猫のおきて

　数年前から開設している当方のサイト「盆猫」に掲示板を設けていないのと同じように、このブログにも掲示板を設けないので、ご覧になってご不便をお感じの方もおいでのことと思う。しかしながら、お便りは大歓迎であり、早速にこんなメッセージを頂いた。

From: ごましおさん
「馨歩さま
　メルマガの頃よりいつも楽しく拝見しております。猫が好きなんだぁ！という気持ちを知的・文学的かつ的確に表現していらっしゃる様子にいつも感服している次第です。
　さて実家にも我が家にも猫がおりますが、みんな何故かすーっとするニオイが好きなのです。練り歯磨き・かゆみ止めのキンカン・バンテリン・湿布などが特に好きで、使用中寄ってきては先を争って舐めたり身体にこすりつけたり、大変なものです。そんなことにあまりに一生懸命なので笑ってしまうのですが、なぜなのでしょうか、ご存知でいらっしゃいますか？
　なんにしろ、猫って本当に素敵です」

　にゃるほど！　というお便りであった。
　こういったお便りは、これまでメールマガジンで、「読者諸賢の部屋」という号を設け、当方の回答、コメントなどともに掲載させていただいてきたのだが、このブログに頂いたメッセージも、同じくご紹介していきたい。

　で、さて、当方からのご返事。

「『すーっとするニオイが好きなのです』との件、ご指摘の通りです。猫にまたたび、とはご存知の通りですが、同じく、ミント系の植物を好む習性もありますね。キャットミントなんて植物もあるくらいで、猫はもちろんこれが好きで、葉っぱをかじったり、顔をこすり付けたり、転げまわったり、マタタビに対するのと同じような反応をします。
　マタマビにも、あまり反応しない猫と激しく反応する猫がいるように、キャットミントにも興味を示さない猫と示す猫がいまして、ミント系への感受性に差があるのですね。
　ミントとキャットミントは、厳密には属は違う（科は同じ）のですが、感受性の強い猫は、広くミント系全般に反応します。
　ごましお様のご実家の猫さんたちは、ミント系への感受性が高いのでしょうね。そして『練り歯磨き・かゆみ止めのキンカン・バンテリン・湿布など』は、ミント系の香料が入っている可能性大です。

　それにしてもバンテリン。当方も愛用していまして、友人らと『やっぱインドメタシンの含有量が違うからさ、頼りになるのよ』などと、この手の商品に詳しくなってしまう悲しい世代です…。

　閑話休題。
　しかし、そんなバンテリンを舐めたら、猫さんたちは舌がじんじんしないのでしょうか。
　でも、好きこのんで舐めるわけですから、そのじんじんもいい、と感じているのかもしれませんね」

　――と、こんなふうにやりとりを掲載するなら、コメントや掲示板で受け付ければいいじゃん、とのご指摘もおありでしょうが、まあ、それはその。
　なぜ掲示板を利用しないか。その理由を知りたい方は、メールにてお問合せくださればご返事しますので。



　因みにこの写真で当家の黒猫「ち」が反応しているのは、青い小さな花を咲かせるムスカリ。でも、ミントやまたたびのように反応はせず、ちょっと匂いをかいだだけでしたが。