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『AIRTIGHT'S REVENGE』 (’10) Bilal
前回、ドウェレの新作紹介で、「採算度外視」って言葉使いましたが、ビラルの9年ぶり(!)の新作、これこそかなりの「採算度外視」っぷりなアルバムになってましたよ! まずジャケット写真がまたカッコよろしいではないですか・・・。かつてKRS-ONEも引用した、ライフルを手に持ち、外の様子を窺うマルコムXの有名な写真が元になってますが、ビラル氏の場合、ライフルをマイクスタンドに持ち替えています。向かってくる世の中の悪意に対し、銃ではなく、マイク一本で対峙する姿勢は「俺の歌で説き伏せてやるよ・・・」とでも言ってるかのよう。アーティストとして、歌に対する本気の決意が見て取れます。
2001年に超豪華な制作陣(Dr.DreやJ Dilla)で世に送り出された1stアルバム『1st BORN SECOND』は、このテのサウンドの好事家からかなりの絶賛と支持を得て、その勢いをキープしたまま2nd『LOVE FOR SALE』が出されると思いきや、音源リークと、レコード会社による「ヒット狙えない内容」の判断でお蔵入りにされるという憂き目に・・・。
そうとう落ち込んだそうですが、それをバネに、ようやく完成させた新アルバムのタイトルは『AIRTIGHT'S REVENGE』。「Airtight(つけ入るスキのない完璧な)」とは、コモンが付けたアダ名で、「Revenge」に関しては、攻撃的な意味はないそうです。
出来上がった音楽はもう、かなり奇ッ怪!放たれる異彩!ビラル座長の“変態歌劇(エキセントリック・オペラ)”が咲き乱れてます! アクが強いけど、それがクセになるってェ話です!ビラル本人は“ダークな感じ”と言ってますが、“負”、“ネガティヴ”な感じは全くしませんよ。 1stでも相当に“変態度”が高い感じでしたけど、今作でもそれに更に磨きがかかってます!
プリンスやマイルス・デイヴィス、ビョークみたいに、そのアーティストの名前そのものが、その人の音楽のジャンルに成り得たように、これからさらに“つきつめた”内容の、時代の壁を“突き抜けた”作品を完成させれば、ビラルの音楽ジャンルもデビュー当時に一括りにされた「ネオソウル」から解放され「ビラルの音楽」になるのでしょう(今作でほとんどそうなってるけど)。
☆PLAY LOUD !!!!☆
Bilal “All Matter”
↑新作より。イイすね、この曲! アルバムにはNottz、88keys、Shafiq Husayn(Sa-Ra)、Steve Mckieらが参加。
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Last updated
Oct 16, 2010 02:12:05 AM
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