから、どうしても気軽に 新たな猫たちと会うことができなかったのです バラ園の猫たちに会いたいと思ったのは 公園事務所の職員さんたちと出会って 少し光が見えてきてからのこと 仲間を募り、必要なものを集めて どんなことをしても ここにいるすべての猫たちを守ろう もう二度と彼らが こんな目に遭うことのないように… 何があっても最後まで責任を持とう 自分たちが後悔しないように… その覚悟ができてからでした バラ園の話を聞くならと 職員さんが引きあわせてくれたのがSさん 司令塔Aさんや私たちと共に 協議会を立ち上げたメンバーです --- この子たちとは距離を持って接してきたの 外で生きるしかない猫は 人に馴れすぎてはいけないから --- 長年、Sさんが バラ園の猫たちに対して貫いてこられた その姿勢は、心に響きました 色とりどりのバラに囲まれた場所で 思い思いに寛ぐ猫たち けれど、あの美しいバラ園にも 多くの悲しい話があったことを 訪れていた人たちは気づいていたでしょうか… 人知れず命を落とした猫たちは たくさんいました そして、そんな猫たちを 静かに見送っていた人もいたのです バラの季節も終わり 閑散とした公園内を歩くSさんの後ろを 付いて歩く猫がいました 前を歩くSさんと後ろの猫との間には 何mかの距離がありました Sさんが立ち止まれば、その子も止まる Sさんが歩き出せば 決まって、その子も歩き出す 開いた距離は まったく縮まらないけれど… その子は、ピンと尻尾を立て 少し左右に揺らしながら ずっとSさんの後ろを歩いていました それが初めて会った日のゆうちゃん 雪が降り出しそうな曇り空 誰もいないバラ園には 閉鎖直前の寒々しさが漂っていたけれど… 冷たい風の中、彼女が歩く姿は 凛としていました 今も、私と第二秘書は あの日の風景が忘れられません 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp ゆうちゃんと出会って6年目。 とてもたくさんの思い出があります。 また、少し長いお話になりますが… ゆうちゃんの最後の日記に お付き合いいただけると嬉しいです。 猫 ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ いつもたくさんの応援をありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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