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「雇われない生き方」実践レポート

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November 7, 2005
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カテゴリ:自分流生き方
(わずかにネタばれありますので、原作をご存知ないかたはご注意願います)

実は映画「春の雪」を観にいきたいのです。 しかし、困っています。
誰と観にいくか・・・が問題です。

決して群れたがるタイプではありません。 どちらかといえば単独行動が好きです。 しかし・・・・ひとりでは・・・

●ネットバンキング決済・コンビニ後払いも可能!春の雪 ~清顕と聡子の追想物語~

「春の雪」が観たいのは、竹内結子のファンだからでも、主題歌を歌っている宇多田ヒカルのファンでも、ましてや妻夫木のファンだからでもありません。

三島由紀夫作品だから。
それも、三島が輪廻転生をテーマにした「豊饒の海」4部作の第1巻だからです。
学生時代、この小説を読んで、「三島は果たして輪廻を信じていたのだろうか・・・」という疑問が残り、クーデター未遂後の自決と結びつき、今でもその疑問を引きずっています。

70年代初め、まだ学生運動の盛んな頃、どちらかといえば左がかった学生でした。 三島は我々から見れば右翼でした。

しかし、「金閣寺」で捕まってしまいました。
以後、読み漁りました。

さて、「春の雪」  ですが、先ほど書いたように 「豊饒の海」 4部作の一巻目です。
第一巻「春の雪」
第二巻「奔馬」
第三巻「暁の寺」
第四巻「天人五衰」 と続いていきます。

各巻の主人公は、愛に死んでいった清顕と、クーデターを計画しそして自ら命を絶った勲と、タイの姫ジン・ジャンと、悪の象徴ともいうべき美少年 透とが「同じ魂」として輪廻転生して生きてきたかのように描かれていきます。



「豊饒の海」四部作は、第一巻「春の雪」主人公顕の学友、本田繁邦の視点で語られていきます。 3巻目あたりからは本田が主人公の様相を呈してきます。

「春の雪」は清顕と聡子の許されない恋を描いたものですが、学友本田は60年後、四巻目で尼となった聡子と再開します。


「松枝清顕さんという方は、お名をきいたこともありません。そんなお方は、もともといらしゃらなかったのと違いますか?」

「それも心々ですさかい」 と80歳を越えた聡子は語ります。 

 第四巻目にこう書いて、三島は「豊饒の海」を締めくくっています。

 この庭には何もない。記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまつたと本多は思つた。  庭は夏の日ざかりの日を浴びてしんとしてゐる……  

本来は全四巻全体で壮大な輪廻思想を問うた作品なのです。

三島は昭和45年11月25日、四巻目の「天人五衰」の書き終えたその日、自衛隊市ヶ谷で盾の会のメンバーとともにクーデターを企て自決していきます。

死後、刊行された第四巻「天人五衰」が前の3冊に比べて、分量も少なく分自体にも三島の絢爛とした美しさがとぼしい感じを受け、三島の死に急ぐ姿を感じるような気がし、寂しかったことを今でも覚えています。


そんな三島の遺作が映画ではどう描き始められているか・・・と、強く引かれているわけです。


しかし、聞くところによると、恋愛映画となってしまったため映画館はカップルばかりとか・・・・
ひとりでカップルの渦に巻き込まれる勇気はありません。
さりとて・・・誰といこうか・・・
いささか悩んでいます。






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最終更新日  November 7, 2005 06:25:33 AM
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