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2011年03月の記事

全16件 (16件中 1-16件目)

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満開の桜の下で

[人は奪い合えば足りないが分け合うと余る] prayforjapan より

March 31, 2011

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立ち上がれるものから立ち上がれ

　　我が家の庭のカタバミ達、庭中蔓延ってほかの花を植えるスペースがなくなるから、年中抜いて捨てているのに、しっかり翌年には庭一面に咲き誇る。抜かれても抜かれても立ち上がる。その根性には脱帽。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーネットニュースにニューヨーク紙の記事「日本は自粛という強迫観念にとらわれている」が載っていた。日本国民の多くが地震や津波の犠牲者への弔意から日常の活動を縮小するようになり、国民経済への悪影響が懸念されると伝えていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー日本経済が委縮するとますます経済が細っていくのだろう、そうだとすれば、せっかく復興しようとしている東北に援助が行かなくなるのではないか？西は元気だ！次は関東が元気になろう。立ち上がれるものから立ち上がろう。先に。そして、後から来る者たちを引っ張り上げよう。花見をしよう。花見だ。ということで、本日新しいカメラで桜の写真を撮って来た。等覚寺のしだれ桜・２０１１・３・３０

March 30, 2011

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余命３か月

元気が出るブログにしようと思うのにこのタイトル。省エネしなきゃあと、いろいろ家の中を住みやすく片付けている。あっちへ歩いたりこっちへ歩いたり。夫が言う。「お母さんの後をついて歩けば省エネになる」うーん、歩いた後の電気がつけっぱなしだった。元気が出るように花の写真でも撮ろうと買ったばかりの一眼レフを持って外に出る。時すでに遅し、庭一面に咲いているピンクのカタバミは午後になると皆、しぼんでいた。明日まで。何かちぐはぐな生活。頼まれて本屋から取って来て置いた俳句の本を、病院帰りのお隣さんが取りに来た。朝から介護タクシーで病院に行って、夕方帰って来たという。そうだろうと思って、おすそ分け用に、おでんを作っておいた。今日の我が家のおかずもシャトルシェフのお鍋で温めておいたおでん。お隣さんはご主人の余命が３か月と診断されたけれど、それを過ぎても頑張っているんだという。そうだね。ホスピス面談の時の我が母の診断書にも余命宣告が書かれていた。でも、母もまた頑張っている。大好きなデイケアーも行かれる。お昼のラーメンは私と半分っこしてもまだ食べきれなくて残してしまうけれど、毎日クロスワードパズルをやってボケないように頑張っている。病院の先生の判断を疑うわけじゃないけれど、人の余命なんて神様にしかわからない。夜、夫がつけているテレビの面白ビデオを見て馬鹿笑いする。涙が出るほど笑う。顔が引きつっていたっていいさ、笑える幸せ。

March 29, 2011

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猫は旅に出なかった

みんな国に帰っちゃったからなあ、さびしいなあ。九州に旅立ったとばかり思っていたジヘさん、実は獣医に聞いたら、９時間の長旅は猫には長すぎると言われたそうだ。「どうしたらいいか迷って、迷って、心も頭も疲れています」と、メールをくれた後、音沙汰なしで心配していた。結局、来週早々に猫を連れ合い（主人とか旦那とかいう言葉は従属的で嫌いなんだとか）に預けてちょっとの間だけ韓国に里帰りするようだ。荷物をまとめて帰国したほかの人たちとは違って、日本に残らざるを得ない状況の彼女だから、ちょっとだけ韓国旅行をして友達にでも会って、心を落ち着かせて来るのだろう。何にしてもジヘさんが落ち着く方法を見つけられて良かった。お土産は何がいいか聞かれたから、「韓国のパン」とお願いしておいた。さて、私は　すっかり落ち着いたスーパーに行って新しいアイテムを買って来た。節電の友である。エアコン節電のための２つ目の湯たんぽ。暖房我慢していたら寒さで血圧が上がってしまったので、肩にあてるホッカイロ。カエルの目玉にして遊んでいるのは次女のダンベル。ちょっと遊んでみた。そして、今日のおやつスーパーでイチゴをたくさん買ったので、それとなくタルトの本をテーブルに置いておいたら、夫がいちごタルトを焼いてくれた。カスタードはどう作るのかとか、下地のクッキーの重しは何処だとか多少うるさかったが、おいしそうなのが出来上がった。これから食べるつもり。

March 26, 2011

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我、心に期するところあり

「日本は駄目になると外国は言っているみたいですね。アメリカ人もフランス人も逃げていらっしゃいと言っているらしい。病人は便が出ないから機嫌が悪いし、私は疲れています」今朝、隣のおばさんから携帯メールが届いた。すは一大事！メールの内容にではない。そのメールが来た事にである。すぐさま電話を掛けてお茶に誘った。運よく病人は薬が効いて寝ているらしかったので少しの時間、お菓子と紅茶で、お隣のご病人と似たような状態ながら、まだしっかりしている我が母を交えて、たまった気持ちを家で発散してもらった。人の不安を取り除けるほど肝っ玉が据わっていない私だが、少しは役に立たなきゃ。　　鎌倉欧林洞の桜パウンドケーキ今回の災害、若い人たちが素晴らしい活動を見せている。昨年のキッズボランティアに参加してくれた大学生の女の子が、災害発生を知るや否や、毎日、鉄道沿線の駅を変えながら、各駅頭で仲間を募っては募金活動を進めた。前日にfacebookで予告し、仲間を集めるのだ。今日は何十万集まった。明日はどこでやるよ、と告知して。facebookで「Pray for Japan」というタイトルが世界を駆け巡ったのを知って、ある大学生が、その世界の人の祈りを日本人に伝え、日本人が、被災した人もそうじゃない人も、心の内を伝え合い、励まし合うサイトを立ち上げた。そのサイトでは、苦しい心を・不安な心を・頑張る心を・励ます心を、映画のエンドロールよりも早いスピードで更新し続けている。このショックな経験で、多くの若い人たちは期するところが有ったとみるのは私だけだろうか。今まで目標を定められずにいて、今、自分の道を見つけた若者も多いと思う。今何をなすべきか。私は何をしたかったのかと。心に期するところを見つけた人が多かったのではないだろうか。本日のタイトルの「我」は「灰色ウサギ」ではありません。この歳では、期してもあまりお役にたてそうもない。今日の我が家のこぶしとあんず

March 24, 2011

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猫を連れて旅に出る

まだまだ余震が続いていたころ、東京で働いている娘のtwitterに「トイレにいたら余震、怖い」と有った。私は打ち返す。「ドアを開けて入ったら？」答えは「会社のトイレやねん、開けるわけにいかないだろ」と関西弁で・・・。節電でホッカイロと毛布に包まり会社で仕事を続ける娘を心配して、「エコノミー症候群にならないようにね」と打ったら、「寒いからしょっちゅうトイレに行くから心配ない」母は心配なのです。子を持つ故になお一層不安になるのです。地震の中で、津波の中で、すべての母親が子を思ったはずです。母親の宿命です。どんな母親でも。すべての母親が・・。子供のいないジヘさんは韓国から７歳の猫を連れて来ていた。そのジヘさんからお願いメールが来た。「韓国に帰る１か月ぐらい、ねこを預かってくれないか」と。猫があまり好きではない夫だが、「いいよ」という。ねこ受け入れ態勢を整えた。しかし、生まれた時から一緒に布団に入れて赤ちゃんのように育てたから心配で、心配で離れられないんだという。一時猫を連れての韓国帰国も検討したが、再来日時に猫の入国が困難かもしれないと悩んでいた。そこで私はアドバイスをした。韓国に帰る費用が有れば、少しの間九州の方に避難していたら？、不安から遠ざかることで気分はだいぶ違うだろう。それに我が日本はまだまだ美しい。この際だから日本を良く知ってもらういいチャンスだ。そして、今日彼女は彼女の愛する猫を連れて旅に出た。猫と一緒でＯＫのホテルを予約して。まずは５日の予定で、旅はもう少し長くなるかもしれないという。彼女もまた母なのであろう。子が猫であっても。夫がアップルパイを焼いてくれた。そのうちのアツアツの２つをお隣に届けた。病床のご主人もおいしいと食べてくれたという。

March 21, 2011

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心はいつもあなたのそばに

私の世界中の友達が皆メールに書いてくれている。「心はいつもあなたと共に」ほとんどの企業から外国人が国外退去しているという。お金のある国から国力のある国から。夫の会社からも。だから、たとえそれが手紙の上だけであっても、心が私たちとともにあってくれることはうれしい」キム（いやギムさんだった）さんからも昨日ルユンを連れて帰るとメールが来た、「大好きな日本だったのに、悲しい」と。（過去形だあ～）料理学校の卒業式を終えたイさんは予定を早めて、２３日に日本を離れる。ジヘさんは、愛すべき猫を連れて出るか、友達に預けるか迷っていて帰国が決断できないでいる。さて、昨日インドネシア人のジャヌディン達に電話した。彼らは今朝もはよから工場に行ったらしい。計画停電だから、休日だって会社に出る。そして日本の復興のために今日も溶接の仕事を頑張っている。「頑張ってね」というと「先生もね」という。励ましているようで、逆に励まされた。昼、夫に引っ張られていやいや散歩に出た。土筆を採りに出た。２時間その辺を歩き回る。春だ！春が来た。

March 20, 2011

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次なるはウエシマ作戦

昨夜、（このところ毎日だが）緊急地震情報がテレビで出た。ヘルメットをかぶり、パジャマの上にジャンバーを着てテーブルの下にもぐる。ほとんど揺れなかった。夫は湯たんぽを抱いて、ソファーに寝たまま、「揺れてないよ」とのんきに言う。テレビを見ていると原子力発電所だとか、緊急地震情報だとかで心が落ち着かない。「寝ていると携帯の地震情報が来て起こされ、寝られないから不眠症になった」と言ったら、夫に、「良く寝ているようだよ。６時間ぐらい」と言い返された。「不安症になって、ごはんが食べられないから２キロやせた」と言ったら、「４月に検診あるから減量目標達成できそうじゃない」と言う。もうテレビを見ないことにした。夫の携帯電話も昨夜は今に置いて寝た。一度恐怖から離れることも心のケアには大事なことかもしれない。今朝キャロルが電話して来た。アメリカに帰るという。理解できるよ。「気を付けてね」と言ったら、涙声になった。あの陽気なキャロルが・・・。ヤシマ作戦のほかにウエシマ作戦というのもあるんだとか、譲り合いの精神。隣のおばさんがおじさんと病院に行って疲れてしまって薬を取りに行かれないと、嘆いていた。そして私は今日も丘を降りる。パンツの下にスパッツ（古い言葉だ）を履いて防寒ばっちりで、薬をもらいに丘を歩いて降りる。帰りのバスはガソリンスタンドへの列でなかなか通れない。ウエシマ作戦（譲り合い）緊急発令せよ。花屋だってちゃんとやっている。

March 18, 2011

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ヤシマ作戦発令せよ

私に何ができるか。ほとんどの日本人が今考えていることだと思う。寝たきりの病人がいるお隣さんに声をかけ続けている。「何か困ったことはないですか」停電の時間など不安なようだ。今日、大人用おむつがないというので、リュックサックをしょって歩いてわが町の丘を降りた。まず薬局に行く。２か所回って、頼まれたものと少し違うが無事確保。薬局はそんなものも品不足になっていた。どうしてみなすぐ必要でもないのに買うの。本当に今すぐ必要な病人がいるのに。同じ薬局でそのあと訪問する予定のキムさんのためにルユンのおむつを買う。頼まれたものは売り切れ。棚にはほとんど品がない。ここでも頼まれたものとは違うが何とか一つ確保。ルユンがいて外に買い物に出られないキムさんのためにお昼のサンドイッチとスープを買った。家から持って来たりんごとみかんとともにタクシーで授業の時は自家用車で通うアパートに届ける。タクシーは燃料がガソリンと違うから利用できる。地震の後からメールで励まし続けているキムさんであるが、そのぼろアパートは４階。「怖かったんです。原発が心配」という。そして、今帰国を検討していると言った。その気持ちわかるよ。私が彼女の立場だったら絶対そうするだろう。少しさびしくなるが、それがベストの選択だと思う。帰国までの間、この美しい日本でがんばれ。私に今できること、大変な状況の日本で心細い思いをしている生徒たちのために、声掛けをして励まし続けること。トイレの途中で、エレベーターに乗る直前、大きな余震が来て不安な思いをしながら、仕事を続けている東京の次女を双子のように仲の良いロンドンの姉が、ツイッターで励まし続けている。彼女たちのツイッター会話を覗くと「ヤシマ作戦」という言葉が出ていた。「エバンゲリオン」とかいうアニメで日本中のエネルギーを箱根に集める作戦なんだそうだ。節電に努め、買い占めをやめ、日本中のエネルギーを東北に集めよう。ガソリンや食料と暖かい心を東北に送り続けよう。海外の人たちが賞賛しているではないか、日本人の秩序は素晴らしいと。歩き回って「ああ、疲れた」と言ったら、タクシーの運転手が、「こんな時だから落ち着いて」と言ってくれた。お菓子を食べて一休み。

March 17, 2011

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ジヘさんの場合

地震が起こる一週間ぐらい前、私と韓国人のジヘさんは三浦半島の河津桜を見に行った。京急線沿いにずらっと咲いている桜は本当にきれいだった。桜を見た後、私は尋ねた。「お昼に何が食べたい。三浦半島はお寿司がおいしいけれど」言い終わるか終らないかのうちに彼女が答えた。「あのぐるぐる回るおすし、行ったことがないです。」回転ずしですね。スシローとか、かっぱ寿司なんて安いのじゃなくて、魚料理店がやっているおいしい回転ずしに行きましょう。テーブル席とカウンターどちらがいいですか。「ぜひ、カウンターで！」初めて食べる回転ずしにジヘさんの目は輝いていた。座るや否や、ささっと回転台から寿司の乗ったお皿を３枚取って、自分の前に置いた。それでもうカウンターはいっぱい。今度は私の目が点になった。回転ずしって一皿ずつとるんじゃなかったっけ。そのジヘさん、震災の日は横浜の日本語学校で勉強していた。以下は安否を尋ねた私への返信メールだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー金曜日、地震の時　５階の　教室で　勉強して　いました。すごく　こわかったんです。後で、みんな　近所の　神社で　集まって　いましたが、５時ごろ　解散しました。駅で　電車を　待っていましたが、友達は　歩ける　距離ですから、ひとりだけ　のこりました。桜木町も、日の出町も　今日は　だめだと。。。　それから　横浜駅へ　行きました。そこで、避難所の　案内書を　くれました。私は　よく　わからなっかたので　人々を　追って行きました。避難所では　大勢の　人が　いました。水と　みかん、そして　毛布　一枚を　もらって　寝ました。猫が　心配で　翌日　朝　はやく　横浜駅に　行きました。圧死が　恐ろしいぐらいでした。うちに　戻って　猫も　元気で　うちも　そのままで　安心で、　暖かい　布団で　よく　ねました。。。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー彼女は韓国人なので文章は分かち書き（助詞や名詞で区切っている）している。

March 15, 2011

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Don't give up, Japan.

イギリスの新聞です。ロンドンの娘のブログから借りてきました。頑張れ東北！！

March 14, 2011

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ありがとう、そしてわたしにできること

地震の後、停電が復帰しパソコンを開けると、世界の友人からたくさんの安否を心配するメールがメールボックスに詰まっていた。フェイスブックにもたくさんのメッセージが私宛に届いていた。世界の友達へ、私は大丈夫です。ありがとう。サウジから、ドイツから、グアテマラから、イギリスから、台湾から、アメリカから、中国から、タイから、ブータンから、韓国から・・。みんなありがとう。でも、テレビを見るたびにつらくなる。涙が流れる。ドイツのルース、「おお神様・・・。」って書いてあったよね。神様、どうかみんなを助けて。私にできること明日郵便局に行こう。何もかもなくしてしまった人のために。そして祈ろう。テレビで「独りぼっちになってしまった」と泣いていた人が少しでも生きる力が出るために。デマに惑わされないようにしよう。東京のスーパーから食料が消えているという。ガソリンスタンドに人々が駆けつけているという。日本人は外国人が感心するほど冷静に地震に対処してきたではないか。そして、明日から計画停電。私は一日のうちのパソコンを使う時間を減らします。みなさんのところに訪問する時間も少なくなります。コメントもコメント返しもできなくなるかもしれません。それが私にできること。人工衛星から見ると日本のところは夜、煌々と輝いているそうだ。ネオンや家々の明かりで。その光が消える。でも必ずまた明るい未来が来るから希望を捨てないで頑張ろう。

March 13, 2011

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オリオンが瞬く

部屋の掃除を終えてソファに座っているとわずかに部屋が揺れだした。それは直感で地震だとわかったので急いでテレビを付ける。揺れはだんだん大きくなって来た。火元を確認して家を出た。道路には誰もいない。まだ誰もいない。ごみ収集車が５０ｍ先で仕事をしていた。作業員は私が道路の真ん中にいるのをいぶかしむ。しかしその時間もそれほど長くは無かった。そして彼は仲間に「地震だよ。なにこれ、すごい揺れだ」と叫んだ。電信柱も木も何もかも大きく揺れている。足元からゆっさゆっさと大きく揺れている。「大きいぞ」そのころになると家々からみな飛び出して来た。道路の私と目が合う。しかし、何もできない。ただ、道路の真ん中で立ちすくすだけ。膝ががくがくする。怖かった。今までの人生での経験から、この揺れは遠くで起こっている。そして、ここでこの大きさなら、震源はもっと大きい。それはもしかしたら娘のいる東京？そう思ったら急に怖くなった。娘に電話を掛ける。繋がらない。夫に電話を掛ける繋がらない。そうだニュージーランド地震の時、崩壊した建物の中から、日本に電話を掛けた人がいたはず。そして、ロンドンにメールを打った、「地震、○○とお父さんと連絡が取れない」携帯電話を持ったまま立ちすくす私にごみ収集車の作業員が声をかけてくれた。「大丈夫ですか？火は切りましたか？」その人は家から飛び出す人、飛び出す人すべてに声をかけた。「大丈夫ですか。火はついていませんね」その声掛けは力強く、私たち皆を勇気づけた。それからは、電話もできない、テレビも見られない、PC も使えない。情報はラジオだけ。初期の文明の利器だ。ラジオによると震源は少なくても東京ではなかった。しかし東京はもっと揺れたはず。心配だ。こちらからは通じない電話に東京のカイル君から電話が入った。「大丈夫？　怖かったね。」「良く電話つながったね」「ううん、many many times.]そう、何べんもかけてくれたんだ。日本の彼の家族だから。信号がすべて止まって渋滞しているから、予定より遅れて母がデイケアーから帰って来た。夫の安否をメールで確認するも新宿の次女の様子がわからない。そうこうしているとロンドンからメールが届いた。次女が無事であること、私の妹や家族がみな無事であること。良かった。そしてついに携帯電話が通じなくなった。あたりは暗くなって来た。電気が来ない。雨戸の電動シャッターが閉まらない。床暖房はガスなのに電気が来ないから入れられない。部屋の中でコートを着て、ろうそくを立て、かろうじて止まらなかったガスでお湯を沸かし、母に湯たんぽを渡す。運よく会社に立ち寄ったお客さんに乗せてもらって夫が帰って来た。今日は帰って来ないだろうと覚悟を決めていたのに、ろうそくの明かりで夫の顔を確認するとホッとした。そばにいるだけで安心。夫の電話はdocomoだからまだ使えた。そこに次女から自分は今、帰宅難民中で新宿を出て東京の自宅に向かって歩いている。大勢の人が歩いている。ツイッターを見るようにと電話が入った。夫の電話からツイッターに入る。そこにはロンドンの娘が待機していて、私たちの中継をしていた。帰宅難民中の次女を励ましている。「疲れた？頑張って帰るんだよ」そして彼女はただ祈ることしかできないからとロンドンの教会に行く。教会ではみなが日本の人のために祈ってくれていたのだという。ツイッターは続く。次女の帰宅を知らせるコメント。長女は書いていた。「いろんな人の優しさがLondonにいてもありがたい」と。皆が声を掛け、気遣い、励ます。眠りにつく前に雨戸が閉められない居間から、電気が消えた真っ暗な街の空を見上げるとそこには無数の星々とくっきりとオリオンがきらめいていた。涙が流れた。地震で亡くなったたくさんの方々のご冥福をお祈りします。

March 12, 2011

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地図は鳥瞰図で

私は地図が大好きだ。読むのも、見るのも、使うのも。少し前まで、夫が運転する助手席でカーナビを付けるのを拒んで地図を見ながら指示していたものだ。良く道に迷う人は自分の歩いていく方向だけを立体的に見ていることが多いように思う。２つ先の角を右に曲がって、その先をまた左にとやっているうちにどこを歩いているかわからなくなってしまうようだ。地図は鳥が飛びながら、真下を見るように見るのがおすすめ。街も川も山も上から見下ろす。もちろん頭の中で。歩く時は太陽を見ながら、北へどのくらい、東にランドマークがあると覚えながら歩く。そうしているうちに自分の頭の中に地図が出来て来て、それが実際の地図と一致するのだ。昨夜、ロンドンと東京で２人の娘達がtwitterをしていた。長女がロンドンの街を歩きながら、次女はたぶん仕事をしながら？時差を超えて。ちょっとスローンスクエアまで（長女）→スロンスクエアいいところでしょ？（旅行者じゃないロンドン生活経験がある次女）→どこがおすすめ？（長女）→トラファルガー～エンバンクメント～橋渡る・・・・（次女）日曜日の昼下がり、ノッティングヒルやセントジェームスパーク、ロンドンの街をひたすら歩く長女。私も以前娘たちと廻ったロンドンの街を思い浮かべながら、頭に地図を描く。空から、娘の位置を確かめる鳥のように、twitterで娘の足跡を追う。おや、この感覚、どこかで見たな。そうだ、何年か前のハリーポッターの映画で、地図の上に、一人の少女（だったと思う）の足跡が現れていくシーンだった。それにしても文明の利器（web）とはなんと素晴らしい。これじゃ、国も政府も転覆するのもわかる気がする。散歩の途中の本屋でゲットしたらしい、彼女にとっては２，３０冊目かの「ナルニア国物語ナルニア国物語とともに育った彼女だから、ロンドンの街はまさしく彼女にとってのナルニアかもしれない。その本屋Hatchardsはロンドンの街のどの辺？

March 7, 2011

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トトロの贈り物

今日はもう３月４日、いやもう５日に突入してしまった。実はまだ雛人形を仕舞って無い。確定申告を先にするか、雛人形を先にするか・・。次女の悲鳴が聞こえそうで怖い。何かやらなければならない時に限ってほかのことを思いつく。試験勉強の時期になると部屋の片付けを始める学生のように、この忙しいのに今夢中になっているものが有る。やっぱり片付け。TV の片付け専門家とやらが言う。「３年使わなかったものはいらないものだから捨てなさい」と。そこで、今せっせと物を捨てている。今朝、夫の前で片付けながら、「使わないものは捨ててるの」と言ったら、彼が言った。「僕も捨てられそう」私も言い返す。「今使っているでしょう」「じゃあ、リタイアしたら危ないな」冗談は会社に行く前の準備体操。朝になったら、ジヘさんと河津桜の花見。早起きして雛人形の片付けから始めるべきか・・・。いつもの散歩道の桃の花も咲いた。鮮魚売り場のスーパーに並んだサヨリも新鮮だ。お造りにするにはちと時間がかかったが、そのキラキラ透き通った姿は春を呼ぶ。　　夜、夫がお土産をいただいて帰って来た。袋を開けると、中から３つの小さな佃煮の包みが出て来た。「あ、トトロのお土産だ！」夫が叫んだ。ああ、あのどんぐりの入っていた包みね。

March 4, 2011

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成田発ロンドンへ（彼女と彼の選択）

今日のタイトルをどうするか非常に悩んだ。思いつかないから適当に。今日、夫と成田空港に行って来た。ロンドンに転勤する長女を見送りに行ったのである。空港に着くと、ANAの車で先に到着していた長女とその夫と次女の３人が待っていた。見送る側は婿殿、わが夫、私、次女である。見送られるのはこれから３年間ロンドンに赴任する長女一人。「だって、私の一度きりの人生だもの、後悔したくない」と彼女は言う。彼女の夫は日本に仕事があるから日本で生活する。娘はロンドンで。言ってみれば遠距離結婚かな。そのことを娘と私の共通の友人であるドイツの友人ルースに告げた時、「ワオー、３年は長い」とびっくりされた。確かにそうだろう。皆そう思う。うん、でも、答えは長女とその夫が出した結果だ。「これでまた孫が遠のいた」と小さい声で我が夫は言うが。いいんじゃない。そういう生き方があっても。世間と同じ答えを出す必要もないしと私は思う。彼女が出国ゲートに入る前、固く一回ハグをして送り出した。彼女は、出国ゲートを入った後、出国手続きに向かう下りのエスカレーターのステップに手荷物を乗せ、動くエスカレーターの上で、パスポートと搭乗券を持った左手と右手を高く掲げ、大きく、大きく両手を振り回してガラス越しに見送る私たちにバイバイをした。それは私には、これから飛び立とうとする鳥の羽ばたきに見えたのだった。行ってらっしゃい！どれが娘の乗った飛行機かわからなかったので、それらしきANAの飛行機全部に展望デッキから手を振っておいた。そして、写真は取り遅れ。

March 1, 2011

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