迷路と住みついているお化けをお楽しみください
迷路と鳥の城を迎えに来ていた車で無事脱出。「アシュホードへの電車は高架橋を渡るんだよ」と念を押され、電車の乗った我ら、今夜のお宿は中世の街並みが残る古い街Ryeの「マーメイド・イン」。宿を決める時、以前泊まって素敵だったからB&Bでもいいなと思っていたわたしだが「いやだよ。きれいなホテルがいい」という夫に負けて、ホテルの予約を娘に頼んだが、結局満員で、1,420年建設というこの伝統あるイン(旅館みたいなもの)に決定。その結果に密かに喜んだ私だった。インは民宿のちょっと上、B&B よりクラスが上なので食事の後の紅茶を飲む暖炉のあるラウンジも食前酒を飲むバーもきちんと白いテーブルクロスの上にワイングラスの並んでいるレストランもあり、ボーイもバーテンダーもコックさんもウェイターもちゃんといる。ジュディ・ディンチや多くの有名人も泊まったことが有る。ただし、何しろ古い。日本の歴史ある老舗温泉旅館が、棟を継ぎ足し継ぎ足しして渡り廊下で迷路になっているのと同じだ。地震国日本でこの年代の木造だったら文化財級じゃなかろうか。通路の入り口は狭い、廊下に張り巡らされた絨毯の下の床はぎしぎしと軋むし、歪んでいる。柱も斜めっているよね。←この日本語は辞書に有りませんが使います。鍵をもらって、さて3階の19号室、わたしと夫の部屋を探すが(本当に宝探しのように家族で探したのだ)見つからない。階段を昇り、ドアを開けるとすぐまた階段、登ってドアを開けるとまた通路。見つからない。リーズ城を抜け出せたのにここでもまた迷路か?。結局階下に戻って居合わせたバーテンダーに案内してもらった。屋根裏のちょっと不思議なかわいらしいスペアーベットが有るサービスルームと大きなバスルームが付いた部屋だった。非常口の指示を確認すると、サービスルームのベンチを乗り越え窓から暖炉の煙突が有る屋根を伝って外階段から降りるらしい。すごい!マーメイド・イン ↑駅からの道すがら眺めた小さな街は夜はレストランなど見つからないだろうと、ホテルのレストランで夕食を予約しておいて、街の観光に繰り出した。ごろごろ石畳の両側にかわいらしい紅茶のお店や、カフェやイギリスの婦人たちが被るとんでもなく優雅な帽子屋さんが有る夕暮れの街を観光客に交じって散策する。街はなだらかな丘の斜面を埋め尽くすように最高部の教会を中心に作られていた。大砲のある小さな城(フランス軍から守る要塞)からは遠く運河や電力風車の群れや牧場が見渡せた。観光案内所で明日の遠足ルートを聞き、パンフレットをもらう。「マーメイド・イン」は街の名所でもあるので当然パンフレットに宣伝も載っていた。読んでみる。宿の歴史が書かれた後の行には、「歴史ある建物と入り組んだ部屋部屋の迷路とそこに住み着く幽霊をお楽しみください」と書いてあった。ははは、ますますすごい、だけど明日までみんなには黙っていよう。寝れなくなる人がいるといけないから・・・。