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~はればれといこう~ 子育てはハンディじゃなくキャリア!はたらくを創造しよう。☆cherryの日記。

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2009.01.15
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いつもは旦那が朝持っていってしまう日経新聞なのですが、大阪出張で不在なので今日は手元にありました。

で、目についた記事が「やさしい経済学~経営学のフロンティア」というコラム。
このコラムけっこう好き。
こうやって朝たまたま手元にあるときよんでるのですが、今日はヒットでした。


タイトルは「技術経営の真髄と価値創造」です。

**

私の前職はITコンサルの会社で、私がいた事業部は製造業向けの事業体。
お客様は製品開発の技術屋さんたち。
つまり日本のものづくりの最前線の方々でした。

私自身はITはまったく専門外だったのだけど、そこで一生懸命背伸びして仕事を覚えていったので、ITやものづくりと聞くと、なつかしくも前向きな気分になるし、仕事の仕組みをその現場で覚えていったので、そのルートで話を聞くとわかりやすかったりもします。


今回のテーマは「日本企業の不得意分野」。

簡単にいうとものづくり大国ニッポンは、「ものづくりはすばらしいけど、価値づくりがたいそうへたくそである」ということ。

それを聞いて真っ先に思ったのは、子育て支援業界もおなじじゃん。
ということでした。
わが身にまっすぐキたのです。


子育て支援、まちづくり、は究極のものづくりでこれからのものづくりである、と、以前世田谷ものづくり学校IIDのジュニアビジネスユーザとしての入居申請でアピールしたのですがそれは玉砕。

でも、本気でそう想っているし、
デザインとか製造とかの直接的なものづくりだけじゃなく、”これからのものづくり”のために必要な事業なのに、なんで私たちのよさがわからないのかしら!なあんて、悔しく思っていたので、今回の記事はそんなわたしにしっくりくるものだったなあ・・。

子育て支援業界と技術経営(MOT)はくっつく。


**コラムから抜粋すると

経営学の中で製造業の経営に焦点をあてた技術経営(MOT/Management of Technology)は
 

 (1)ものづくりをいかにうまくやるか
 (2)ものづくりをいかに価値作りに結びつけるか


という2つのテーマがあり、最近ものづくりと価値作りの関係性がかわってきたそうです。


昔はいいものをつくれば価値はついてきたけれど、いまはそうじゃない。

ものづくりが格段に優れていなくても、
価値づくりが上手なところは、やっぱり結果がでている  ということ。

技術の底上げがおきてて、模倣のクオリティが上がり、革新的な商品の模倣版が
市場に投入されるスピードが速くなって来た結果、「勝ち」でいられる期間も
短くなり、価格競争に巻き込まれていく。。

また、パーツがよくできているので、それを寄せ集めてつくれば
そこそこのものがつくれるようになっている背景があったり、
その底上げの結果、顧客側もある程度の品質でも十分満足がいくようになり、
高付加価値の商品を求めていない、ということもおきている。


顧客も、そこそこの機能でも納得するため、"イイモノ"に対して支払う意思が
低くなり、いいものだからといって高く売れない。


究極の品質が求められていない中で、品質を追求すると結果として「過剰品質」
となり、ニッチで限られたものとなってしまう。


子育て支援に置き換えてみても同じ。
いい場、いいプログラムがあったとしても、それを「模倣して形にする」
ことは前よりもきっと簡単に早くなってきている、と思う。
模倣する人たちも、企業だったり、行政だったり、組織としての体力がある
ところが出てきているし、

多様な担い手によって底上げが図られ、いろいろな形の支援がいきわたり
始めているので、顧客にあたる子育て層も、「究極」を求めない。

ある程度で十分。

ハイエンドのパソコンは要らない。
そもそもネットとメールが使えればいいのだから、携帯で十分。
ウルトラモバイルで十分、となるのとまったく同じです。
比較するものは源流は違うけど「スペック」で考えると同じ土俵になる。

そうだよねえ・・
そ、なのよ

子育て支援のあるべきものを突き詰めていき、ハードルをどんどんあげて
いくと、結果として「ニッチ」になるという危険性があるってこと・・・



価値づくりがうまいことは、事業を健全に推進して価値を生み出すために必要だという当たり前の事実ですが、子育て支援やNPOの運営に重ねて考えると、私たちがすべきこと、持つべき視点や覚悟が、まだまだ足りない・・とおもってあせったりもしてしまいます。


どちらかというと「高品質」を追求している私たちなのですが、
この流れでみていくと、いいものをつくりたいし実際に作り出せているのに、
過当競争に巻き込まれて「低価格化」していくか
(あります、あります)

その品質、その値段だから買う、というようなニッチな客層をターゲットと
していくしかないけど、それは「地域」「子育てNPO」という軸をもっている
私たちにとっては、本来の姿ではない。

目指すべきは、高い付加価値を創造していくことであり、
そのためには、私たちの中を高めるのではなく、
顧客から見た価値(子育て層や、協働相手)を高めていくことをせねばならない。


いまは「いいこと」を追求するのではなく
「いいことである」と認めてもらうためのこともしないといけない。

「価値創造」と「価値獲得」でいうと「価値獲得」をもっと意識しないといけない。


自分たちが見つめているものに目を凝らすことがいますべきことじゃないんだ、と
気がついたりしました。


**


でも、このコラムの最後には

「日本企業はものづくりが伴わない価値づくりを目指すべきではない。
 両方の相乗効果を創出する経営が必要なのである。
 価値を造りこむものづくりだ」



と書いてあり、自分たちがやっていることへの誇りも取り戻す。
わたしたち、「ものづくり」には自信があるのです。


全国の子育て支援にかかわる人たちの顔が思い出され、
最近世間でブレイクしている(って言い方失礼ですが、あえて)
みなさんがしっかりやっているのは「価値獲得」なのだ。

そして、そういった人たちに対して懸念をいだくのは
「価値創造」への不安があるからだ。



でも、自分たちがもっているものを認めて、「価値創造」を引き続き
しっかりやることがやはり一番大事な生命線であるし、
延岡教授のレポートの中では、

さらに鍵となる概念として、高い業績を持続的にあげていくには、
組織能力の積み重ねこそがもっとも効果的、とも言われています。
組織能力の強みを強化することは、きっとできる。


自分たちは、やってきた。
という自負は脈々とあるのです。
おいしいからやってきたわけじゃないからね。


機能的価値ではない「意味的価値」を見出すことはNPOという
存在が社会にしっかりと認められて、協働のパートナーとして
認識されるためにも必須です。

なんとなくの認知度は高まったNPOの10年ですが、
あたらしい段階に突入しているのだなあ・・・とあらためて
実感したし、あたらしい経験を積み上げていきたいな、と強く願います。

NPOに所属している個としての私の新しい体験ではなく、
団体として多様な経験をし、中ですりあわせて、自分たちの力にしていくこと。



自分が目指す方向が、だいぶクリアになってきました。

今年は「自分が楽しむ、心地よくある」と誓いましたが、
その先には、こんなもんがあっていいのだ。

でも、既存の枠組みにとらわれずに、体験を重ね、いろいろな人たちとも
すり合わせしてきたいなあ。



こんなことをつらつら考えてノートに考えをメモってたら旦那が帰宅し、
「こんなことやりたいと思ってるんだ」と聞いたアイデアがまた、
これを掘り下げるような内容。

自分が感じたことを、事例を通して復習したような気分です。
いい宿題をもらいました。


経営学、経済学。

一度、勉強してみたい領域です。ほんと。
勉強したいなーー










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Last updated  2009.01.15 23:51:48
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