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ほんの小さな物さえ、僕は直すことができない
元に戻すどころか、似た形にすら、することができない お揃いの携帯ストラップ お気に入りの携帯ストラップ 大切な携帯ストラップ 大学の推薦試験を受けに行った彼女が、お土産に買ってきた 「お土産買って帰るね」 そうメールが着たときは 「別にいいって」 遠慮がちに返した それでも彼女は、試験に疲れているだろうにわざわざ買ってきてくれた もらったときに、お揃いだと言われて、とても嬉しかった 買ってきてくれて、やっぱりよかったと思った さっそくつけて、彼女と携帯を触れさせあった 嬉しかった 大切にしようと思った 金曜日にもらって、四日目の今日、月曜日 携帯ストラップがいきなり壊れた ショックだった 大切にしようと思ってからどれくらいたった? まだたったの88時間くらいのころだったか 突然の出来事に、頭の中は真っ白になった 硬直した 次に意識がもどった時は、飛び散ったパーツを探していた よかった、一番繊細なところは壊れていない なくなったのは繋ぎのリング ただの鉄の塊だ けど大切なストラップの一部だ それだけ見つからなかった 放課後の補講 彼女にあわせる顔がなかった 逃げ出したかった 彼女と公園まで、友達に見つからないように、遠回りで散歩 壊れるまでのいきさつを話した 僕のせいじゃないと言ってくれた 物はいつか必ず壊れる、と それに壊した要因は僕ではなくその友達だから、と それでも何か悔しくて、落ち込んでいた 「また買ってきてあげるから」 「今度は何色がいいかな」 すこし楽しそうな君 でもそういうことじゃないんだ たったひとつのこのストラップだからこそ意味があるんだ 君がくれたストラップ 最初のたったひとつのストラップ それでも彼女は、またお揃いのストラップを買ってくるだろう 同じ色?別の色?まぁなんでもいいさ 君と同じなら でももし新しいのを買ってくるなら この壊れたストラップを忘れてしまいたい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 26, 2007 10:15:52 PM
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