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カテゴリ:本と雑誌
前回の Gomorra が興味深いとはいえやや重かったので、
今度は深く考えないで、これ、面白いかな?てのかる~く選んでみました。 それがタイトルの Un posto nel mondo 。 イタリア在住者はご存知?俳優、作家、司会者としてマルチに活躍する Fabio Volo の本です。 タイトルや裏表紙のレビューで、 L'ultimo bacio に代表されるような、イタリアにありがちな 若者が大人 (イタリアの場合、30代に入ってから・爆) になっていく葛藤を描いたものかと思っていた。 ま、それに近いけど大人になる葛藤というよりも、今の自分はこれでいいのか、 ルーティンの日々に疑問を持ち突然旅立ったフェデリコと、そのまま残ったミケーレのお話。 不動産屋でクライアントに家を紹介するフェデリコと親友でジャーナリストのミケーレ。 平日もお互いの家で食事したり、金曜は馴染みのピッツェリア、いつもの仲間と いつものように過ごす平凡な、それでも幸せな(少なくともミケーレはそう感じていた)日々。 しかし突然、自分だけの何かを探しに行くと突然旅立ったフェデリコ。 5年後に一時帰国し、生き生きと輝いていたフェデリコに驚きながらも 彼の“変わらなくちゃいけない、変わる勇気を”という話は自分とは違うと感じていたミケーレ。 しかし、再出発する直前にフェデリコはバイクで突然亡くなってしまった。 彼が熱く語っていた話を繰り返し思い出し、彼が愛する女性・ソフィアとプロジェクトを進める カーポヴェルデへ仕事も辞めて旅立つミケーレ。 そこで人生の本当の価値、人間関係、何よりも自分で自分を見つめなおす機会を得て・・・。 話的には非常に読みやすくて大きな感動 とかショック とかってのはなかったんだけど、 イタリア留学に来る前の自分と重なる部分もあって、8年前を思い出しながら読んでいった。 当時、私は30代を目前に、当時の自分自身では否定はしていたけど、 今思うとやはり、いろんな事に焦りを感じていた。自分のしたい仕事、当時の彼との関係。 何かを変えたくてもがいていた時に、ある意味突然に、唯一自分が好きだと自信のあった “イタリア” に行く事を決めたんだった・・・逃げてたのかもしれないけれど、 これが最終的にここで運命の人と出会い、幸せな家庭を持ち、今自分の中で自分の仕事かな と思えるものを少しづつ増やせている事を考えると、あの時の決断は間違ってなかったのかなぁ ・・・なんて(笑) タイトルの Un posto nel mondo は、直訳すると 世界のある場所 とか 世界で(たった)1つの場所になりますが、 この posto=場所がイタリアとかカーポヴェルデとかでなく、ストーリーからして 自分の心の持ち方というような抽象的な意味 になるんじゃないかな。 旅から帰ってきてからのミケーレは今まで向き合おうとしかなった家族と向き合い、 元彼女であるフランチェスカとの関係をやり直し、夢だった本を執筆し始め、 何よりもそういう自分が他人からなんと言われようと自分自身だと思えるようになる。 私も の過去の経験とすごくダブるので、これがすごく大事な事なんだとよく分ります。 単なる自己満足だったり向上心を持たなかったり他人の意見は聞かないという事ではなくて、 自分の欠点も何もかも含めて自分自身を肯定的に受け入れる事 、 私もやっと数年前からできるようになった・・・かな。 もちろん、女としてイケてないとか、もっと仕事したいとかレベルアップしたいとか、 子供2人になって大丈夫かなとか、日本行きたいーーーとか、イタリアのアホーー!とか ローンあと17年もある~とか、細かい欲求や心配はありますけどね(爆) ←多すぎ!? さて、Fabio Volo といえば、私達にとって懐かしい映画があります。 2002年公開の Casomai このポスター、衝撃的じゃないですか とはいえ、私達は映画館で見たわけではないのです。 ちょうどその翌年、教会で結婚式をする為に地元の教会の 結婚準備講座 に出始めた私達。 その教会は何だかいろんな活動をしていて、体育館や公民館のようなものも併設されていて、 この映画は教会の施設で上映し、結婚準備講座に出席しているカップルが招待されたんです。 映画はまさに、結婚を前にするカップルにふさわしい内容。 結婚を前に、これから起こるであろういろんな出来事に対しての心構えを!みたいな(笑) 映画はこのカップルが長い恋愛の後に結婚をし、結婚生活、 特にヘアメイクという自分の好きな仕事をバリバリしていた奥さんの子供を持ってからの変化、 子供に対しての夫婦間の意見の違い、果ては2人目妊娠にまた自分だけ犠牲になりたくないと 中絶を決意する奥さん・・・実は、これまでの物語は結婚式の祭壇の前で 2人が自分達の結婚生活を空想しているっていう結末なんですけど、 まさに自分達が結婚・結婚生活・家庭を持つに当たって何だか考えさせられる内容だったし、 映画としてもとても面白かったので、オススメです☆ 今読んでいる本は、マンマが “これは読むべき本よ” と貸してくれたもの。 これもちょっと“人生系”(?)なんですが、シチュエーション的にジーンときながら読んでます。 ↑ 今年はあともう1冊、2冊いけるかな??・・・ぽちっと応援よろしく♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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