「カンボジアに住んでる」とか「カンボジアに旅行に行く」とか言うと、驚くべきことに今だ「地雷に気をつけてね!」とか「地雷があるぞ、旅行なんて危ない!」という反応を受けることがある。
そりゃあまだ確かに地方の森の中には、地雷はあるかもしれない。でもプノンペンに住んでいたり、観光地を旅行する上ではほとんどその危険性はないんじゃないだろうか。。
しかもそういう反応をするのは、日本人が主。日本人にとっては今だ、カンボジア=ポルポトというイメージが強いのだろう。もちろん忘れていいことではないから、大事なことなのだろうけれど。。
しかしながらここにこうして暮らしていて、実際に恐ろしいのはもちろん地雷ではない。
交通事故は、たしかに多いし怖いけれど、プノンペンに限ったことではない。
私が最近、個人的にとても恐ろしがっていること、、それはAcid Attack(酸攻撃:硫酸?)である。
時々新聞で見かけるこのアシッド・アタック。例えばこんなケースがある。
NGOに勤めているAさん。婚約者と一緒にバイクで帰宅中、突然通りすがりに酸を顔面にかけられる。急いで近くのレストランに入り、水で洗い流す。救急病院へ。幸運にも勤務先NGOからアメリカ人の焼傷エキスパートの医師を紹介され、急遽手術を受けることができた。網膜が炭化しており、一歩遅かったら失明の危険があった。
顔面にひどい火傷を負ったAさんだが、現在徐々に回復中(!)で、結婚も間近。
加害者を訴える気持ちはないという。これも神の思し召し、と思っている。
地方出身のBさん。美人で有名だった彼女は、プノンペンのビヤホールで働いており、ある男性と付き合うようになった。Bさんは妊娠し、男性との結婚は間近だと思っていた。しかしこの男性は既婚者だった。ある日男性の妻と息子に襲われ、顔に酸をかけられる。
Bさんは加害者の妻と息子を訴えていたが、貧困のため裁判を続けることができず、わずか100ドルあまりで和解に応じた。顔は焼けただれ、失明した。
今日の新聞に載っていたCさん。夜眠っている間、妻に酸をかけられる。夫が2日間外泊したため、怒った妻が夫を襲ったもの。C夫婦は結婚暦10年で子供が3人いる。
警察はCさんの妻を逮捕するか迷っている。誰も彼女を訴えていないため、妻が逮捕されることはないだろう。
怖い...
とくにAさんのケースが怖い。ただ単に運が悪かっただけの無差別攻撃の被害者。
そんなわけでやっぱり夕方以降はモートにもトゥクトゥクにも乗りたくない。。と思ったのでした。乗るときはいつ酸が降りかかってきても避けられるように、緊張して心構えしておかなければ。
てういか、売るなよ、酸を。
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