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テーマ:「ありがとう」(53)
カテゴリ:追悼
外を歩くだけで 焼けつくように暑い日 TVには、毎日のように 真っ赤に染まった日本地図が映し出され しっかり水分補給すること できるだけ昼間の外出を避けることを 繰り返しています そんなニュースを眺めながら… 昔、公園で暮らしていた頃のことを 時々、思い出したりします 私が暮らしていた剣先には 当時、十数匹の仲間たちがいました その多くは、私より年上の 頼りになるお姉ちゃん、お兄ちゃん 要領が悪くて、危なっかしい私を いつも助けてくれました そんな先輩たちに囲まれていた私が 唯一、友だちと呼べた存在 それが黒猫のチョコです 優しくて、おっとりした性格 剣先では、少し珍しい 茶色かかった長めの毛並み 私より少し年上だったけど いつもチョコは、仲のいい友だちとして 私に接してくれました 日差しの強い日には 一緒に木陰に入って涼み 雪のちらつく夜は 彼女のふわふわした背中にくっついて 暖めあって… いろんなことがあったけれど 彼女と過ごした時間は いつも穏やかだったから… 私は、とても嬉しかったのです ちょっと不器用で怖がり 寂しがり屋の甘えん坊 たぶん、チョコと私は 少し似ていたから 仲良くなったのだと思います 私たちは、仲間と助け合って 一生懸命に生きてきました 今から思うと、公園での暮らしは とても厳しかったけれど… あの頃、チョコも私も 自分が幸せか不幸せかなんて 考えたことなどなかったと思います 私たちには、未来を変えるチカラはなかったし そもそも、自分が生きてきた環境に 疑問を感じることもなかった 誰かに守られる安心感も 誰かに愛される喜びも知らなかった 厳しいことも悲しいことも ただ、すべてを受け入れて 一生懸命に生きるだけだったから… それは、チョコや私の生活では 当たり前のことでした あの頃は、それ以外のことを 何も知らなかったのです 昨日、8月19日午後… 私の大切な友だち、チョコが逝きました 2008年9月 「猫の部屋」を卒業し Wさんご家族に迎えられた彼女 少し前に、チョコは 腎不全の診断を受けました それから、ずっと闘病を続けていたのです 数値の上昇、口内炎、貧血… 何度も何度も、ぶり返す症状 その都度、治療を続けながら いつも、Wさんご家族は 彼女と一緒に頑張って来られました どんな時でも、チョコのすべてを 包み込もうとする深い愛情 その様子が、どれほど優しさに溢れたものかを ずっと秘書たちは見続けてきました 今月初めから、チョコが またご飯を食べないと電話をいただいたのは 10日ほど前のこと あの時は、まだ元気だった彼女 電話の直前には ご家族全員に甘えていたらしく お母さんは、そんなチョコが とても可愛いと言っておられました 今まで、容体が悪くなっても いつも驚くほどの回復を見せて 何度も何度も元気になっていたから… きっと、今回も大丈夫… そう祈っていたのだけれど… 彼女は、5年間暮らした家で 優しいお父さんとお母さんに看取られて 眠りにつきました --- 今、すごく穏やかな顔でいてくれています --- お母さんから届いたメールには そう書かれていました 怖がりだったけれど 本当は、寂しがり屋で甘えん坊なチョコ けれど、なかなか甘えることができなくて やっぱり、とても不器用で… 彼女がWさんご家族を受け入れるまでには かなりの時間がかかりました だからこそ、どんなに彼女が そばにいる人を信頼していたのかが 私にはわかるのです 不器用で時間がかかるぶん 一度、心をひらけば その気持ちは、なかなか揺るがないはずだから… もう、チョコは 何も知らなかったあの頃とは違う 愛される喜びを知って 最後まで、守られながら 一生懸命に生きて… 穏やかな顔をして旅立ったんだ… そう思いました --- お父さん、お母さん、Rちゃん、Kちゃん ほんとうにありがとう --- 不器用で優しいチョコが そう言っているように感じました 彼女は、自分が幸せだということを 知っていたと思うのです 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp チョコを幸せな猫にしてくださった Wさんご家族へ心から感謝しています 本当にありがとうございました チョコ、よく頑張ったね… 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ 今はただ、大好きなチョコの冥福を祈って… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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