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2006.05.23
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カテゴリ:猫周辺
 先日、藤田嗣治展に行ってきた。今年は生誕120年にあたり、初の大規模な回顧展とのこと。藤田は戦争画を描いた責任を戦後問われて、「日本と不仲になってフランスに帰化した」という感じだったから、遺族が作品の提供を渋ったりして、今日までなかなか実現しなかったそうな。

 そのへんのシリアスかつデリケートな問題はとりあえず脇に置き、私の目当てはもちろん「フジタの猫」であった。ほっほほー、たくさんいましたよ。眠ったり(1931年「眠れる女」)、画家の懐に入ったり(1936年「自画像」)、跳んだり跳ねたり(1940年「猫」)ね。
 フジタの猫は、体つきや動きがしなやかで柔らかそうで、しかも同時に爪や牙の気配を秘めて不敵なところが、猫らしくって好きだ。

 猫を見ていて、藤田の絵ってとにかく細部が豊饒だなと思った。耳と耳の間の毛の、背中の毛並みとはまた違うふにゃっとした質感とか、実にリアルに丹念に描き込まれてる。そういう細部がひどく丹念に描かれているにも拘らず、いや、だからこそなのか、耳と耳の間が離れてしまって頭の形がちょっとヘンとか、プロポーションの合ってなさも随所にあって。爪を一生懸命描いてしまったから、前肢がやたら大きいとか。
 達者な画家だってことがわかったから、たぶん、そういうことだって回避しようと思えばできたんだと思う。でも何だか、「あー、猫の頭の毛並み描くのが面白くて熱中したら、ちょっと長く描き過ぎちゃったかなー。でもこれはこれでつなげて耳を描いちゃえばいいや、うん」みたいな、画家自身が別に気にしてない感じがする。
 だから、見る側も別にそれを瑕疵と感じないというか。逆にえもいわれぬ魅力というか。

「細部の豊饒さ」は猫だけじゃなく、どの作品にも共通した印象だった。気に入った一枚を賞玩するのもいいが、これだけまとめて見ると、そういう印象が抽象できるから面白い。

 会期は5月21日で終わってしまったが、猫ばっかり集めた、その名もずばり『藤田嗣治画文集 猫の本』(講談社)というのもあるので、「フジタの猫」を見たい方はそちらでたっぷりご覧になれる。

 画像は、藤田がお気に入りで繰り返し描いた、「一本歯の猫」とそっくりな顔で寝てた「ヘディ猫」。いやよく似てるなー、猫に普遍的な表情を捉えてるのはさすが、敬服だ。





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Last updated  2006.05.24 01:25:01
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