納豆、テキーラ、Ｒ＆Ｂ

 『Lost & Found 2』 (’０７)　

　bilalのmyspaceで聞くことの出来る“High & Dry”という曲が、聞いているだけで自然に涙がホホを伝ってくるくらいスバらしい“胸にこみあげソング”だったので、何とか入手できんものかと調べてみたら、今回ご紹介するコンピレーション・『Lost & Found 2』に収録されていることが判明。
　“埋もれてはいけない作品がそこにはある・・・”をキャッチフレーズに、『Lost & Found 1』ではHIPHOPの選曲だったようですが、今回の『Lost & Found 2』では“HIPHOP寄りなネオソウル”が中心になっています。

　収録曲は以下の通り

　01．Pete Kuzma & bilal “High & Dry”

　02. GB feat Steve Spacek “Simply So”(Sa-Ra Remix)

　03. Dudley Perkins “Flowers”

　04. Exile “Lullaby”

　05. Rae & Christian “Hold Us Down”

　06. Timbe Lockhart “Mr.Johnny Walker”

　07. D'angelo “Me & Those Dreamin' Eyes Of Mine”
       (Jay Dilla Remix)

  08. Dwele “E.V.E”

　09. Bilal Salaam “Blah”

　10. Bottom Fly “You're So Beautiful”

　11. Platinum Pied Pipers “Open Your Eyes”

  12. As One “I Love You”

  13. Aloe Blacc “I'm Beautiful”

  14. Mahya “I Try”

  15. Changing Faces “Keep It Right There”
       (Salaam Remi Inst)

　オイラが思わず涙してしまった一曲目を飾る“High & Dry”って曲、実はＵＫのロックバンド・Radiohead(見た目に反してトム・ヨークにはかなり骨太なイメージがあります)がオリジナル。
　Radioheadの楽曲をクラブ系のアーティストがカバーするという企画盤『Exit Music:Songs For Radio Heads』に収められていた曲をこちらにも流用したようです。
　DJ Jazzy Jeff中心の音楽集団“A Touch Of Jazz”に属するキーボード奏者、Pete KuzmaがBilalをヴォーカルに、極上ジャジー・スムーズ・ソウルに大胆アレンジ！これは一聴の価値アリです！ホントたまらん！Pete Kuzmaプロデュースに関しては、ラヒーム・デヴォーンの１ｓｔ収録の“Is It Possible”って曲も相当良いデキでした。

　２曲目“Simply So”は、LAのプロデューサー、ＧＢの『Soundtrack For Sunrise』(’０４)からのシングル。
　ＵＫの異色エレクトリック・サイケ・ソウルバンド「Spacek」のヴォーカル、Steve Spacekをフィーチャー、Sa-RA Creative Partnersによるリミックスで、奇妙かつファニーなビートにホーンが乗っかり、ナゼか暖かみを感じさせる一曲。コレも聞き逃し厳禁！

　７曲目はディアンジェロ(最近ようやくヤル気を出し始めたらしい)の大傑作１ｓｔ『Brown Sugar』から、ブートで出回っていたJay Deeによる超絶リミックス！今回初ＣＤ化らしいです！ありがたや！

　８曲目は前述したSpacekのデビュー曲“E.V.E”を、楽曲提供したDweleがセルフカバー。これもJay Deeによるビート！燃え尽きるほどヒート！

　９曲目“Blah”はラヒーム・デヴォーンのワシントンＤＣの盟友、Bilal Salaamのデビュー曲。さっきのBilalとは別人です、念のため。ヤツらの得意とする、“モタモタ＆ズレズレビート”が心地よく体を揺らしてくれます！

　１１曲目はデトロイトのPPPのワジードのビートによるボビー・コールドウェルのカバー、ヴォーカルはDwele。前日紹介したDweleの３ｒｄでもこの曲歌ってて、ヴォーカルはほとんど同じだけど、ドラムはこっちの方が“軟らかめ”で、Dweleの方が“硬め”。

　１２曲目“I Love You”は、HIPHOP勢から相当な支持のあったジャズピアニストWeldon Irvineの『Simbad』(’７６)でドン・ブラックマンが歌っていた人気曲のカバー。これもイイですけど、それはやっぱなんと言っても良すぎる原曲のお手柄。“Open Your Eyes”も然り。

　１４曲目“I Try”はメイシー・グレイの曲で、Jay Deeによるリミックストラックをそのまま使って日本人のMahyaというシンガーが歌ったモノ。
　ちなみに４曲目のExileは日本のヤツとは違います、コチラも念のため・・・。

　そしてラストは、９０年代後半に活躍した女性デュオ、Changing Facesの“Keep It Right There”、“息の長いプロデューサー”・Salaam Remiによるリミックスをインストゥルメンタルで。極甘！

　“デトロイト臭”＆“アングラ臭”が強めですけど、“真に聞く価値のある”曲が多く収録されてます！

　ネオソウル系がツボな人だったら聞いて絶対ソンはしない、極上のフィーリングをもたらしてくれることウケアイの一枚！