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カテゴリ:気持ち
帰国して早一年半が過ぎ、この生活もしっかりと根を下ろしたような気がしている今日この頃。 安定して何も不安の無い生活だからこそ感じてしまう寂しさがある、などと言ったら苦労知らずが何を言うと叱られてしまいそうだ。 私の黄昏る気分は何時だって子育てが終わってしまった事と関係している。 振り返ればあまりにも夢中で瞬く間に過ぎて行ってしまった珠玉の時間だ。 私の海外での25年7ヶ月の時間は殆ど総てが子供と共有した時間だったからアメリカや香港の思い出と言われれば即子供たちの喧騒が湧き上がって来てしまうのだ。 思えば香港での生活の最後の2年間程は子供達全員が巣立ってしまった後での夫との2人暮らし。 しかも望郷の念が非常に強く香港から出たくて日本に帰りたくてどうしょうもないくらいの焦燥感に苛まれていた。 引越しの頃はそれなりに一生懸命色々やってたつもりだったのに、落ち着いて今振り返って思い出せば情けない程無駄に過ごしたと思える。 心構えがしっかりしていなかった為に見落として処分してしまった物も多い。 でも何よりもあの時間もっとしっかり目を開いて心に写し取っておかなければいけない事が沢山あったように思える。 何か非常にもったいない事をしてしまったような気持ちになるのだ。 10年以上住んで子供達がそれぞれ飛び立って行ったあのマンションへ戻る事は2度と無い。 そして帰国して新生活を始めた今の家は、子供達にとって帰りたい懐かしい思い出の残る場所とは違っているのが現実だ。 日本に帰りたいばかりだった私には帰国する事で子供達が故郷と思う家を無くす事でもあるのだとまでは気が回らなかった。 気付いていたなら同じなくすにしても彼らの為に、懐かしい場所との決別をどういう形にするかまで考えられたかもしれない。 故郷とは親のいる場所だよ、と伝えて育ててきた。 でも懐かしい場所を失くした寂しさは大きいだろうと思う。 自分自身が懐かしい場所を求めて漸く地元に還って来たのだから。 最近はもったいなく過ごしてしまった香港の最後の日々が悔やまれるようになって来た。 帰って暮らしたいとは思わないけれど泣いたり笑ったりして生きていた自分の過去の時間が確実に流れた場所なのだとようやく今になって正面から認める事が出来るようになった。 私はやっと平らに事実を眺めていられるようになって来たみたいだ。 時間は後悔しても戻らない。 だからと言って毎日毎時を一生懸命に生きるなんて堅苦しく面倒臭い事が出来る私でもないのだけど・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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