・昨日、久しぶりにシャギリ笛の練習に行った。今だに2分程度ある諏訪入りの指使いが板に付かない。Hさん宅へ15分早めに行き、ほぼマン・ツー・マンで繰り返しやるのだが、40を過ぎたせいか覚えが悪くなっているのは否めない。
6月に入ると打ち込み、いよいよ長崎くんち本番へのカウントダウンとなる。現にHさんより大まかな組み合わせが言い渡された。私の頭領は以前、浮立でもお世話になったIさん(笛を始めて3日目で「お、音の出とるやっかね」と言ってくれた人)。どちらも教え上手で人当たりの良い人ではあるが、少し怖い存在でもある。
長崎くんちは初めての参加ということもあり、締太鼓担ぎだ。そこはIさんの事「おい音ん出んけん、ちょっと吹いてくれんね」と、急にこちらを向いて言われそうなのがある。ある人の説によれば、伝統芸能の難しさというのは単純であればあるほど奥が深い、指の使い方はほぼ1年くらいであがってしまうらしい。しかし、そこから先が長い。
以前読んだ『白洲正子自伝』の中で、杉山立枝という名人は「大獅子」という特別に太い笛をいとも簡単に吹き、鶯まで呼び寄せ競い合うように鳴いたので、名人の芸はさすがに違うと書かれてある。私のような素人には到底及びもつかないくらいだ。そこまで行きつければ笛吹きとして一流なのだろう。
翻って私なんぞはデジカメはやるわ、ホームページは作るわ、歴史散歩するわの三拍子以上で、果たして笛はどこまで行き着くことやら。と、今日もキーボードに向かい、練習もしないで何を言ってんだかナと思われている人に成っている。
付記:シャギリには譜面がありません。統べて口伝で伝えているとのことです。笛は7穴を使います。道中・諏訪入り・片シャギリ等で旋律が異なります。(5/13追加修正)
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