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テーマ:「ありがとう」(53)
カテゴリ:追悼
こんばんは、第一秘書です 最近、折にふれ この活動を始めた頃を 思い出すことが多いです 今夜は… 少し昔話をしたくなりました 私に、忘れられない思い出をくれた猫の話です 皆さんもご存知のとおり 初代「猫の部屋」は 公園事務所の職員さんたちの手作りでした 閉鎖中とはいえ 公園内に建てられていたため もちろん、今のように 電気も水道もありません 部屋の中には ワンルームと呼んでいたケージを並べ 毎日、捕獲した猫たちを 入れていきました 当時、まだお当番さんの 募集はしていなかったので スタッフは、数人 けれど、猫の数は いちばん多かった時で50匹以上 その多くがワンルームにいました 朝夕、大量に御飯を作り 数え切れないほどのトイレと寝床を きれいにして… 満足に作業できるのは 外が明るいうちだけなので 毎日、お日さまとの競争でした あの頃の話をすると いつも「大変だったでしょう」と言われます 確かに、目が回るほど 忙しい日々だったと思いますし つらいことや悲しいことも たくさんありました ただ、それをすべて消し去ってしまうほどの 嬉しいことや感動することも たくさんあったのです だからなのでしょうか… 今、当時を思い返して 最初に浮かんでくるのは そんな出来事と「楽しかった」という気持ち 初代「猫の部屋」の空気や匂い 猫たちと過ごした時間 支えてくださる人たちとの優しい出会い… すべてが懐かしい記憶として 心に残っています 猫たちと過ごすようになってから 私には、いくつも 忘れられないことがありました 彼も、そんな思い出をくれた猫です 名前は、チャチャ 当時は、まだ子猫の面影を残した 茶トラの男の子でした チャチャのワンルームは いちばん奥まった場所にあり 昼間でも、ほとんど光が当たりませんでした 薄暗いワンルームの中 寝床にしていた箱から、そっと顔を出し チャチャは、いつも作業する私たちを見ていました とにかく暗かったため 彼の表情は、ぼんやりとしか わからなかったのですが… 穏やかな丸い目と少し上がった口角 私には、いつもチャチャが 笑っているように見えました あの頃の猫たちはみんな 今の姿からは想像できないほどに 荒れていました 毎日、大声で鳴き喚き 怒りと怯えをあらわにして… ワンルームを掃除したり ご飯やお水を置いたりするだけで 噛みつき、爪を振り下ろし 威嚇する子が多かったのです その中にあって チャチャは、穏やかで 大人しい子でした 少し怖がりだったので 人見知りするところはありましたが 怒ったり、噛みついたりする姿は 見たことがありません 掃除の合間に、頭を撫でると 遠慮がちに、そっと体を寄せて 甘えてくる子でした 私が、初めて お日さまの下でチャチャを見た日 それは、お見合いの日でした 初代「猫の部屋」は 防犯上の理由から、今以上に 場所を明らかにすることはできませんでした そのため、お見合いは 同じ公園内の喫茶店だった場所で 行うことにしたのです その日は、6匹の猫たちが参加 チャチャには、何件かの お問い合わせをいただいていたので そのすべてのご家族をお招きすることに いつもの薄暗いワンルームから 小さなケージに入った時 チャチャは、すごく緊張していました そして、久しぶりに外へ出て 明るい光を浴びた時 チャチャは、何度も瞬きしながら とても驚いた表情をしました 薄茶色の毛並みが、きらきら光って チャチャの優しい顔立ちが はっきりと見えました 川辺にあった喫茶店には 大きなガラス窓がありました そこから差し込む光は とても明るく、暖かくて 猫たちには気持ちが良かったのでしょう 少し緊張も解けた頃 猫たちは、まだ警戒はしているものの ちらちらとリラックスした表情を 見せるようになりました けれど、チャチャだけは ケージの中で、体を縮めたまま 可哀想なほどの怖がりようで… 何とか落ち着かせようと 付き添っていたスタッフが撫でても ずっと震えていました お見合いが始まり 次々とお見えになるご家族たちも 皆さん、優しく声をかけてくださるのですが… チャチャは、反応することなく ずっと震えていたのです 少し残念そうなご家族たちを 順番に見送りながら もう連れて帰ろうと思った時… あれは、まるで 奇跡を見たようでした それまで、誰が声をかけても 緊張を解かなかったチャチャが 自分を撫でる優しい手を受けとめ 体を寄せていったのです それがチャチャとチャチャママさん… Yさんとの出会いでした 甘えん坊だったけれど 人見知りで怖がりだったチャチャが 最後には、Yさんの膝に乗り 離れなくなっていました そして、チャチャは それまで見たことがないほどの 笑顔を見せてくれたのです まるで、やっと会えたよ…というように あれは、猫が自ら 自分の幸せを選んだ瞬間でした 私は、今も忘れられません あの出会いから 5年7ヶ月が過ぎました 11月24日、日曜日 Yさんからいただいたメールは訃報でした おひさしぶりです。チャチャママです。 今朝、1年半の闘病の末、 チャチャは虹の橋を渡りました。 数値的には生きてるのが 不思議くらいだったそうなのですが… チャチャのメタボが幸いしたのか、 最期は半分以下になってしまいましたが、 思いの外長く生きてくれました。 橋の向こうには昔の仲間もいっぱい居ますし、 今春に先立った我が家の婆ねこベルちゃんも 待ってくれていると思いますし、 また楽しく過ごしてくれたら…と思います。 短い間でしたが、 本当にチャチャは心優しくいい子でした。 チャチャと出会わせてくれた中之島の皆様には、 心から感謝しています。 本当に、本当にありがとうございました。 昨年春、モデルが亡くなり もう、フクも危険な状態だった頃 チャチャも、また 彼らと同じ腎不全の宣告を 受けていました Yさんと、チャチャが大好きだったお母様に支えられ ずっと闘病を続けていたのですが… チャチャも彼らが待つ空へ 逝ってしまいました チャチャは、とても幸せな猫でした あの日、出会うべき人と出会い その優しい人のそばで、愛されながら生きて 旅立っていったのですから… チャチャ、よく頑張ったね 忘れられない思い出をありがとう… 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp Yさん、お母様 チャチャを見つけてくださって… 家族として、最期まで愛してくださって… 本当にありがとうございました 私たちのほうこそ、心から感謝しています 中之島タキシード 第一秘書&第二秘書 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ 今はただ、チャチャの安らかな眠りを祈って… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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