星から小桂馬シマリに対してカタツキする手が大流行している。
この手は、従来プロ棋士があまり打たなかったのだが、おそらくAIの影響で頻繁に見るようになった。以前から策士系のアマチュアでは打つ人が時々いたが、今はアマ高段者でなくても打たれるのを良く見る。大概こちらも想定していない事が多いので、かなり格下のはずの人に打たれて、あまりに絶好で痺れてしまうことも多い。
このカタツキ、全国的なアマ強豪の中でよく打っていたのは愛媛の田中正人さん。県代表クラスの打ち手がカタツキの連発で翻弄されていたのが印象深い。
実は、身近にたいへんなカタツキの名手がいた。以前何度か記事にしたk先生。
互先ではもちろん、置き碁でも必ずと言っていいほど打っていた。見ていて、そんな身のない手を序盤から打っていて、、間に合うのかといつも不可解に思っていたがが、不思議と後で働いてくる。
この手が、プロが打たなかった一番の理由は「大きくないから」であろう。ところが、最近になり価値観が大きく変化した。9月号の碁ワールドに王銘えん先生がAI碁について書いているのだが、ここでもAI碁の登場によって碁とは必ずしも大きな順に打つのが正しいと言えない事が分かってきた、というような事が書かれている。
その事を何十年も前から知っていて実戦していたのがK先生なのだ。やはり一流の科学者は違うと今になって思う。