テーマ:最近観た映画。(40129)
カテゴリ:映画(う)
今回の一言 道徳の授業で観るやーつ。 1991 日本 戦争、アニメ 監督 有原誠治 Voice 三輪勝恵 池田昌子 若本規夫 野沢雅子 ストーリー 昭和15年、東京の下町・本所(現・東京都墨田区立川3丁目)。 この町で代々続く釣竿作りの老舗「竿忠」。 この家の4番目の子供であり、長女の香葉子はまだまだ甘えん坊の小学校1年生。 1番上の大兄ちゃんは、すでに父ちゃんから家督を継ぐ為に仕事を教わる日々。 2番目のちい兄ちゃんは本を読んだり、勉強するのが大好きで将来は学者にでもなれそうだった。 3番目の喜兄ちゃんは、近所でも評判のガキ大将だったが、香葉子にはとても優しく、香葉子がいじめられるといつも飛んで来て守ってくれていた。 父ちゃんと母ちゃん、ばあちゃんと3人の兄ちゃん達に囲まれ、香葉子は幸せな日々を送っていた。 しかし昭和16年終わりにもなると、鉄製のキッチン用具や貴金属、セルロイド製の人形などはすべて太平洋戦争の武器の材料になるとお国の為に提供する事になる。 昭和19年になると学校で「疎開先」を決める様に言われ香葉子は静岡・沼津の親戚の家に行く事になった。 そして昭和20年3月9日。 沼津でも空襲が起き山へ避難する中、東京は集中的にやられたと聞く。 山頂から見た東京の空は一面真っ赤に染まっているのだった...。 感想 子供も観れる戦争アニメというと「火垂るの墓」が1番メジャーかなと思いますが、あちらよりはこちらの方が良いと思います。 「火垂るの墓」は子供の頃かなり怖くて、(特にお母さんが全身包帯のシーン)内容は頭に入って来ず、とにかく怖くて悲しいという印象しかないです。 比べてこちらは残酷な描写はゼロです。 しかも空襲になる前の、平和だった頃の日常生活の描写が多いです。 その為、空襲後のシーンが短く、あっけない感はありますが、実際に疎開していた子供達からしたらそんなものだったのではないか?と思うのでリアルだと思います。 空襲中、東京に居なかった加代子は、全てを想像するしかなく、再び戻った実家は一面焼け野原で何も残っていない。 思い出すのは楽しかった、平和だった過去。 しかしこの作品は、「火垂るの墓」と違い、終わりはとても前向きに描かれています。 まぁ個人的に「火垂るの墓」は全てから目を背けて、清子に依存した結果、清子を死なせて自分も死んだっつー話なので、戦争だけが悪いという作品ではないと思うのです。 (詳しくは「火垂るの墓」を読んでください) その点も「戦争」という時代の波に呑まれた1家族の物語を香葉子の視点で描いた作品で、辛い事ばかりだったけど、家族が愛してくれた記憶を忘れずに前を向くという成長物語となっていて良かったです。 ただし映画という観点から見ると、あまり楽しめなかったなとは思います。 そもそも私は戦争映画自体あまり好きではないです。 どの作品も観終わった時に「あー楽しかった」とはならないので。笑 そして、まるで道徳の授業で観るかの様な、生真面目というかNHKとかでやってそうな作品です。 「子供向け」前提というのがよくわかるほどに、残酷描写もゼロですし。 なので「戦争」を子供に教えたいのであればこの作品は「火垂るの墓」よりはるかに良いと思います。 マイルドで、でも戦争の恐ろしさや、何が残るのかといった重要部分は伝わります。 面白かったのは鉄製のキッチン用具や貴金属、セルロイド製の人形を提供するシーン。 これは意外と知ってそうで知らない人も多いのではないでしょうか? また香葉子が「♪あ~おいおめめのお人形は~アメリカ生まれの~セ~ルロイド♪」という童話を歌うのですが、私もこの歌聞いた事はあります。 しかし戦争に入ってから、学校ではこの歌を禁止と教えていて、香葉子はこの歌が好きだから歌ったのに、友達がざわつくシーンがあります。 このシーンもなかなか面白いです。 こーゆー日常生活の描写が、面白かったと思います。 my評価6点(10点満点中) 概要 原作は日本人エッセイスト、海老名香葉子の同名児童文学作品。 太平洋戦争中の自身の体験を小説化したものである。 東京都平和の日記念事業参加作品。 日本PTA全国協議会、優秀映画鑑賞会、厚生省中央児童福祉審議会推薦作品。 東京都知事推奨作品。 そして文部省選定作品である。 香葉子は沼津の親戚が石川県へ疎開する時、中野の別の親戚の家に預けられ、その後は作品には描かれていないが、親戚中をたらい回しにされている。 そんな中、父の知人の3代目三遊亭金馬に引き取られ、落語の世界へと進む事となる。 やがて7代目林家正蔵の実子、初代林家三平と結婚。 長女・海老名美どり、次女・泰葉、長男・9代目林家正蔵、次男・2代目林家三平と4人の子供をもうけ、落語一家のおかみとなった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.09.24 13:58:04
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