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カテゴリ:気持ち
朝、駅のホームへの階段を下りて行ったら何かが落ちていた。 階段とエスカレーターの間の空間で、ホーム上だけどちょっと天井が斜めになった感じの場所に。 何やら丸い。 コロンと小さい丸い物が前方に転がっている。 ロールケーキ チョコレートロールケーキ、白いクリームが「の」の字みたくなっている。 それが一切れ転がっていた。 しかも一番外側の周囲半分が無くなっていて、その部分だけクリームが外側に出ている状態。 何で駅のホームにロールケーキが一切れ・・・・・ 誰かが朝食の変わりに食べようとしていたら、電車が来たのでしょうがなくそのまま立っていた場所に置いて行ったのだろうか。 もったいないけど誰かが拾ってくれるかと思ったのだろうか。 まさかアリが行列作ってデカイ獲物を運んでいたけど、線路を渡ってホームに登った所で力尽きて諦めた訳じゃあるまいし 誰か拾う人がいるのかと、隠れて見張っている人がいる様子でもなかった 見上げると鳩が何羽も屋根や電線の上に見える。 もしかして鳩にあげようと思って、本当は全部食べたかったのに置いていってあげたんだろうか。 でも、外側が少し剥げたロールケーキだとは言え、ちょっと大き過ぎて運べる代物じゃないよ じゃぁカラスがどっかから持って来て、食べ出したら電車が来たか人に追い払われたかして置いて行ったのだろうか きっとそのカラスは置いて来たケーキを思い出して、近くを飛び回って残念がったに違いない どうして外側を剥がして食べたりしちゃったんだろうと後悔していたかもしれない。 嘴に刺して高い場所にでも持って行って、ゆっくりと食べたらさぞ美味しかっただろうにと思ってるかもしれない それとも仲間に横取りされるといけないから、わざと人が行き交う場所を選んで「独り占め」する喜びで一杯だったという見当違いだったのか・・・。 でもカラスじゃなくて、人が一口食べた途端、誰かにぶつかられて手からポロっと落ちてしまい、人目があるのでまさか拾って食べられないので知らんぷりして置き去りにしたのかもしれない なんでもっと一口で大きく頬張って食べなかったんだろうと、その人は電車に揺られながらずっとロールケーキの残り味を口の中に感じながら考えていたかもしれない。 何時もだったらバニラの普通のロールケーキなのに、今朝に限ってチョコレートのロールケーキにしたから、つい夢中になって食べようとして後ろを歩く人にぶつかってしまったのだろうか。 きっとその人は、駅のその場所を歩く度に思い出すんだろうな。 買った値段の4分の1も食べてなかったから、損した金額を何時も思い出すに違いない。 それとも「もったいない」とか「残念だ」とか考えるより、そこに置き去りにして電車に乗ってしまった自分を「エコじゃない」と責めたりしてるかな 誰も気にしていないようで、決して踏みつぶされていないという事は、みんなちゃんとロールケーキを目に入れて、除けて歩いていたって事。 誰もどうしてって不思議に思って考えなかったんだろうか ずっと私は考え続けてしまったよ だってあまりにも不思議でミスマッチな光景だったもの お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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