壇 一雄さんは昭和初期の文壇を賑わしたお一人です。
同時代の作家で盟友だった
太宰治さんとは対照的な作家ですね。
代表作に
「火宅の人」という私小説があります。
ご子息の
壇 太郎さん、お嬢さんの
壇 ふみさん共に有名ですね。
その壇 一雄さんが書かれたのが「壇流クッキング」とうい本です。
所謂料理本とは一線を画しており、食文学とでもいうのでしょうか、世界中を旅して各地の市場をあさり、どこに行っても手料理を楽しむという当時としては(今でもかな?)画期的な文人です。
初版は昭和50年11月なので相当古い本ですが、彼の食に対する執念というか素材を生かした手料理は時代を超えて私たちを台所に向わせるオーラがあります。
もちろんレシピも沢山載っています。
おからを使った「大正コロッケ」などは現代の健康食として喜ばれそうです。
文学として読むもよし、料理本として役立てるもよしの有難い本です
文庫も出ていますから嬉しいですね