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カテゴリ:現代詩ーネオテニーな
85歳の父と
80歳の母が ぼくには 居る 家族に戻ろう プロジェクト というのを考えた ぼくは 18歳のとき 家族を 離れた 違う空間に ぼくは 居た 違う空間を ぼくは 求めた そうして 34年間が 過ぎた 過ぎたんだ 85歳の父と 80歳の母が ぼくには 居る 52回目の 母の日に 花を贈った 52回目の 父の日に 花を贈った 花の生きている 息する 艶めかしさを ふたりに 贈った 母から弾む声が 届いた 父から葉書もきた 「長生きは するものですね」 「毎日の 生活を 大事にするものですね」 と書いてあった ぼくは はっ と 思った 寡黙な父から 聴こえてきた こころの 声 家族に戻ろう プロジェクト 妹の人生は ぼくの知らないことだらけ そんな妹も 子供たちが成長し やっと ひとりに なれた ぼくも 妹も いまは ひとりずつ だ 違う空間で 生きている 妹が 16歳で ぼくが 18歳 なんて幼い時に 別れちゃったんだろう 血が 繋がっている のに なんて幼い時に 別れちゃったんだろう 家族に戻ろう プロジェクト リスクは ある けれど ぼくらは 愛に 生きることも できるんだ 空間を 取り戻す 同じ空間に 生きる 生活する 長生きの 意味を 手にする 死期が 近づいてきたら 同じ空間に 居たい そう 切に願う 同じ空間でこそ 伝わるものも ある あるんだ 家族に戻ろう プロジェクト 実行委員は この ぼくだ 違う空間を 選んだ この ぼく なんだ 空間を 替える ならば 注意 せよ と もうひとりのぼくが いう 逃げるな 苦しさから逃げるな 逃げたくなると きっと 愛を言い訳に使う 愛に 立てこもる そうならないように 気をつけろ ぼくは じぶんにいいきかす 気をつけろ 愛に立てこもるな そうして ひとの所為に するな じぶんで 選択せよ 責任を持て 愛に逃げ込むな 責任を 持て ぼくは いいきかす 家族に戻ろう プロジェクト このまま 拡大できるといいんだ 逃げないで このまま 家族が 拡大できると よっぽど いいんだ 空間を 埋める には もう あまり 時間がない 空間を 埋めたい 埋め尽くしたい いますぐにでも 時間のように 過ぎ去っていく ぼくは 空間に 足跡 残っているのか 埋め尽くしたい ぼくの 足跡で 空間を 同じ空間に 父が 居て 同じ空間に 母も居て 同じ空間に 妹が 居る ぼくが 埋め尽くす ぼくの足跡が 埋め尽くす 違った空間 それぞれの空間 埋め尽くす 埋め尽くす ぼくの 足跡が 空間に 空間と空間のあいだに 埋め尽くされて 家族に戻ろう プロジェクト もう 時間が ないんだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/30 05:21:26 AM
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