九月も八の日を数えたとあらば、もうそろそろ何か動いてもよいだろうが、
凡々百百とニュースなぞ知りもせず、只時をつむぐだけというのもよいではないか。
とりあえずはきみ、うまれてくれてありがとう。
そして、未だオレなんかの親友でいてくれてありがとう。
さてして今朝、不思議な夢をみた。
どこかの戦場で負けて、捕虜となり、公開処刑で燃やされた挙句大気圏外へと打ち出される。
燃やされ、高くなる空、凍り付いていく自分を見ている、呟いている名前のいとしさを噛み締めて、ただただ凍っていく――そんな処で目が醒めた。
随分と鮮やかでリアルな夢で。
燃やされる人間の匂いも、(それはオレの知らないもので、)
凍っていく人間の悲鳴も、(それもオレの知らないもので、)
ただ、感覚までもがただ、鮮やかに肌と目に灼き付く。
嗚呼、だから夏は嫌いなんだ。
まだるっこく残る夏のにおいは、あの甘い死の匂いと同じで、
どっかからオレの知らない戦場の匂いを拾ってきやがる。
オレは只、凡々百百と日々を過ごしたいだけなのに。
なんでこんな夢ばっかり見やがる。
なんでそんな戦争ばっかりしてやがるんだ、人類ってのは。
けったくそ悪ィ。
なんてゆーか、学習能力ねぇのな、人間て。
夢の中でわらっていたあの少女の汚れた笑みは、オレの作ったかんざしに
癒されて、無邪気に絵を書いて、ただ最期に自分を飾ることを知った少女兵士は、
その碧の煌きに目を輝かせていた。
硝煙の匂いとひとの殺し方しか知らない少女たちが…
嗚呼、だから、何処かで戦争なんてしてやがるのか、ニンゲンは。
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最終更新日
2005年09月08日 19時06分39秒