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さて、この度の旅行の真の目的は 安曇野薪能で「犀龍小太郎 さいりゅうこたろう」を観に行くこと。(安曇野市HPより) 日本昔話のオープニングででんでん太鼓を持った子どもを乗せた龍が にょろ~んと雲の中を泳いでいる映像を思い出してください。
そのお話です。 (かつて息子が「おかあさん、長いワニだね」と感心していたネタがありました。) 来年の春、京都にて大学のOB・OGと出す曲で、 幸運にもさるちゃんがシテ(主役)に選出されました。 お能は沢山の曲があるので、これが見たい!と思っても、其の年には出なかったり、 この曲はここでしか、という限定物も数多くあり、なかなか出会うことが難しいです。 まあ、歌舞伎でも演劇でも同じことが言えますよね。 加えて、この犀龍は、さるちゃんの師の創られた新作能とあり、 誰でもよっしゃ、やったるでとは行きにくい曲です。 そこで随分前からこの旅行は予定されていたわけです。
しかし、そこはさるちゃん。降らせましたよ、雨を。 会場に着くと霧雨の中、開場。 大学の旧友にも出会い、初めて子供たちを披露(さるちゃんに激似でびびってました?)したり、おやつを与えたり、雨は止むどころか、ひどくなりそうで・・ 「よし、息子、娘。公園に行こう!」 さるちゃんが子どもたちをすぐ近くの公園に連れ出しました。 すると、あわや中止かと思われた雨は、なんと一旦止んだのです。
雨男のさるちゃんが会場を離れ、晴れ男の息子の機嫌をとったためだと推測されます。
そして開演。 さるちゃんが戻ってきたので、また霧雨が・・ しかし、なんとか持ちこたえ、最終的にねずが息子たちを後ろで遊ばせるようになると === 雨は止みました。
おそるべし、晴れ男よ。おまえ(息子)の機嫌で天気が変わる!?
そして犀龍。 演者はほぼ京都の先生方で、ねずはとても懐かしく楽しく堪能できました。 演出もさすがプロと唸らせる技術と経験でした。 子どもたちは蝸牛=かたつむりの狂言が気に入ったみたいで 途中トイレにいく道中、かたつむりの謡を謡って踊りながら移動してました。 最注目の犀龍も、一生懸命「あれがおかあさんりゅう? 小太郎はいつ大きくなったの?」と理解しようとしてました。 小太郎と犀龍(母龍)が力を合わせて岩を砕こうとしても叶わず倒れていると 父龍の白竜王が出てきました。 そのシーンが実は大盛り上がり。 子:「あれは誰?おじいちゃん?」 ねず:「いやいや、お父さんの白竜王だよ。白いでしょ。はく、は白っていう漢字なんだよ」 子:「おかあさんが倒れたから、お父さんが助けに来たの?」 ねず:「きっとそうだよ」 子:「うちといっしょだね。」 子:「お父さん、がんばれ~」 子:「お父さんきっと強いから」 白竜王、一撃で岩を大破。すぐに幕に引っ込む。 子:「あー! お父さんもう帰るの!?」 ねず:「うん。そうみたいだね」 子:「なんで、もう帰るの!?」 ねず:「え、用が済んだからじゃない?」 子:「え~~~~~!?」
なんで、ええ?なのか? みんなでご飯でも食べるシーンがあるとでも思ったんですかね? お父さん龍にこだわりを持ってしまった子どもたちでした。
さて、この犀龍という曲にはもう一つの楽しみが。 それは狂言方をフンダンに使われていること。 普通は間狂言 あいきょうげん といって能の前半後半の間を務めるのが狂言方の役割なんですが、犀龍の場合は最初から最後まで狂言方が話を進めてくれます。 さらに間狂言の役割もしっかり担っており、川に住んでいる魚たちの 奇妙でおかしなやり取りが見所です。 今回も つかみはオッケイ! の間狂言でした。
さて、無事に薪能は終演し、また霧雨が降り始めました。 沢山の方とご挨拶し、宿へ帰りました。 雨の降る中、子どもたちと立派な露天風呂を 貸しきり状態で堪能し、部屋に戻り外を見ると・・なんとも言えない気分になりました。
新潟出身のダチョウに似た旧友に「明日は雨」と言い切られてしまった。
すると息子が言いました。 「明日はきっと晴れると思うよ! お山に行こうね!」
降り続く雨、子どもたちの寝顔、そしてさるちゃんの台詞。 「僕は目的を達成できたから、明日はねずの行きたいところに行こう。まかせるよ」 薪能から雨雲を払いのけてくれたねずたちに感謝しているらしかった。
う~ん。 ねずは悩みながら床につきました。
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