リンさんという人ーその1
いつもの女性の郵便屋さんが今日はベルを押す。「お宅にリンさんという方いますか」そう言って茶封筒の宛名を指す。見覚えのある茶封筒に私の住所が書かれ、本来私の名前が書かれるべき宛名のところに「リン」というカタカナの名前がフルネームで書かれている。ははん日本語教室は今、春休み。休みになる前に何人かの生徒に宿題を出しておいた。ついでに日本での手紙の出し方、宛名の書き方を覚えてもらうために、宿題返送用の封筒を渡し、私の住所を教え、宛名と差出人名の位置を教え、重量計算をして80円切手と60円切手を渡したのだった。「はい、うちにリンさんいます。ご苦労様」と言って封筒を受け取った後、裏を見ると裏には差出人のリンさんの住所と、そこにもリンさんのフルネームが書いてある。訳わからん。おまけに、封筒の表には料金不足の通知はがきが貼りついていた。不足分60円。私が渡した80円切手はきちんと消印が押され、所定の位置に貼ってある。もう1枚渡した60円切手は無くしてしまったのだろうか?もう一度裏を返す。ありゃりゃ?すると、そこにも消印印刷のない60円切手が貼ってあった。もう一度投函したら、りんさんに届くだろうか。