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テーマ:猫のいる生活(139006)
カテゴリ:町蔵日記
昨日お披露目いたしました町蔵(仮)。読者諸賢におかれましては、トートツな登場に驚かれたことと存じます。
実は町蔵(仮)は今週火曜日に保護したのでしたが、すぐに身罷ってしまっては、読んでいただく方にも悲しいばかりですので、状況が安定するまで公表を待っておりましたら、案外あっという間に安定しまして、お披露目と相成りました次第。 町蔵(仮)(「かっこかり」って付けるの、いい加減面倒になってきたので、以降「町蔵」のみの表記にします)がどのように現れ、これからどのように成長していくか、「町蔵日記」を綴って参りますので、どうぞ見守ってやってくださいまし。 ではまずは、町蔵保護の経緯から―― ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 火曜日の午前、仕事に勤しむ私の耳に、フト、猫の声が聞こえてきた。通い猫の「ヘディ猫」かと玄関に回るが、彼女の姿はなく、「?」と思っていると再び「にぁ」と聞こえる。どうやらベランダのほうからで、何だかヘディの声とは違うようだ。 網戸を開けてベランダに出ると、道路の向こう、当家の筋向いにある給食会社の駐車場のほうから、今度は人の話し声が聞こえてきた。 「そっちの車の下にいるんだよ」 「○○さんの後に付いてくるじゃない(笑)」 「母親はいないの?」 どうやら、駐車場に野良子猫がいるのを給食会社の人たちが見つけて、おしゃべりしているようだった。多少気にはかかったが、私の出る幕ではない。そのまま引っ込んで仕事を続け、そのうちにすっかり忘れていた。 そして午後2時過ぎ、「このメールを打ち終わったら何か食おう」と考えていた私の耳に、また「にぁ」という声が聞こえてきた。と、そのすぐ後にカラスの鳴き声も聞こえ、それを耳にした瞬間、私はすぐ立ち上がって外に出、給食会社の駐車場に向かっていた。 後から理屈を付ければ「私の出る幕でもないが、カラスなんかもっと出る幕ではない。取られるか!」という気持ちだろうが、実際は何も考えず反射的に行動していたのである。 給食会社の関係者でもない私だが、ずいずいと駐車場に入り、このへんで鳴いていたのでは、というあたりに行った。しかし子猫の姿は見えず、既に鳴き声も聞こえない。いきなり人が来たので警戒したのだろうか、どうやって探すか? そう思ったとき、ごく近くで、一際大きな「にぁ!」という声がした。すぐ右手の小さな資材物置、その粗い金網の囲いの中に、わかりにくい保護色のきじとら子猫が座っていたのだった。 そのときも私は、子猫を目にすると同時に、何も考えずに金網の隙間から手をつっこみ、子猫の首筋をつまんで持ち上げていたのだった。頭上でカラスがカアと鳴く。私は「もうこわくないよー」と言いながら子猫を確保して家に取って返した。 子猫は掌にすっぽり収まる小ささで、目やにで目をシバシバさせ、鼻の周りは鼻水だらけあったから、専門家のケアが必要と思い、獣医さんに向かった。最寄の獣医さんは間が悪く昼の休診時間帯で、私は夕方から打ち合わせに出なければならないから、待つこともできない。もう一軒も回ったが休診で、三軒目でようやく診てもらうことができた。 子猫を見て、「わあ、ぐじゅぐじゅだねえ、キミ」と獣医のM田先生。「もう歯も生えてるのに280グラムしかないなあ、栄養不良だねえ」と、ペースト状のフードをスポイトで与えると、子猫は夢中で食べる。私は、まずは食欲はある、とほっとした。M田先生は「大丈夫、キミの人生は始まったばかりだよ」と子猫に語りかける。 ノミとダニが駆除され、猫カゼのための抗生物質、目薬、特別療養食缶詰が処方された。 それにしても、こんな小さくてこわれそうな猫、当家の床に積み上げられた本の間に迷い込み、体の上に本が落ちてきたら骨が折れてしまうかもしれない。一人で部屋においておくのは心配だったので、外出するときはキャリーに入れておこうと思い、獣医さんからペットショップに回り、キャリーとペットシーツ、そして子猫用フードを購入。 家に戻って、小さな皿に療養食を入れたらバクバクと食べ、キャリーの中に入らせたら、疲れていたのか子猫はすぐに眠った。 私は素早く支度をして家を出、打ち合わせに向かった。そして駅への道を急ぎながら、「このクソ忙しいのにああああどうしてこんなことしちまったんだろう…」と、そのとき初めて理性を取り戻していたのだった。(7月25日の項、続く) で、これが獣医さんから帰ってきてすぐの時の町蔵。片手くらいの大きさだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.29 20:57:21
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