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くりごと

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2007年03月15日
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カテゴリ:趣味や好みなど

ここの所結構順調に読書のペースが出来ているようで嬉しい。

私にとって本を読むのは暇だから読むとか時間を潰す為に読むのではなく

本を読むために時間を抽出するし一日に必ず最低1時間半は

本に没頭する時間が取れないと精神的に安定して落ち着くことが出来ないらしい。

つまり読書をして文の中に埋没して現実逃避をしてやっと生きる力が湧くという事。



帰国してからもうすぐ1年が過ぎるのは先日書いた。

引越しに際して1500冊程の本を古本屋に引き取ってもらい

どうしても手放せない残り1500冊程は持って帰国した。

その為狭くて小さい家中に本棚があり階段の上から廊下全部が本棚で少し狭い状況だ。

そのうち床が抜けるかもしれないからもう本を増やさないで欲しいと

夫からは実際現実的に悲痛な要求が叫ばれている為

現在は公には本は殆ど買っていない事になっている。

本当に殆ど買っていない、シリーズ物の新しい文庫が出た時とか

好きな作家の本でその人が書いたというだけでどうしても読まずにいられない文庫など

以前の私からは考えられないくらい我慢して買わずに過ごす事を勤めているのだ。



もともと気に入った本は繰り返し読む習慣があったので今は古い本を読み返している。

読み散らし記録にあるように今年は「胡蝶の夢」を読み返してからずっと

幕末から明治時代の事をずっと続けて読んで来ている。



「胡蝶の夢」(司馬遼太郎)は幕末の医療事情について当時幕府の御典医だった

松本良順を中心に時代の流れを細かく描写してある面白い小説で

昔から医療関係について好きだった私はこの本だけでも最低で5回は読んだと思う。

その次に読むのはその時その時の気持ちの流れで決めるのだけれど

今回は幕末のつながりから久し振りに「竜馬がゆく」を読みたくなり

これもおそらく5回目くらいの再読だけどその度に読み下しに再発見があったり

以前と違う部分の文章に感激したり読めば読む程面白さが解る気がするのだ。



「竜馬がゆく」を読んでいたら高杉晋作が面白くなってまた読みたくなり

次に読むのが「世に棲む日々」とすんなり決まった。

これは高杉晋作だけじゃなく吉田松陰と彼につながる人々が描写されていて

幕末日本がどれ程危機的状況にあったのか、また複雑な情勢が少し見えて来て面白い。

高杉の天才的な戦術が面白くこの本も数回目の再読だった。



「世に棲む日々」からのつながりが飛んだ所は戊辰戦争を勝利に導いた官軍側の軍師

大村益次郎の近辺の面白さを思い出したからでありつまり「花神」を読む事になった。

「花神」は主人公の技術屋へ徹している生き様などからも前出の小説より固い感じだ。

これは4回目の再読だったと思うけれど今回は今までで一番良く内容が理解出来たと思う。



「花神」へ行ったらどうしても越後長岡を独立させるくらいの気概で守ろうとして

不運にもその志が官軍側に通じずしょうがなく幕軍に入り賊軍として敗れるに至る

長岡藩家老河井継之介を描いた小説である「峠」が読みたくなった。

彼もまた非常に固い信念で生涯を貫いた人であるだけに文もかなり固く重い。

そんな理由からこの「峠」を読むのは今回で3度目だった。

でも今回は最初の「胡蝶の夢」以来の熱が冷める事なくじっくりと読む姿勢でいられた。



ここで一冊だけ新刊で買った好きな小説家山本一力の本が入るのだけど

それを読み終わった後にもまだ幕末から明治に続いてきたこの読書熱が冷めておらず

維新以後の日本の陸軍と海軍の違いなどを知りたくなり

これはまだ1度しか読んでいなかった「坂の上の雲」全8巻を読む事になった。

1度読んでいたとは言えないくらい覚えていない新しく知ったような事柄が多く見付かり

今回ここまで続けて読んできて初めてつながりにすんなりと気持ちが入り込めるような

すごく得した気分になれる再読の日々であった。



日露戦争についてかなり自分の知らない部分を読めた満足感で

一応司馬遼太郎から離れる事になりその時点を別の面から描いた

吉村昭の「白い航跡」という明治海軍と陸軍がそれぞれイギリスとドイツの医学を

別々に主体として用いた為に起きる派閥闘争的な状態の中で

高木兼寛という非常に優秀な一人の人間が医者として海軍の最高位の医者として

当時まだビタミンが発見される前に脚気を食物からの病気として予防の為に

海軍に洋食中心の食料を導入するという困難に立ち向かった話が読みたくなり

3度目の再読に選んだのだった。



このように私は以前読んだ本の内容を結構覚えている。

もちろんそれはほんの数行だけの文だったり感激したり面白かったり

気に入った部分だけがポンポンと残っているに過ぎない場合が多いのだけど

その面白かった文をもう一度読みたくなったりして再読せずにいられなくなる性格だ。



「白い航跡」の中で旧会津藩の事などが出てきた時に

急に会津藩が朝敵とされて悲惨な戦争で踏みにじられ多数の死者や負傷者を出し

それのみならず下北半島の斗南に移動させられ殆ど不毛の地で大きな苦難に遭うという

明治維新の陰で一生を狂わされた若い女性を主人公として書かれた小説「流星雨」

という津村節子の本を引っ張り出し2回目の再読を今日終えた。



そろそろ頭が疲れてきてるかもしれないのでちょっと幕末明治から

そして歴史小説から離れて頭を休めた方が良いかもしれないかなって思っている。

歴史小説は細かい内容は想像した部分を付け加える事が可能だけど結末など

不幸であろうが死んでしまったり滅びたりする事を変える事は出来ない。

そしてその結末を知っているだけに重く辛い部分が無くせない性質を持っている。



疲れてきた時にはフィクションでいくらでも自由に動き回れる時代小説とかが

私には一番楽になれる小説なのかもしれない、でも現代物の推理小説もSFも好きなのだけど。












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最終更新日  2007年03月16日 01時58分16秒
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