ネコナデ
story8
早朝、起き抜けにオークションサイトでヒマラヤンを落札する鬼塚。
先日子供達に言われた事が気になり、トラに仲間を作ってやりたくなったのだ。
1匹でも大変なのに2匹にしてしまう無計画な自分に対して、心情の変化を感じ始める。
研修員たちは明日の歌唱訓練に備え、研修室で社歌を歌っている。
そんな研修員達を前にしながら、鬼塚はこの後の昼休みに会うヒマラヤンの事で頭が一杯だった。
待ち合わせの喫茶店で鬼塚とペット業者の鴨下はヒマラヤンの受け渡しをしていた。
契約書にサインをして手渡されたのは、ヒマラヤンとは似ても似つかない雑種の猫。しかも、でかい。
ネットで見た写真と明らかに違う、と鴨下に言っても、生きているのだから変化するのは当然だと言い返され、「昔の自分からは考えられないような変化をした時の、今の自分は不幸ですか?」と悟されてしまうのだった。
ネコナデ