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テーマ:猫のいる生活(139061)
カテゴリ:日常生活
気付けば、3月半ば 暦の上では本格的な春 「…ですけども、また寒くなってませんか」 「ええ、なってますとも」 だから、あくまでも暦の上…なんです ここ最近、ちらほら 春らしい日もあったけど やっぱり朝夕、まだまだ寒い 「猫の部屋」には、春を待つ 風邪っぴきの仲間たちがいるというのに 困ったものです 「はい、春なのに…、次」 「はい、何度拭いても…、次」 えっ た、垂れるはなみず… 「はい、字余り」 「はい、季語は鼻水」 ええっ、季語が鼻水 まったく雅やかではありませんね、それ 「まあ、まだ猫には、それほど寒いってことですよ」 「あ、けど最近、熱い戦いもあるんだよ」 ふーん 熱い戦いですか… あ、またボス猫争いとか 「いいえ、違います」 「くふふっ、アイドル争いです」 身内びいきだと笑われるかもしれませんが… 「猫の部屋」の女子には 案外、美人が多い それぞれタイプは違うけれど なかなかの粒ぞろいだと思うのです もちろん「猫の部屋」関係者の中にも そう思ってる人は多くて… たまーに、彼女たちは 恥ずかしいくらいの賛辞を受けたりします そんな環境で暮らしてきたのだから 「綺麗」とか「可愛い」とか 聞き慣れているのは、当然のこと 素知らぬ顔はしているけれど みんな、ちゃーんとわかっているのです 「しかし、ももは、いつ見ても綺麗な顔だね」 「うん、パーツといい、配置のバランスといい、秀逸です」 人には、触れさせたりしないし 甘えたりするはずもない 勝ち気で、どっしり構えていて たぶん、そんじょそこらの男子よりも 肝が据わった性格 人目をひくような柄でもなく 一般的には、地味な毛並みだけど… 「猫の部屋」に来た日から今まで ももちゃんに送られた賛辞は数え切れません なんせ、メロメロになった公園事務所のおじさんが 彼女にセクハラ発言してしまったという 伝説が残るほどなのですから 「まあ、あれは伝説じゃなくて…」 「事実なんですけどね…」 「猫の部屋」に来た当時 まだ小さかったももちゃん 人が触れようとするたびに 背中の毛を逆立てて、爪を振り上げ シャーとかワーとか言ってみたものの そんなこと、一向に気にしない人たちばかり それどころか、みんな ニコニコと自分を見つめて 「そんな顔も可愛い」だとか 「やっぱり綺麗」だとか言うのだから… もしかしたら、いちばん早く 「可愛い」「綺麗」という単語を覚えたのは 彼女だったかもしれません もちろん、年齢を重ねた今も ベビーフェイスは健在 ちょっと体型がどっしりしたとか 時々、失礼なことも言われたりするけど それでも、彼女の魅力が落ちることはありません しかし、そんな彼女 今、すこーし気になっていることが… 「あ、ももが…」 「アンタ、また見てるの」 ももちゃんの視線の先にいるのは 最近、引っ越してきたチャオ 茶白唯一の女子であるチャオは やんちゃすぎる男子たちに追い回され 毎日、辟易していました 近頃では、ちらほらと 目に余る行動もあったために… 秘書たちは、思いきって チャオを引っ越しさせたのです 引っ越し後、とにかく チャオは、見るものすべてに驚いていました 棚の上にあがり、箱の中に入って いろんな場所の匂いをかいで… 歩き回っている途中に出会う仲間たちも 向こうからは見ていたけれど 近くで会ったのは、初めて 「うわぁ、目くりっくりしてるよ」 「なんですか、その可愛い顔は…」 ちょっと怖いからか 固まって緊張しているものの その中に、ちらっと浮かぶ好奇心 それは、秘書たちにとって とても新鮮でした 同じ色目を持つきょうだいの中では 目立たなかったけれど… 違う色目の中に入ったことで オレンジがかった茶色の毛並みと 綺麗なはちわれの顔立ちが とても目立ちます 「こっちだと可愛さが引き立ってるわ…」 「うん、あらためて綺麗な子だって思うよ」 そんな秘書たちの会話を聞いていたか どうかはわからないけれど… 初めて、散歩中のチャオと 至近距離で会ったももちゃん ちょっと驚いたような顔をしたけれど すぐに、チャオに負けず劣らずの 目くりっくりに… とにかく、視線は外さず じーっと、チャオの顔を見つめる 見つめられたチャオは 若干、引き気味になっていたけれど… ももちゃんは、意に介さず じーっと見つめたまま 「おおお、これは…」 「うん、なんか独特の空気が漂ってきました」 初めて会った日以降 チャオのケージを開けるたびに ももちゃんは、扉の前にやって来ます そして、まだ中にいるチャオを じーっと、じーっと… 「あの…、ももさん、あんまり見ないであげてくださいね」 「び、美人の真顔は迫力ありますから」 とても静かだけど どこか熱いものを感じる彼女の視線に… 今、秘書たちは興味津々です 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp しかし、ももちゃんは ただ、初めて近くで会ったチャオが珍しくて 見てただけなんじゃないんですか 「いや、熱いものがあるんじゃないかと思うのよ」 「うんうん、可愛い女の子同士だしね…」 えーっ、どうも私には 秘書たちの勝手な妄想のように思うんですけど… だって、リリーとの間に割り込んでくるひめには ももちゃん、寛大ですよ 「いや、ひめは小娘だし」 「うん、季語だもん」 へっ、季語 ああ、まだ鼻水たれた小娘ってことですか… 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ ブログランキング参加中ぽちぽちっと応援よろしくお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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