カテゴリ:音楽ネタ
Q-TIP 『THE RENAISSANCE』 (’08)
HipHop史上、確実に上から数えたほーが早い、おそらく10本、いや5本の指に入るグループ(5組挙げろと言われれば、それも難しいですが)、A Tribe Called Quest解散後、その中心だったQ-TIPがソロデビューアルバム『Amplified』を発表したのが1999年の事・・・。そして正式なニューアルバムとしては9年、何と9年ぶりに2nd『The Renaissance』を遂にリリースしてくれました。 ’02年に完成していた“事実上の”2ndが、「ヒットは難しい」と所属レコード会社によりお蔵入りにされてしまったり、移籍先のレーベルが閉鎖されたりと、イロイロ大変だったよーですが、独特な“Qサマ節”の恩恵にあずかりたい他アーティストや若手にフィーチャーされる事も多く、相変わらず“HIPHOP界のメンター”的存在ではあり続けてくれました。 1st『Amplified』は、制作の大部分に関わったJay-Dillaや、Qさん本人もクリエイティヴィティ的に最もトンガってた頃だったので、9年たった今聞いてもまだキレがあります。個人的にHIPHOPがピークだったと思う時期の作品だからかもしれませんが、“長年の鑑賞に堪えうる”という傑作の条件を十分に満たしています。
そしてこの新作は、Jay-Dillaの置き土産となる“Move”(日本盤はボーナストラック“Feva”も)以外、すべてQティップ本人によるプロデュース。 だけど、聞いてると、何かホンのチョっとですけど物足りなさがあるんすよね・・・。オイラが「おおッ!コレだよッ!」って思ったシングル“Work It Out”が収録されてなかったからか(買ってから気付いた!)、過剰に期待しすぎていたのか・・・。 音楽業界や世界状況を憂える曲や、HIPHOPを振り返る曲、「待たせたな!」的にカムバックを宣言する曲、そんな大人目線の曲が多い・・・、そう、この9年間で、2枚目のアルバムにしてモハヤ「円熟期」に入ってしまった感があるんスよね。 自身のサイトでは、おそらく“攻めすぎ”でお蔵入りしちゃった幻の2ndの発売をレーベルに訴える署名を集めたりしてるそうですが、ソレやこの9年間で発表されなかった曲が聴ける日がきて、この間隔を埋めることができればすべて“納得”できるかもしれませんが。
この新作で聞いて血圧&体温が瞬時に上がったのは“move”だったけど、「愛の為の戦い」を歌った、ラファエル・サディークが参加した“We Fight / We Love”、ノラ・ジョーンズ(!)がイイ声を聞かせてくれる、「HIPHOPで人生ずっとマシになった」と強いHIPHOP愛を綴った“Life Is Better”なんてもうホントにステキでした。ジャズの歌手が、「JAZZの孫」に当たるHIPHOPのビートで歌っても当然違和感なんてモンはないですね。 ディアンジェロが参加した“Believe”は、未発表曲集『Abstract Innovations』に入ってたのとは別ミックス。“Feva”、“Johnny Is Dead”もそれとは別。“The Official”は同じっぽいですね。
☆Qさん独特Voice & Flow☆ ↑新作『The Renaissance』からの1stシングル。 Qさんらしいオシャレラブソング。70年代のNYのグループ、Black Ivoryの“You & I”ネタ。シャア・アズナブルみたいな服着てるね・・・。 ↑同じく新作より。 Dilla!Dillaッ!!Dillaァ~ッ!!! Jackson 5の“Dancing Machine”ネタ。
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