|
テーマ:あの子を思い出すとき(10)
カテゴリ:思い出
お当番の日 ご飯を準備して 仲間たちに配り終えた時 時々、秘書たちの手元に お皿が一枚残ることがあります 何度も、何度も 部屋の中を見渡してみるけれど... 仲間たちは全員 しっかり、ご飯を食べていて 誰のお皿なのかがわからない 少し困った秘書たちは 各部屋の扉に貼ってある 仲間たちの写真を数えだして... そこで、いつも気付くそうです 自分たちが並べていたお皿が 一枚多かったことに もう、19匹ではなく 18匹になったということに... 好き嫌いが多くて、小食で 食べることに執着しない 彼は、そんな子でした お当番さんたちから貰う 茹でたささみだけは大好きだったから 嬉しそうに食べていたけれど... 朝と夜のご飯には 苦労することが多くて 食べたくない時は、お皿を見ただけで すぐに逃げてしまうから ご飯の時間が近づくと 秘書たちは、何種類もの缶詰を見ながら いつも頭を悩ませていました そんなことを懐かしく思い出すほど 時間は経ったのに... 今までに何度も もう、お皿は18枚でいいのだと 確認してきたはずなのに... 今でも、時々 無意識のうちに19枚のお皿を 並べている日があります そんな日は手元に残ったお皿を見ながら... --- お腹減ってるの --- もう姿が見えなくなった彼に 話しかけるそうです お当番の帰り道 夜も更けて、終電に乗るために 駅へと急いでいる時 時々、秘書たちは 夜空に浮かぶ月に 目を奪われることがあるそうです 雲ひとつない真っ暗な空に 半月より少し丸みを帯びた月 いつもより低い位置にあって 空を見上げなくても すぐに気付くことができる まるで、金色の目をした黒猫が 片目だけをあけて こちらを見ているようで... いつも、秘書たちは立ち止まってしまうのです --- なにか言いたいの --- 今は空にいるはずの彼が 話しかけているように思うから... 彼が亡くなる前日 2014年12月12日金曜日の夜にも 同じ月が出ていました 少し目尻が上がった猫の目のような月 月の出がとても遅く 更待月と呼ばれるこの月が 秘書たちには、彼の目に見えたのです まるで、見つめられているように感じたから... 秘書たちは、立ち止まって 話しかけたそうです --- ノア、また明日... 明日も来るから待ってて --- それは、お当番さんたちに後を任せて 「猫の部屋」を出る直前 ほとんど動けなくなった彼に 祈るような思いで言ってきた言葉でした 結局、その約束は守られず ひとりで空へ旅立っていった彼 わがままかもしれないけれど... もっと、一緒にいたかった もっと、甘えて欲しかった... もっと、もっと 自分たちにできることがあれば良かったのに... あれから、秘書たちは 何度も余分に1枚お皿を並べて 何度も黒猫の目のような月を見ました そのたびに彼を思って 心の中で話しかけています 今週末は、また同じ更待月 彼の目のような月が見られるそうです きっと、また秘書たちは お当番の帰り道、夜空を見ながら... 彼に話しかけることでしょう 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 初めてノアに会ったのは 2008年12月、寒い夜のことでした 今日、最後に使った写真は 「猫の部屋」で暮らすようになって まだ日も浅い頃のものです ノアと過ごした6年間 たくさんの思い出がありました 昨年末、亡くなった直後は どうしても気持ちの整理ができなかったのですが... 今から少しずつ、彼との思い出を書いてみようと思います もうしばらくお待ち下さいね 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ ブログランキング参加中 いつもたくさんの応援をありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|