カテゴリ:♪本の覚え書き♪
ウルグアイの邸宅を舞台に繰り広げられるユーモラスでエレガントな物語。英国古典小説の味わいをもつキャメロンの最高傑作。アイヴォリー監督映画化 南米ウルグアイの人里離れた邸宅に暮らす、自殺した作家の妻、作家の愛人と小さな娘、作家の兄とその恋人である青年。ナチスの迫害を逃れてきた先代が、ドイツ風の屋敷をたてたこの場所で、人生を断念したかのように静かな暮らしが営まれていた。 そこへ突然、作家の伝記を書こうというアメリカの大学院生がやってくる。思いがけない波紋がよびさます、封印した記憶、あきらめたはずの愛─。 全篇にちりばめられたユーモアと陰翳に富む人物像、それぞれの人生を肯定する作者のまなざしが、深く暖かな読後感をもたらす。 イッセー尾形さんおすすめの一冊です。 表紙の絵はこの物語をとてもよくあらわしている気がします。 舞台となるウルグアイというところをまったく知らなかったので、図書館で地図や旅行雑誌をちょこっと見てみるとブラジルとアルゼンチンにはさまれた国で、明るい太陽、肥沃な草原を生かした農業や牧畜がさかんなところのようです。 そんな自然の中で静かに暮らす複雑な関係の5人の物語。 亡くなった作家の邸宅での生活はまるでイギリス風、広い家の管理と畑仕事もこなすアーデン。近くで養蜂をするピート。彼らのおかげで気位をたもてるキャロラインとアダム。 登場人物それぞれの性格を現す表現がこの作家はすばらしいです。 ちょっとした行動と短い言葉でその人の性格のすべてを悟らせてしまうのです。 長々と説明されるのではなく、ぱっと頭にその人が浮かんでくる感じです。 ボリュームのある本で字も細かいのですが、サラサラと読み進むことができます。 アイヴォリー監督がアダムをアンソニー・ホプキンス。キャロラインをローラ・リニー。アーデンをシャルロット・ゲンズブール。ピートに真田広之を配して映画化したらしいのですが公開ってされたんでしょうか? ちょっと調べて見たい気もしますが、この物語を表現するのは難しいでしょうね。 この表紙と物語のおかげで充分私の中で映像化されてるよなぁ。そんな気分になる一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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