スーパーの鮮魚店での話。カワハギをおろしてもらった。奥で調理して、身の柵はパットにアラは袋に入れて、店員さんが渡してくれる。肝はアラの袋の中?、と聞くと、そうだと言う。
晩に刺身で肝を巻いて食べるのを楽しみにしていた。妻が切ってくれたのだが、肝がないと言う。アラの中にもない。思いのほか小さい場合もあるが、これは完全にない。職人さんが忘れたのか、それとも持って行ったのだろうか?店は閉まっている時間で確認しようがない。
肝がないなんて!!とにかく頭に来て、明日行って返金してもらうか、同じもので返してもらうか、なければ丸のシマアジでも要求するか、上層部に言うかと考えているうちに、さらに気持ちが高まってしまった。
食べると身だけでも十分美味しい。ただ、アクセントに巻いて食べようと細ネギを切るよう妻に頼んであったが、ふと気づくと見当たらない。妻にネギは?と聞くとすでに飲んでいた事もあり「自分でやって」という。普段なら、大人しくそうするのだが、言い返して口げんかになってしまった。何て日だ!!
その後、どう抗議するか妻に相談したらやめておけばと言う。これは意外だった。普段は、妻の方が圧倒的にずうずうしく返品や交換など言い出すことが多く、私がいつも止めている。飲食店で皿を投げようとした妻を必死に止めたこともある。私自身は飲食店や小売店で不愉快な事があっても、抗議した事は記憶にない。相手にも何か事情があるし、怒っても仕方ないと思うからだ。
妻の答えで少し冷静になり、考えると、なんで今回はこんなに頭に来たのか自分でも不思議だった。おそらくそれは、肝を非常に楽しみにしていた事と、「かわはぎは肝が命」が常識と思っていたためだろう。しかし、「あんこうは肝」ほど世間の常識でないかも知れない。また、単純に最後に入れ忘れたのかも知れない、さばくのはサービスでやってくれるのだから多少の役得も仕方ないかも知れない、次からは肝も入れてと言ってしっかり確認すればいいだけの話、従来はそのように考えるのが常だった。これは、老化現象か、あるいはコロナストレスのためだろうか。