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猫のおきて

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2008.06.24
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カテゴリ:猫周辺
 ローマでは、テルミニ駅の近くのホテルに泊まっていた。日本的に言えば、東京駅の八重洲かはたまた丸の内界隈か。そういうところでも、飲食店の裏などに猫的路地もなくはないのだろうが、悲しいかな土地勘のない身では見当もつかない。

 近くの店に夕食に出て、ホテルへの帰路。長い一日を終えて、これから自由な時間を迎えるわけだが、この後に一人でフラフラと出歩くことも防犯的に憚られるなー、と思いつつ一行のしんがりを歩いていたら、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの浴場跡にさしかかった(中央駅の目の前にそういう遺跡があるのもすごい)。

 と、その柵の中に、何やら猫的な影! 距離が離れていたのと暗かったので私の視力では定かに見えず、確信は持てなかった。できれば、柵にしがみついて「ちちち」と呼びかけたかったが、同行者の一行はどんどん先に行く。あまりに遅れても迷惑をかけると思い、後ろ髪を引かれる思いで、写真だけ撮って一行の後を追った。

 そしてホテルに帰り、撮影画像を拡大して見たら、やっぱり!

夜のローマの猫

 大急ぎで、しかもデジタルズームいっぱいの望遠で撮った画像なのでブレているが、これはどう見ても、猫が地面に座り、背中のほうに顔を向けて毛づくろいしている最中ではないか! どんな顔かも定かではないが、私にとってイタリアの初猫である。
 昼間も同じ場所を通り、猫が居そうだと思っていたが、見かけなかった。やはりあの辺の古い建物の陰に居て、夜だったから出てきたのかもしれない。

 そこで翌朝、早起きして同じ場所を見に行ったのだが、猫の姿は影も形も見えなかった。
 まあそうだよなーと、あきらめて帰るとき、サンタマリア・デリ・アンジェリ教会の古い石壁のくぼんだ壁面に、そのカーブに沿って大きな円周を描くように、たくさんの燕たちが飛び交っているのを見かけた。

サンタマリア・デリ・アンジェリ教会

 朝の光の中で、飛行練習をするかのように飛ぶ燕たち。彼らはやがて時が来たら、ヨーロッパの南、遠くアフリカのほうまで、渡っていくのだろうか。





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Last updated  2008.06.25 01:11:34
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