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くりごと

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2009年04月29日
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カテゴリ:気持ち


とんでもない事になっている。

世界中を巻き込んでいる豚インフルエンザの広がりだ。

今の所毒性が強くないかとは言われているが、このウィルスだって何時どう変化するか解ったものじゃない。

核の威力も恐ろしいが、こういった自然界にある微生物が色々な作用に依って変化して人類の脅威になるのが一番恐ろしいのかもしれない。

もちろんその色々な作用の中には物理的だの化学的だの人間がやっている事が関係している場合も含めての事だけど・・・。






マスコミは騒ぎ過ぎだと言う人もいるけれど、普段のんびりし過ぎている日本人にはこのくらいのショックがあった方が良い刺激や訓練になるかもしれない。

元々日本は清潔な国で、水も土も触れたり飲んだり当たり前に出来る素晴らしい所である。

だけど外国にはそうでない場所が多く、水に関してはむしろ日本のように恵まれた環境は少ないのかもしれない。







私は香港に16年住んでいたので、2003年のSARS禍をモロに体験した。

あの時の周辺の不安、恐ろしさ、日々静まり返る街の様子などが昨日の事のように思い返される。

SARSは物凄く毒性の強い新型ウィルスで致死率がとても高く、かと言って特効薬もワクチンもまだ見つかっていなくて、毎日がおそるおそる息をしているような感じだった。

毎日感染者の数が二桁で増え、毎日新たな犠牲者数が発表された。

狭い香港中、なるべく外出を控えて買い置きをして生活した。

どうしても出なくてはならない場合はマスクをして、帰ればすぐに手をアルコール消毒をした。

観光客は激減し、人口密度の非常に高い街が閑散としていたのを思い出す。

この時以外に香港から観光客が退いたのは、第一次湾岸戦争(1991年)の時だけである。







SARSの混乱の真っ最中に私は病院に勤めていた。

SARSの患者は全て政庁の病院へ隔離されるシステムになっていたけれど、その判断を必要とする患者が何時来るか解らない。

そんな時には医師も看護師も私達スタッフも、使い捨てのマスク、帽子、手袋、靴をすっぽり包む袋、ゴーグルで完全装備をする指示が出ていた。

幸い勤め先の病院には感染者は現れなかったけれど、それ以降も新型ウィルス対策として、マスクの着用は義務付けられてマスクの中が汗びっしょりになり気持ち悪かったのを覚えている。







あの時、多くの駐在員家族が長期の一時帰国をせざるを得なかった。

特に子供を連れた駐在員は、何時まで続くか解らない混乱の中、何時何処で感染するか解らない環境に子供達をずっと家の中に置いておけず、次々と機上に散って行った。

多くの会社がその費用を臨時に負担する処置を取った(その決定に本社はなかなか首を縦に振らず、理解されない怒りに苦悩した人もいた=我が家に)







日本では香港から戻っているという事で、一時受け入れの学校からは2週間の自宅待機を強制された子供達も沢山いた。

そうでなくても香港からと言うだけで、避けられたり拒否されたり嫌がらせにあったりした人は多い。

子供達は学校に行かれるようになってもバイ菌と苛められたり散々な目に遭ったりした。

避難して戻った母国で恐れられたり冷たくされた駐在員家族の中には、その後も随分長くSARSのトラウマが残っていたのは事実である。







私はしょっちゅう里帰りをしていたのと子連れじゃなかったので、その時期でもあまり目立たずに一時帰国が出来た。

周辺の知り合い達が暖かく迎えてくれた事は本当に有難かったと、己の身び幸運を感じる。

私のは何時もの一時帰国でSARSからの避難帰国ではなかったので、まだ混乱の真っ最中に香港へ戻ったのだけど、携帯用アルコール消毒綿は沢山買い込んで帰った。








今回、豚インフルエンザについてもっと深く解明されるまで、社会の不安はどんどん大きくなって行きそうだ。

メキシコから日本人駐在員の家族が一時引き揚げに入っているが、あの頃の香港からの避難家族と同じような寂しい思いをしなければ良いと思う。

皆誰だって訳の解らない病気は怖いけれど、生活全てを一時的にせよ置き去りにして夫や父親と別れて逃げて来る人達は、精神的にもとても不安な中にいる事を思いやってあげて欲しい。









今の時点で無駄にパニックを起こすような騒ぎはするべきではないけれど、出来る限りの情報は得る努力をしておくべきだと思う。

自分だけは大丈夫だとの保証は何処にも無い、自分で出来る限りの予防は心がけるべきだ。

基本は手洗いとうがい!!

小さいようだけど、空気感染なのでこれはとても大きな意味があるそうだ。

癖になってしまえば何の面倒も無い事。







今のところ日本で騒いでもどうしょうもないと思うけど、政府の対応が本当に妥当なのかどうか・・・しょんぼり

怖いのは飛行機の中とかの密室での感染である。

一人が感染者だった場合、飛行機に乗り合わせた人々全員がその危険に晒されるからだ。

今のように人々が世界中を縦横に飛び回る時代には、思いがけない速さでウィルスが蔓延してしまう。

幸いな事にメキシコは閉ざされた国では無いので、これから様々な情報が出る事だろうと思う。

(SARSの発症地が中国だったので、情報公開がひどく遅く香港はその不手際に巻き込まれたと言っても良いと思う)








早く解明される事をひたすら祈るばかりだ。

そしてこれが上手く治まったなら、何時起きるか解らない新たな他の感染症に関しての良い経験となって貰いたいものだ。






ぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱー




付け足し余談だけど・・・SARS以降の香港は本当に変わった。

以前多かったような不潔な公衆便所が無くなったし洗面所の水道はセンサー付きの自動になった。

地下鉄MTRを始めあちこちのエスカレーターのベルトは毎日のように消毒清掃されるようになって、ずっと清潔な街に変わった。

沢山の店頭や会社の入り口にはスプレー式のアルコール消毒薬が置かれていて、誰でも何時でも自由にそれを使って手を消毒できるようになっている。

相変わらず勘違いされているけど屋台の食べ物屋は殆ど消え、例えあっても普通の香港人は寄り付かない。

昔のような猥雑さが減ってきて面白味が少なくなったと言う人もいるだろうけど、衛生面が改善された香港はとても気持ちの良い環境に変わりつつあるオーケー











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最終更新日  2009年04月29日 18時37分58秒
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