2007年10月25日・29日
2007年の雨季にはたくさん雨が降りました。洪水のことをインドネシア語では「バンジール」と言います。洪水というよりも、浸水状態もまた「バンジール」。この年の10月にはこの言葉をたくさん聞きました。なにかというとバンジール。スタッフも運転手もよく「家がバンジールだ!」「道がバンジールで通れない!」と言って遅刻してきていたよなあ。。
事業地に行くにもバンジールで、これがなかなか大変でした。
事業地への途中、両側をゴム林に挟まれた道を通るのですが、ここは土地が少し低いらしく、大雨が降るとしょっちゅうバンジールっていました。こういう状態で強行突破しようとするので、車両にいいはずはありません。必ず後で泣きを見ることになる(と、後で気付いた。。)
すかさず遊ぶ子供たち。しかし完全に無邪気に遊んでいるわけではなく、運転手に「ここに穴がある、あそこに穴がある」と道(の穴)案内をしては、小銭を稼ぐビジネスチャイルドでもあります。ウチの運転手さんは「いらない、いらない」と追っ払っていましたが、慣れない人には必要なサービスかも。
どこからともなく現れる渡し舟屋さん。この渡し舟は一体どこから、どうやって現れるのか?結局最後まで謎でした。2-3のグループが渡しをしていました。お金を払って乗せてもらう人もいるし、自分(のバイク)過信して、強行突破を試みる人もいます。
家の前の即席プールで遊ぶ子供たち。この辺はもともと土地が低いので、高床式の住宅です。きっとこの子達も後で身体がかゆくなったりしたんだろうなあ。。でも今が楽しければ、それでいいよね!(?)
写真では見えにくいかもしれませんが、中央のおじいさん、釣り糸を垂れています。
釣れるのか?!何か、この状態で!!??ここ、普段道だよ!?
と、思うのですが、いつもは林の中の沼などにいる鯰などが増水と共に出てくるので、釣れないことはないそうです。魚もどちらかというと、水とともに泳いで来たはいいが、帰り道が分からないで、トラップに嵌った感じでしょうか。大雨が降るのは困りますが、魚にありつけるというメリットもなくはない。
日が経つにつれ、だんだん水が下流(海の方)に流れていきます。ゴム林の道に溜まった水は2-3日かけてゆっくりゆっくり周囲をバンジールにしながら海へ流れていくわけです。そこで、普段は用途自体が謎だった小船などが出現して、家族の足となります。
牧歌的な風景ですが、これは本当は政府が用水路を整えて、水の流れをコントロールしないといけないんだろうなあ。。
「バンジール」は立派な災害の一つな訳ですが、皆わーわー言いながらも状況を楽しんでいたようなのでした。