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2008.01.07
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カテゴリ:猫周辺
 七草の今日、『アンカー展』に行ってきた。日本で本格的に紹介されるのは初めてという、スイスの国民的画家。好んで描いた生まれ故郷の山村の情景は、清澄で端正な画風で清々しい。

 会場内に「いる」猫は四匹。まず会場を入ってすぐの絵に一匹いる。でも、タイトルは「鶏」。メインのモチーフは、納屋のような建物の入り口で、餌を食むひよこと鶏を見守る祖母と孫たち。猫はといえば、彼らの頭上の階段に、ちんと座っているのだ。若そうな三毛猫で、鶏を見て舌なめずりするというより、狐やイタチから大切な家畜を守る存在として、落ち着いた表情でそれを見守る風情だ。

 次はこの展覧会のポスターにもなっている「少女と二匹の猫」。三毛ときじとらの二匹の子猫を腕に抱いた少女の絵だ。以下、絵に添えられた解説から。
「ここにはヒトと動物ん安らぎに満ちた心温まる関係が描かれている。少女が猫を見守る静かな情景からは、猫がゴロゴロと喉を鳴らす音だけが聞こえてくるようだ(後略)」

 でも私がもっと「ゴロゴロ」を感じたのは、その隣に掛けられた四匹目の猫の絵、「猫を膝に抱く少女」からである。「少女と二匹の猫」の子猫たちは、活発に少女の手を逃れていきそうないたずらっぽさがあるが、こちらの絵の猫は少女の膝に身を任せ、少女の腕に顎を乗せて満足げに目を閉じている。木炭に淡彩で描かれたモノクロの画面で、チャコールグレイとも黒とも見える猫は、かすかに笑っているようで、本当にごろごろ言っていそう。それを見守る少女の表情の愛しげなこと!

 月曜の昼間、本格的な仕事始めの日ということもあり、すいていてゆったり見られたのもラッキーだった。
 ミュージアムショップに猫満載なのも、読者諸賢には見逃せないポイントでありましょう。

●アンカー展
会期:2008年1月20日(日)まで
開館時間:10:00~19:00(入館~18:30)、毎週金・土曜日~21:00(入館~20:30)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム 





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Last updated  2008.01.07 21:01:26
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