春が待ち遠しくて、春のうたをさがしてみました。
いはばしる垂水の上の早蕨の 萌え出づる春になりにけるかも
いはばしる たるみのうへの さわらびの もえいづるはるに なりにけるかも(志貴皇子・万葉集1422)
「滝のほとりに蕨も萌え出て、ああ春が来たんだなあ」
谷風にとくる氷のひまごとに 打ち出づる波や 春の初花
たにかぜに とくるこほりの ひまごとに うちいづるなみや はるのはつはな(源当純・古今集12)
「谷風に融けた氷の隙間から、波は花びらのように飛沫を上げる」
君ならで誰にか見せむ 梅の花 色をも香をも知る人ぞ知る
きみならで たれにかみせむ うめのはな いろをもかをも しるひとぞしる(友則・古今集38)
「この梅の花の良さが分かるのはあなたを置いて他にない」
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「知る人ぞ知る」って成句はこの句から来ているらしいですね。
春の野に菫摘みにと来し我ぞ 野をなつかしみ一夜寝にける
はるののに すみれつみにと こしわれぞ のをなつかしみ ひとよねにける(山部赤人・万葉集1428)
「野には菫を摘みに来ただけなのに、離れがたくて一夜過ごしてしまった」
色も香も昔のこさににほへども うゑけん人のかげぞ恋しき
いろもかも むかしのこさに にほへども うゑけんひとの かげぞこひしき(貫之・古今集851)
「梅花は色も香りも昔のままなのに。植えた人にはもう会えない」
管理人注釈:以前
chouxさんのブログの日記コメントにこの歌を書きたかったのですがその時は思い出せなくて書けなかったのでした(笑)肝心な時に思い出せない悔しさを今晴らしています(ノ▽゜)
春のうたは他にも沢山あるのですが、長くなるのでこれくらいで。