となりのミャンマー難民
日本国政府もようやく重い腰を上げ、ミャンマー難民の日本国内受入れを検討し始めたそうです。2月5日のThe Asahi Shinbunによると、2010年度には30人、2012年までには全部で110人の受入れを計画していて、現在初年度30名の選考をタイのマエラキャンプで実施中とか。110人…アメリカが60,192人(2007年~2008年)、オーストラリアが11,006人(2008年)、カナダが10,804人(2008年)の難民を受け入れているのを見ると、笑っちゃうような数ですが、日本国政府としては精一杯のスタートラインなのかも。きっと選考とかも、蟻の子一匹逃さないような緻密さで行っているんだろうなあ。。(でも信じられないようなことでポカしたりするんだろうなあ…)でも初めてのことでビビっているのは、日本政府だけではありません。難民もビビっている。「日本は地震とか火山の噴火などの災害が多い危険な国だ」という(まあ本当ですが)噂が難民キャンプ内に流布しており、オファーを蹴った難民もいたとか。日本国政府としては、難民を受け入れるからには、リスクを最小限にしたいつもりなようで、実際キャンプ内でアメリカへの移住許可証が売買されているのを知って、ショックを受けたりしているそうです。タイのマエラキャンプということは、多分カレン族のキャンプなのだと思います。移住したい気持ちはあっても、一緒に苦楽を共にしてきた親戚や村の住民たちと離れ、まったく知らない土地で家族だけで一から生活を始めるというのは、たとえ若い夫婦であっても、相当の覚悟とパワーが要ると思います。(日本政府は小さな子供のいる若い夫婦を優先しています。)それに難民の人たちには、本当にひょっとしたら、ほんの少しでも、元いた自分たちの故郷に帰れるかもしれないという、望みがあるのかもしれません。ぎりぎりまでキャンプという移行空間に留まっていたいというか。。ただの想像ですが。私は、日本として始めて受け入れるなら、ミャンマー人(カレン族)は、悪くないのでは?と思いました。カレン人は多くがクリスチャンなのですが、ロヒンギャ族などのムスリムの人たちよりは、文化的に適応が可能かもしれないし。主食は米だし。顔立ちも似ているといえなくもないし。なんといっても「和」を尊ぶ日本人のメンタリティーに一番しっくりくるのはミャンマー人だと思うし(カレンはちょっと違うかもしれませんが)。それにしても、世界には住む場所のない人々(難民)がなんと多いことか。住む場所のある人々は実質その多くを無視してきています。移住者として受け入れられる人なんてほんの一握り。でもこういう難民人口圧も、いつかおおくの地域と国にとって無視できないものになっていくのかもなあ。そしてそこで生まれたから、暮らしているから、というだけでは、その場所のすべての権利を主張できる時代ではなくなってくるのかも。。とにかく難民の人たちには、日本に無事移住してからも、なんとかたくましく暮らしていって欲しいものです。