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2013.02.16
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カテゴリ:カテゴリ未分類
先月、白取春彦の『独学術』という本を読んでいたら、「音楽はいつから始まったのか、音楽の基礎となっているのは音律だ。この音律はいつからあるのか。その疑問を追求していくと、ピタゴラスにつきあたる。哲学者であるピタゴラスがどうして音律を発明したのか。・・・・・」と書いてあった。


ピタゴラス? あの『三角形の定理』のピタゴラス? へぇ~、そうなのか。


この本はそれを詳しく説明している本ではなく、音律はいつ始まったのか? とか、簿記はいつ始まったのか? とか、そういう疑問がなければ知ることができない。自分で勉強しなければ何も身につかないから独学せよ、ということが書いてある本です。


ですが、今日はこの本の紹介ではなく、昨夜見たNHKの『頭がしびれるテレビ』という番組の内容についてです。


頭がしびれる? すごい題名ですよね。初めて見たのですが、俳優の谷原章介さんが進行役の番組でした。


音楽が密接に数学と関係があるという内容で、「世界は数字でできている」と言ったピタゴラスが出てきました。


おお~!! ピタゴラスだ、ピタゴラスだと思って真剣にメモをとりながら見ました。


名曲と言われるものには音の秘密があるそうです。ヒットした曲にはその秘密が隠されてるというわけです。


魅惑の正体は「ペンタトニック・スケール」と言われるもので、これはラテン語で5つの音で構成された音階という意味で、「ド・レ・ミ・ソ・ラ」の5つのこと。


「ファ」「シ」の音は使われていない。


日本でよく使われて作曲されているメロディーは、このペンタトニックなんだそうです。


日本には明治になって「ドレミファソラシド」が入ってきましたが、「ドレミソラ」で唱歌を作ったそうです。だから唱歌は今でも耳に心地よく歌い継がれているのだとか。


なぜ「ファ」と「シ」を抜いた曲が愛されるかというと、ペンタトニックで作った曲が日本人に馴染んでいるのだそうです。


そして、人類が音階を発見したとき見つけた音が「ドレミソラ」で、発見者がピタゴラスだということです。


哲学者であり数学者であり天文学者でもあるピタゴラスが、音階も発見していたとは驚きでした。


ある時ピタゴラスは、鍛冶屋でトンテンカントンテンカン・・・と調和のとれた音が聞こえてきて、気持ちが良かったそうです。


それで、弦を使って実験したそうです。すると、弦の長さで音が違うことを発見。


弦の長さの比が美しく響きあうことに気付き、「」と1オクターブ高い「」の比は1:2分の1であるという音階を発見しました。


そしてドレミソラの場合、

   ド 1
   レ 9分の1
   ミ 81分の64
   ソ 3分の2
   ラ 27分の16
   ド 2分の1
 (1オクターブ高いド)

という計算法則を見つけました。これをペンタトニックというのだそうです。


この計算方法で「ド」と1オクターブ高い「ド」までに12音階があるのを発見。


ピアノの白鍵と黒鍵の数を足すと12になるのはピタゴラス音律に由来するのだそうです。


凄いですねぇ。偉いですねぇ、ピタゴラス。


美しい音楽は数学的な美しさもそなえているのだとか。


音の正体をつきつめると、「空気の振動」ということになるが、音によって周波数が違う。


周波数の比率を計算すると・・・・・

      比率   最小公倍数
ドとド   1:2     2  ← 最小公倍数が小さいほどいい響きである 
ドとソ   2:3     6
ドとファ  3:4    12
ドとラ   3:5    15
ドとミ   4:5    20
ドとレ   8:9    72
ドとシ   8:15  120  ← 一番乱れている音



ということで、単純な比率の方がいい音なんだそうです。


ドミソは4:5:6で最小公倍数は60。これは三和音の中でもっとも小さい。


美しいハーモニーは数学的に調和がとれているそうです。


昔から数学者は音楽に関心があって、中世までの音楽は聴いて楽しむものではなく、哲学や科学に近いものだったそうです。


数学の四大科目は、天文学、数論、幾何学、音楽となっていて、音楽は理系に入っていた。世界をつかさどる法則を見つける学問の一つだったそうです。




また、五線譜はx軸とy軸のグラフなんだそうです。


音の高低をy、音の長さをxで表していて、音の高低がやがて五線譜につながっていく。


楽譜ができた由来って、そういうことだったのですね。


五線譜は音の設計図で、五線譜の登場で何が変わったかというと、複雑な音楽を設計できるようになった。


巨大なビルを建てるためには設計図が必要なように、作曲=設計。


そうして音楽が豊かになって、バッハやモーツァルトなどが登場してくるということです。





ビートルズは、曲の中で数学を様々な方法で試しているのだそうです。
しかし、彼らは意識的にそうしていたわけではなく、自分たちが心地よい音楽を作っていただけ。


ビートルズの音の成分をつきとめた大学の数学教授は、『Here Comes The Sun』は、3と4の最小公倍数で作られた曲だと分析していた。


その心地よさが、私たちの耳に響くわけなんですね。


私たちがビートルズを好きになる理由の一つは、彼らが数学的に曲を作っていたからなんだそうです。


ビートルズだけでなく、ヒット曲を作っている人たちも、無意識に周波数の比率の美しいひびきを作りだしていたってことです。


現在、数学のルールだけを使って作曲している日本人もいて、世界で高く評価され、数々の賞を受賞しているのだとか。


さだまさしがちょこっとコメントしていたのですが、ヴァイオリンを習っていたさださんでさえ
「音楽は数学の対極にあると思っていた」と言ってるほど、ピタゴラスのことはご存じなかった。



ピタゴラスが音楽理論を創ったのは、紀元前530年。2500年も前です。



そんな凄いピタゴラスですが、白取さんの本には、「彼は数学こそすべての原理だとし、生まれ変わりを信じ、豆を食べてはいけないといった奇妙な生活規範を立て、ピタゴラス教団という宗教団体をつくっていた」と書いてありました。(笑)


ちなみに、本屋に行けば『超訳 ニーチェの言葉』という本が並んでますが、あれを書いたのが白取春彦さんです。







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最終更新日  2013.02.16 22:23:28
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