その国へ
絶滅危惧種に指定されているツルの仲間にオグロツルというのがあるそうだ。その国にはたくさんのオグロズルが越冬のためにやってくるという。近代化の波がこの国にもやって来て、美しい緑のこの村に電気を引こうという段階になって、村人達は話し合った。電気を引けば便利になる、ランプの暮らしから開放される。だけど、電気を引くには電柱が必要になる、その電柱には電線が有って、冬になるとやってくる美しいオグロツルが引っかかって怪我をするかもしれない。真剣に悩んだ村人達は、結局電気が来る便利さよりもオグロツルを選んだという。ある美しい村があった。そこにも自動車の通れる道を作ろうという話が上がった時、王様が自らやって来た。「自動車道路の予算は確保した。でも本当に道路を作っても良いか?この美しい村の美しさが保てないかもしれない。道路が無くても他の地域と同じように医療や教育や生活で困ることの無いようにしよう。本当に道路が必要か話し合ってくれ」。そして村人は話し合って、今は必要ではない、道路が必要になった時作ればいいじゃないか、そういう結論を出したそうだ。「生まれながらにすべてが与えられているというだけでその国の権力を手にしてはいけない」王様はそう言って、自ら譲位を口にした。そして国の存亡の危機になった時、王様は政府を首都に残して、自ら王子と2人で国を守るための戦争に出向いた。前線で矢面に立って。譲位したにも関わらず、国民を守るのがまだ残された私の勤めだからと。16歳で王位に着いた時から、王様はずっと譲位のことを考えて準備を進めて来たのだという。元王様は森の中の小屋のような家で本当に質素な生活をしていらっしゃるそうだ。だんだん豊かになって来たその国では、王様より豪華な家に住んでいるものもたくさんいるんだとか。「幸福の大国ブータン」ドルジェ・ワンモ・ワンチュック ブータン第4代国王妃著「ブータンに魅せられて」今枝由郎著「ブータンの朝日に夢を乗せて」ダショー西岡の物語3冊の本を読んだ、ガイドブックではなく、ブータンという国を理解する本だ。これだけでは物足りないかもしれない、後は自分の目で確かめてこよう。ブータンという国を。最貧国なのに「国民総幸福な」国を。橋渡しをしてくれるのはブータンでJICAの青年海外協力隊で日本語を教えているアサミちゃん。http://www2.jica.go.jp/hotangle/asia/bhutan/000738.htmlという訳で今月いっぱいブータンと飛行機の乗り換え地のバンコク(ひゃあ!)に行ってきます。すみませんが、しばらくお訪ねもコメントも出来ません。余談母を妹のところに預けての帰り行きつけのインドレストランへブータンの料理はものすごーく辛いんだそうだ、何しろあの激辛青唐辛子がスパイスではなく、野菜なんだそうだ。練習というわけではないけれど、辛口インドカレー。